バイトの話

大学生はどうしてバイトをするのでしょうか

世の中の大学生って、たいていは何らかのバイトをしていますよね。ファミレスだったり、カフェだったり、塾講師だったり.... 大都市なんて、大学生のアルバイトがいなかったら成り立っていないんじゃないかというくらい大学生が薄給でこき使われています。

勿論、家庭の事情で働かざるを得ない人々がいるのはわかりますが、その人たちを抜きにしても、大学生=アルバイトという認識が社会に染みついている気がするのです。どうして大学生はアルバイトをするのでしょうか。

高校生は大学受験のための勉強か、もしくは就職の準備、という役目があります。社会人には、働いて社会に貢献するという役目があります。では大学生はどうでしょう。

大学生には高校生のように勉強をする目標がありません。就職活動では大学で学んだことなど微塵も生かせないことを知り、目標と受ける意義を見出せない講義の単位をただ回収することだけに労力を割き、たいていの時間を無為に過ごす。こんな大学生ばかりでしょう。大学生は、社会に出るまでの猶予期間であると同時に、「何者でもない」期間ということになります。

「何者でもない」というのは中々つらいことです。社会にとって、他人にとっての役割がないという状態は、集団で生きる人間にとって自分の存在意義がないという状態と等しいでしょう。そんな虚無の感情から抜け出すために、大学生はバイトにいそしむのだと思うのです。

大学生にとってアルバイトは「お金を得る手段」というよりは、「アイデンティティを確立する手段」であり「社会の中で役割を得る手段」というのが今日の結論です。アルバイトをする以外に自分の役割を見つけられる人は、バイトをせずとも「何者でもない自分」を払拭できるということですね。

それもこれも教育機関と就職活動のアンバランスな関係がすべての元凶な気がしますが、この話をしだすと長くなってしまうのでまた今度。

社会の役にたてなくても、誰かの役にたてるのなら、それは幸せなことなのかもしれませんね。


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