きれいに育てよう~ミョウバンの結晶~
※2020年5月3日
結晶をさらに大きく育てたことを追記しました。
みなさん、こんにちは。MMです。
今回の記事の目的を、一言で言いましょう。
「ミョウバンの種結晶をきれいに育てる」ということです。
2018年・2019年。
2年続けて高学年の理科担当となったMMは、
「限られた時間で、いかにきれいな結晶を作るか」を、ひそかに研究してきました。その成果がある程度見えてきたので、紹介します。
※確実に大きな結晶が作れる保証をするものではありません。作る過程も、ひとつの勉強として、お楽しみください。
大まかな流れ
どのように作るか、大まかにいうと、
手順①、種結晶を作る(選ぶ)
手順② 60℃のお湯にミョウバンを溶かす
手順③ ろ過する
手順④ ゆっくり冷ます
手順⑤ 種結晶を入れる
手順⑥ 一日(以上)待つ
と、なります。
「②~⑥」までの手順を、小学校の授業1時間でできるように想定しています。
注意事項
すべての手順において、気をつけてほしいことがあります。
★安全上のルール・ミョウバンを口に入れない。
・お湯は慎重にあつかう。(やけど防止)
「当たり前やろ」と思われるかもしれませんが、これは必ず守らせてください。お子さまに、はっきり伝えてください。
★きれいな結晶を育てるために
そして、きれいな結晶の邪魔になるものは、できるだけ避けなければなりません。
「ホコリ」と「手垢」です。
目的は、「種結晶をきれいに育てる」ことです。
ホコリや手垢は、それ自体が結晶のもとになってしまいます。
とかした水溶液に、ホコリがたくさん入っていると、ホコリに結晶ができ、種結晶の成長を妨げます。手垢も同様です。
ですから、
・準備物は、洗剤で洗い、すすいでおく。
(さらに、水道水でないミネラルウォーターですすぐと、塩素も除去できる。)
・手はきれいに洗っておく。
・ホコリを立てないようにする。(特に手順④以降)
ホコリ入りと、ホコリなしの結晶の出来の違いは、かなり大きいですよ😊
準備する物
写真にはありませんが、お湯(60℃のお湯300mLほど)が必要です。
溶かすのには150mL使います。
ポットでも、やかんでも、お湯をわかせるようにお願いします。
ア ミョウバンについて
・ミョウバン20~25g
これをお湯に溶かします。
・種結晶、割りばし、エナメル線
手順⑤でこれを入れます。つけ方は次の章で紹介。
イ、手順②溶かす で必要なもの
・クリアーコップ
お湯を入れ、ミョウバンを溶かすための容器。
代用品を探すなら、
150mlをたくわえられること。
外からの温度変化が伝わりやすいこと。が条件。
・クリアーコップより一回り大きいコップ
ここにもお湯を入れ、クリアーコップを入れたままかき混ぜる。柔らかくない素材が良い。プラスチックでも陶器でもよい。
・計量カップ(お湯を量る)
・温度計(100℃用が良い、100均でも買えます)
・混ぜるためのスプーン
できれば、細長いかき混ぜ棒のようなものが良い。
箸ではかき混ぜにくい。
ウ、手順③ろ過~ で必要なもの
・コーヒードリップ
100均で買えるもので良い。内側をきれいに洗っておく。
・コーヒーフィルター
通常の目の粗さであれば、二枚重ねにした方が良い。
・プリンカップ
75ml程度入る容器であれば、何でもよい。
使う道具の中でも、特にきれいに洗っておくこと。
透明な容器でなくてもよいが、観察はしにくくなる。
エ、手順⑤⑥種結晶を入れる~ で必要なもの
・箱
写真は、不要になったプラスチックの引き出しを使っている。段ボールでも木箱でもよい。
プリンカップに対し、この3つが達成できれば良い。
〇ホコリをできる限り防ぐ。
〇外気の温度変化を直に受けない。
〇少し隙間が空けられる。
(密閉しすぎると蒸発が遅くなり、結晶のできるスピードも遅まる)
以上、たくさん書きましたが、
お家にあるものや、100均で買えるものでほとんどそろうでしょう。
手間のかからない、セット販売も行います。
ミョウバン25g、(種結晶+エナメル線)×2、完成した結晶1つ、
割りばし、コーヒーフィルター
これらのセット販売を行います。詳しくはこちらへ。
手順①種結晶を作る(選ぶ)…種結晶は、0から作る?
0から作る、そういう方法もあります。
ミョウバンを溶かす⇒エナメル線や糸をたらしておいて、そこにできた結晶のうち、形の良いものを選ぶ、というやり方。
MMはこのやり方は好きではありません。1日余計にかかってしまうので。
では、どうするか。
★きれいな種結晶の選び方
市販の焼きミョウバンよりも、これを使った方が、きれいな結晶ができます。そして、このようなきれいな正八面体をした、小さな種結晶になれる粒も、中にあります。
それを探し出します。直径は約3mm。十分です。
★垂らすための線は
エナメル線を使います。
先を5秒ほど熱して、すばやく種結晶にさせば、固定できます。(MMはこの作業を300回ほどやっているので、熟練してきました。)
「糸に巻き付ける」という方法もあるようですが、こちらの方が外れる心配がなく、確実だと思います。
ただし、子どもにやらせるのはちょっと怖いですね。
授業でやるなら、大変ですが、先生の方で準備が必要でしょう。
(取り付けた状態でセット販売も可能です。DMください。)
手順②お湯に溶かす…60℃が上限!上げすぎ禁物。
まず、お湯を300mL以上沸かしましょう。
完全に沸騰させる必要はありません。
60℃を目安に。感覚ではなく、温度計で確かめてください。
温度を上げすぎると、下がったときに不要な結晶が底に出てきてしまいます。
まず、外側のコップにお湯を入れます。量は適当。半分弱。
次に、計量カップで150mlをはかり、内側のコップに入れましょう。
すぐにかき混ぜ始めます。
この間も、やかん・ポットのお湯は保温しておいてください。
5分もすると、ぬるくなるので、外側のコップのお湯を捨てて、あたたかいお湯に入れかえましょう。
内側のコップのお湯(水溶液)が、50℃台に保てていれば、20~25gは溶けるはずです。
粒が見えなくなり、とけ切ったら、次の手順に進みます。
★どれくらい溶かすのが、ちょうどよいのか?
MMは理科が専門というわけではないので、この記事は実践のみを基にして書いています。
理論は、こちらのサイトに記載されています。
http://www2e.biglobe.ne.jp/shinzo/jikken/kessyo/kessyo.html
150mlに設定したのは、プリンカップ2つにちょうど良い量だから。
そこに、溶かそうと思えば、30g~35gでも溶けるでしょう。
しかし、それでは種結晶以外の余計な結晶が底に多くできてしまい、きれいに育たないのです。
MMの実践では、2020年4月現在「水150mlにミョウバン20~25g」というのがベストです。
20gの方が透明度の高い結晶ができやすく、25gの方が大きい結晶ができやすいです。(両立は、なかなか難しい...)
手順③ろ過する…ダブルフィルターだ!
とけきったら、そのままろ過に入りましょう。
おそらく、水溶液の温度は40℃台後半まで下がっていると思います。
ここで、学校では「ろ紙」を使うわけですが、
コーヒーフィルターは、ろ紙に比べると目が粗いです。
そこで、2枚重ねにすると、性能の良いフィルターになります。
ホコリや、目に見えない程度のミョウバンの粒とは、ここでおさらばです。
2つのプリンカップに、均等になるように入れましょう。
ろ過の後、ほこりが入ってしまうと、取り除くチャンスがありません。
気をつけましょう。
手順④ゆっくり冷ます…35℃まで待つべし!
水溶液が、35℃を下回るまで待ちます。
室温が20℃以上あるなら、特に気にせず放置で良いでしょう。
10℃台であれば、先に箱に入れて、急激な温度変化を防いだ方がいいですね。
★急激に冷ましてしまうと..
底に余計な結晶ができます。
だからといって、35℃を待たずに種結晶を入れると、種結晶が溶けてしまいます。
手順⑤種結晶を入れる
そーっと入れましょう。
この時、エナメル線にできるだけ触れないこと。
手垢がついてしまいます。
種結晶が、カップ(水溶液)の真ん中に来るのがベスト。
手順⑥一日待つ…ホコリは、やはり敵だ!
箱に入れて、一日待ちます。
フタは必須。
プラスチックや木など、固いフタなら、ほんの少しずらす。
段ボール箱なら、ゆるめにテープで止める。
ほんの少しだけ、隙間ができるようにすると良いです。
とはいえ、何時間かおきに、様子は見たいですよね?
その時は、パサパサとほこりをたてないように注意。また、揺らすのも良くありません。できるだけ、そーっとしておきましょう。
完成!
そして、できあがると、、、
こんな感じです。
この写真は直径1cmほどですが、出来はいろいろ。
そう上手くいかない場合もあります。↓十人十色。
もし、底に結晶が多くたまっていたら、
①もう一度外側からあたためる
②底の結晶を溶かす。
③35℃まで冷ます。
④再びエナメル線つきの結晶を入れる。
いずれにしても、最初の3mmの種結晶よりは、確実に大きく、正八面体に近い結晶ができるのは、お分かりいただけると思います。
そして、カップの中に残っている水溶液は、次の「さらに育てると...」で使えます!
さらに育てると...
ここからさらに大きくすることは、できるのでしょうか。
日数はかかりますが、できます。
この、直径約1cmの結晶ができたところで、もう一日~二日は、そのままにしておきます。ほんの少し、大きくなるでしょう。
ここまできたら、結晶の形が崩れることはありません。
蒸発のスピードを上げた方が、育ちやすくなります。
ふたを外しましょう。
あとは、そのまま何日も待つだけです。
もし、水溶液が減ってきたら、1カップにまとめるなどして、結晶の体全体が水溶液に浸っている状態をキープしてください。
ここまで成長させることができました!
セット販売
上記の実験を、すぐに始められるように、ヤフオクでセット販売をします。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/mtmttaku
一般に売られているのは、この値段です。
・オキドキ実験キット ミョウバン大結晶 2200円+送料
MMは、500円前後で販売しています。(送料・材料費の変動あり)
ミョウバン25g、(種結晶+エナメル線)×2、完成した結晶1つ
割りばし、コーヒーフィルター
材料費、送料、種結晶取り付けの手間賃....それらを考えると、MMはほぼ無収入か、赤字かもしれないくらいです...
ただし、このセットを使い、この記事の通りにしたからと言って、確実に大きな結晶ができるという保証はできません。
代わりに、完成した直径1cm程度の結晶を一つプレゼントします。
好評であれば、増産します。
興味のある方は、こちらからどうぞ。
※この記事は追記する可能性があります。その都度、記事のトップに概要を記載します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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