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#1 ESG投資とは

 環境・社会・ガバナンス投資(ESG投資)とは、環境、社会、ガバナンス、これらの非財務情報の開示や取り組みに積極的な企業へ、優先的に投資を振り向ける投資手法のこと。
 

 世界では、2006年からESG投資が始まって以来投資額は増加傾向にあり、2018年時点で世界全体の投資残高の3割を占める約31兆ドル規模まで拡大している。ESG投資の内訳を地域別にみると、欧州は約14.1兆ドル、米国は約12.0兆ドル、日本は約2.2兆ドル、カナダは1.7約兆ドルとなっている。

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※出典;Global Sustainable Investment Review 2018, Global Sustainable Investment Alliance(GSIA, 世界持続的投資連合) 

 しかし日本は、欧米と比較すると消極的である。その背景には3つあると考えられる。

 1つ目は、ESG投資が盛んな米国はリーマンショックを起こした反省から、米国はガバナンスに配慮した経営が積極的であるということ。日本は、リーマンショックに対してそのような意識は低い。

 2つ目は、欧州では、金融セクターに対して環境に配慮した情報を開示する義務を課す(*2)など持続可能な社会に向けた取り組みに積極的であるということ。日本政府は昨年10月に「温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする」方針を掲げ、すでに欧州をはじめとする122の国・地域と同じ目標を定めたところであり、環境対策は遅れが生じてる。(*2)https://ec.europa.eu/info/business-economy-euro/banking-and-finance/sustainable-finance/sustainability-related-disclosure-financial-services-sector_en

 3つ目は、日本の機関投資家や個人投資家はESG投資に対する関心が低いことである。これは政府の取り組みが不足しているため金融セクターへESG投資の活動を促せていない可能性があるということ。

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※出典;「ESG投資に関する意識調査」2020年9月,野村アセットマネジメントの意識調査レポート

 これらの背景とともに、ESG投資は短期的な利益率上昇にはつながりにくい。そのため今後日本に、ESG投資を増やすにはESGの概念に共感を持つ機関投資家や個人投資家を増やすことが必要であり、また日本政府が積極的に金融セクターに対しESG投資を施すことが必要である。


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