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余命


「余命はあと半年です。」と医者から言われた。
その時に私は「あ、あと半年で死ねるんだ。」とどこかほっとした。
という場面で目が覚めました。

前回同様で夢の中の話。夢落ちです。
未だに生きたくないと思う私は夢の中とはいえほっとしたことが悲しくなる。
何度か書いてはいるのですが、私は自殺したいと思っていることを含めて悲しいと思っています。

今まで何人かの自殺を止めるために話を聞きに行きましたが、私の自殺を含めて自殺をしようとする人がいるのは悲しい。


最近の私は少し前向きになりつつある。やりたいこともたまにあるので少し元気になりました。
でも、そういう書き込みも何度かしている。
落ち込んで浮上してを繰り返している。三歩進んで二歩下がる。1歩ずつ進んでいるならそれでいいと思っています。

恋愛は諦めてもいい。このままつまらない人生だとしても生きてもいい。
「生きたい」というよりは「生きてもいい」という感覚。それでもいいですよね、死にたくないなら何でもいい。


10年近く前に私が仲良くしていた年下の女の子が突然亡くなりました。ぜんそくの発作で突然の出来事でした。
彼女とはネットでしか話したことがなく、実際に会ったことがありません。
なぜ亡くなったのを知っているかというと、わざわざお母さまがご連絡をくださいました。

ちょっと、順を追って話そうと思います。


年下の彼女とはネットのチャットルームで知り合いました。
すぐにすっかり打ち解けて毎日話すようになりました。どうやら私と同じような仕事をしているようです。
彼女にとってお兄さんのように仲良くしていました。私の仕事についていつも「すごいすごい」と褒めてくれました。
私はいつも褒めてくれる彼女に褒められ続けるために頑張ろうと思っていました。

褒めてくれましたが彼女の仕事ぶりは相当なものでした。私より実はレベルが高いと思います。
彼女は狭い分野に特化していて、私は広く浅くという感じです。たまたま彼女の知らない部分の仕事ができたので褒められていました。
でも、なんとなく「お兄さん」の威厳を保ちたくて仕事の勉強を続けました。尊敬してもらえるのはありがたかった。

いつも明るい性格で仕事に熱心な女の子でした。いつも可愛らしい。
仕事での頑張りはとてもすごかった。労働時間としても仕事の内容としても。伸び盛りという印象。
彼氏とは最近別れたらしい。ずいぶん年上の男性と付き合っていたみたいなのですが、自然消滅をしたようです。
恋愛の話はあまり聞きませんでした。

代わりに、お父さまの話はよく聞きました。彼女が小さい時に両親は離婚したそうで、父親の記憶はほとんどないらしい。
本人はとてもお父さまのことが好きなようで、よくどれぐらい好きか語っていました。父親も同じような仕事をしていた様子。
彼女自身も認めていましたが、父親へのあこがれが恋愛につながっているとのこと。年上にしか惹かれないらしい。

そんな彼女がとても嬉しそうに報告をくれた。「父親と一緒に生活できる。」とのこと。
父親と一緒に生活できるのは期間限定のものらしい。彼女の父親は他の女性と再婚をするみたいで、最後に思い出作りとしてらしい。
どれだけ楽しみなのかをたくさん聞いた。どんな風に過ごす予定かもあれこれ聞いた。あんなに好かれた父親は幸せだろう。

知り合って1年近かったこの頃、私は実は彼女に会いたいと思っていました。
ですが、仕事が忙しい上にお父さまと過ごす日々のために準備もしていた。なかなか言い出せませんでした。
お父さまとの生活が終わったら言い出そう。そう思っていました。

お父さまとの生活が数日続きました。「今日はこんなところにデートに行った、あんなこともした。」と楽しそうな報告を受ける。
いつも聞いていて楽しかった。でも、少し心配もしていました。彼女は仕事も良くしていたし休みの日も張り切っていた。
その心配が現実になるとは思っていませんでした。

いつも通り夜遅くにお父さまとの楽しい時間の報告を受けた。でも、あまり休んでいないのを知っていた。
「そろそろ寝よう」と促しても興奮してずっとお父さまとのデートの話を聞いていた。楽しそうだなと微笑ましい。

その話を聞いた翌日、時間としてはほんの数時間後になる。彼女の母親から「娘が亡くなりました。」と連絡がありました。
何の冗談だろうと思いましたが、メールは彼女のメールアドレスからでした。文面は私の知らない人のもの。

彼女がぜんそくの発作で亡くなったというメールにはいろいろなことが丁寧に書いてあった。
父親と過ごす時間を楽しみにしていたこととそれと同じぐらい私との会話が楽しいとよく聞いていたということでした。
だから、面識はないですがちゃんと連絡をして葬儀にももし来るならどうぞ。とのことでした。

その後、しばらく彼女の母親とはやり取りをして、結果として葬儀には参加をしませんでした。
何もかもが唐突で受け入れられなかった。
「私がもっとちゃんと寝るように言えばこんな結果にならなかったかもしれない。」という後悔もした。
後悔をして精神的に病んでしまい、精神的なショックから『心臓が止まりかける』という症状が出て死にかけました。
神経のバランスがおかしくなったようです。


あんなに生き生きしている人はなかなかいなかった。私みたいに惰性で生きている人ではなく、彼女に余命を渡したい。
そんなことはできないんですけどね、もちろん。
考えても仕方がないですが自分が「死にたい」と思って今うと必ず思い出します。

生きたいのに生きられなかった人は知り合いにも他にもいました。
そういう人のことを思うと私の惰性で生きていることに対してとても申し訳なくなる。


彼女のように輝いて生きていたい。
彼女はとてもまぶしい人でした。

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