コトラー5.0 7章「新しい顧客体験」②
こんにちは!mizuです。
2回目、参りましょう!
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新しいCXにおける人間とマシン
◆自動化は人間の創造性を次のレベルの押し上げる手段
・空いた時間で想像力が求められるほかの活動を行うことができる
・「テクノロジーはイノベーション実現を可能にし、加速するもの」と認識されなければならない
◆モラベックのパラドックス
ハンス・モラベック:アメリカの人口知能(AI)・ロボット研究者
コンピューターに知能成績でよい成績をとらせるのは比較的簡単だが、コンピューターに1歳児レベルの知覚・運動スキルを与えるのは不可能に近い
・コンピュータは推論が簡単に行える
・人間は感覚的知識は幼いころからできる
感覚的知識とは
・人間の知覚や環境に対する反応。ほかの人々の気持ちを本能的に理解し、共感を抱くこと。
パラドックス
・コンピューターは人間最大の資産であり能力である論理的思考や推論を容易に超えることができる
・しかし、人間には当たり前のように思えること(=感覚的知識)が、マシンには難しい
情報処理の変化
人間とコンピュータの違いを特徴づける主な要因は、情報を処理する能力である。この本では、DIKWピラミッド(data, Information, knowledge, wisdom)の枠組みにノイズ(noise)と知見(insight)を加えた6層のモデルを使う。
マシンの領域:データ、情報、知識
人間の領域:ノイズ、知見、知恵
・ノイズを除去するためには、人間による現実世界の理解に基づく主観的判断が必須である。
・市場調査の分野では、マーケターはコンピューターの多足助を得て情報を処理し、市場のシミュレーションモデルを作成するが、
最終的には自分の知恵を使って、実行可能な知見を引き出し、正しい判断を下す必要がある。
→人間は往々にしてAIが推奨する決定を覆さなくてはならない。
◆ユナイテッド航空の事例
緊急で職員の座席が必要であったため、データをもとに強制排除
→そのなかには翌日患者を診察する予定の医者がいた。
感情面を無視して、コンピューターのバイアスに不用意に従うことは、往々にして間違った決定につながる。
→この状況に対するスタッフの乱暴な対応は、顧客体験におけるヒューマンタッチも台無しにした
◆人間とマシンの協働思考
人間とマシンは収斂(しゅうれん)的思考と拡散的思考で協働することができる。
マシン:収斂的思考
・文字だけでなく画像やオーディオビジュアルも含む、多様な非構造化データセットの中のパターンやクラスターを識別できる
・よりよい言葉や色やレイアウトを選ぶことによって、広告を最適化する手助けをしてくれる
<広告の有効性を高めるうえで途方もなく大きな可能性>
過去の広告を読み込んで、創造性の基本的特徴(カラースキーム、コピー、レイアウトなど)と結果(認知レベル、感情訴求力、購買率など)との相関関係を見つけ出す。この機能は、掲載前のクリエイティブテストや広告の実績評価に使うことができる。
例①:伊藤園
伊藤園、生成AIでCMモデル 「お〜いお茶」SNSで拡散 - 日本経済新聞
例②:ColorMagic
AIでイメージを簡単にいい感じのカラーパレットを作ってくれる。
人間:拡散的思考
・心に響く斬新なキャンペーンを設計することができる
・新しいアイデアを生み出したり、多くの潜在的解決策を探求したりすることができる
これまでのところ、エージェンシーブリーフ(広告制作の指標となる事柄を短くまとめたもの)を書いたり、広告コピーをゼロから生み出したりすること(=共感を呼ぶブランド・ポジショニングを作成し、それを適切なメッセージに変換すること)において、人間にとって代われるマシンは存在していない
◆顧客インターフェーズにおける人間とマシン
人間とマシンは顧客インターフェースでも協力することができる。
<対応のセグメント分け>
対応のセグメント分けをすることで、企業はコストをコントロールしながら同時にリスクを管理する
マシン
見込み客を絞り込むためや、高コストの対応をする必要がない顧客と接するために使われる
人間
インタラクションの対応コストが高いため、有望な見込み客と重要な顧客に適用される
<インタラクションのためにAIを使うのはリスクが高い>
テイ(Tay):Tayとはマイクロソフトによるおしゃべりボットで、Twitter上で書き込むボットとして2016年3月23日にお披露目された。
しかし、挑発的なユーザーの攻撃的なツイートから学習して、ツイッターで同様に攻撃的なメッセージを投稿するようになり、お披露目からわずか16時間後に引退。
グーグルの画像認証アルゴリズム:ユーザーの黒人の友人たちに「ゴリラ」というラベルを付けた
今回のまとめ
◆マシンと人間の強みを組み合わせる
自動化が何を提供でき、ヒューマンタッチが何を提供できるかを理解することは、優れたオムニ・チャネル顧客体験をデザインするための重要な第一歩である。
またまた長くなってしまったので……
「新しいCXのためにネクスト・テクノロジーを活用する」は
次回にします!
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