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#25 病院とホットココア



飲めなかったんだ。
正しく言うと、飲む気が起きなかった。



…これだとホットココアに失礼なので、
アイスココアが好きだった!がいいか。


4年前の今頃、心と体がバラバラの中で
少しずつ見えない出口を探していた。


2週間に一回行っていた病院は、
前に進んでいたり、立ち止まっていたり、
進んだ分より多く戻っていたり。


やるせ無くて悔しくて苦しくて、
それでもどうにか抜け出そうとしていたなぁ。



優しい病院の先生は、淡々と事実と現状を教えてくれながらたまには逃げたくなったりしてた。



病院の帰りに、今回も頑張ったなぁ!
で寄っていたカフェでホットココアを頼んだ。


その時から、ホットココアが飲めるようになった。


あたたかくて甘くて、じわぁ〜っと身体に広がる感じ。

心細いし、先のわからない怖さを
少しだけ和らげてもらえた。


だから、病院の後はホットココアって決まっていた。


夏だって、店内は寒いから
ホットココア頼んじゃうもんね。



かれこれ4年たって、
今では数ヶ月に一回に通院が減ったけど
冬だから余計、ホットココア飲んで帰ろ〜ってなる。


今では飲んでる間、あの時はつらかったなぁ
なんて振り返ってみたりして、
今自分が立ってる場所がずいぶん進んだことを確かめて


それでも、いつかもしかしたら急に訪れる
立ち止まる瞬間や崩れ落ちる瞬間がきたとしても
平気なように、こうして呼吸と共にホットココアを
自分の身体の一部にしていく。


ルーティンだけど、思い出でもあって。


私がホットココアを飲む時は、
病院帰り以外ではないのもまた特別なんだよねぇ。



良いも悪いも、判断するのは自分だから
他人がどう思おうがそれはその人の意見で、
それでもその人は私の人生は歩んでいないので

たまには聞いて、たまには受け入れて
それでも、人の人生だ黙っとけ〜のマインドを
特に私は忘れちゃいけないんだと思う。


うるせぇうるせえ!って思わずに
気にしないでいられるのが1番だけど、
そう出来ないタイプの人間だから、
一生懸命これからも自分の中に、
そこどけエセ関西おじさんを住まわせねばな。



そーんなポカポカな12月の週末。


今年も後少しだ〜。



fin.


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