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業務効率化はコース整備、システムはアイテムのひとつという話

「業務システムを導入し、業務を効率化しましょう!」業務システムの宣伝文句としてよく聞く言葉です。「システムを導入して残業が減りました」とか「他の業務に注力できるようになりました」というユーザーの声が紹介されている場合もありますね。

「システムを導入した結果、業務が効率化された」という流れはもちろん業務の現場で起こっている事実ですが、その背景として、「システムを導入する前に業務(フローの)改善が必要である」という点には触れられることが少ないように思います。

システムにできること

「業務システムを導入して、業務を効率化しましょう!」という言葉には、業務システムを導入することで業務が効率化されるというニュアンスが含まれる場合があります。ベンダー側からすると、業務システムが有用であると提案でき、システムを使う側からすると業務改善を行うために必要な諸々の業務から目を逸し、システムにすべての期待を委ねることができる便利な解釈ですが、もちろん、システムが業務を効率化することはありません。業務の効率化を行えるのは(いまのところ)人だけだからです。

そもそも、業務を効率化するとはどういうことでしょうか?
業務とは、ある目的を達成するために必要な作業の集合体です。そして、業務の効率化とは、いろいろな定義があると思いますが「重要でない業務を削減し、必要な業務に注力できるようにすること」、もう少し大胆に言い切るなら「業務を削減すること」とも言えるかと思います。

それでは、システムとは何でしょうか?システムは、プログラムされた作業をすばやく正確に処理できるものです。成り立ちとして、業務フローの一部分を代替するものであり、業務の削減を目的にしていません。業務を削減したいならば、その業務を行っている人が「やめる」という意思決定を行う必要があります。

業務を効率化するには

マリオカートというゲームをご存知でしょうか?レーシングカート風の乗り物に乗ったキャラクターを操りゴールするまでの速さを競うゲームですが、ゲーム内では様々なアイテムを利用することができます。その中のひとつにダッシュキノコというアイテムがあり、このアイテムを使っている間はカートのスピードを上げることができます。

業務全体をこのゲームに例えるならば、業務担当者はカートを操るキャラクターであり、業務全体のフローはカートが走るコースのようなものです。そして、業務システムはアイテムの「きのこ」に例えられるでしょう。

さて、この業務レースにおいてラップを縮めるためには何が必要になるでしょうか?「きのこ」をたくさん使っても、「きのこ」がどれだけスピードをアップさせたとしても、レースのコースが整備されていなかったり、迷路のようになっていたら全体のタイムを縮めることは難しいでしょう。

より早くカートを走らせるためには、最適なコースを作り、効果的な箇所でアイテムを利用するということになります。

一例として、給与計算の業務フローを考えてみましょう。
以下の給与計算の全体像を簡略化した図をご覧ください。業務全体のフローを「コース」と考えるとこの中で「アイテム(業務システム)」を活用できるのは「支給控除計算」の部分のみです。※他の業務システムと組み合わせてシステム化できる部分もありますがここでは割愛します。

業務を効率化したいならば、まずは業務全体のフローがうまく流れる道筋を作り、支給控除計算のタイミングでスムーズにシステムと連携させることを考える必要があるでしょう。

システムはあくまで「アイテム」です。効果的にアイテムを使うためには、「コース」の整備から始めていきましょう!


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