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あいちトリエンナーレ2019でサカナクション『暗闇』を見た

※すこしネタバレあります。

『暗闇』はその名のとおり、あいちトリエンナーレ2019のプログラムのひとつとして、サカナクションが暗闇の中でパフォーマンスをするという公演。
暗闇の空間を彩るあらゆる演出がとにかく秀逸だった。

ステージには黒く塗られた箱が五つ。
そこにメンバーがこもり、客席にはさまざまな小道具を用いてメンバーと共にパフォーマンスする黒子が幾人もおり、開演前には香を持ち会場内を練り歩いていた。
暗闇でのパフォーマンスということで視覚は閉じられる。そうなると嗅覚と聴覚、触覚が頼りになる。
香りはその呼び水みたいな、とてもいいスイッチだと思う。いまから特別なにかが始まりますよ、という合図のような。

パフォーマンスはとても実験的。
プラクティスセクションからはじまり、少しずつ少しずつ真の闇へと深さを増していくのだが、映像を使った演出もあり、暗闇だからと目を閉じるわけにもいかず、なんとか焦点を合わせようと目が頑張っているのがわかる。
暗闇の中にいると自分の輪郭が闇に溶けて境界線が曖昧になるような感覚があり、ビリビリと空気を震わせて伝わる肌への感覚もとても刺激的で、あらゆる意味で未知の体験だった。
拍手に包まれながらメンバーが去っていくところもよかったし、映像にあわせた香りの演出は最後の楽しいサプライズにもなっていて素敵。
たった数日の公演なのが勿体ないくらいなので、また何かの機会に再演があったらいいな。

もし再演があるとしたら、要望がひとつふたつ、みっつくらい。
暗闇でただでさえ不安な気持ちがあるのに、隣が挙動不審な男性に当たってしまうというのは本当に落ち着かない。隣の席は可能な限り同性がいいし(男性も同意見の方いるのでは)、スマホは電源オフしてバッグの中に仕舞うよう徹底してアナウンスして欲しい。
席に関してはチケットシステムを使ってのことなので限界があるかもしれないが、システムに性別を登録してるのだからなんとかなるんじゃないかなとも。どうなのでしょう。
その辺りなんとか改善お願いしたいです。

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