むちむちな無知の知の話

ソクラテス先生の有名な言葉です。

自分の知識が完全ではないことを知っている人は、そのことを知らない人よりも優れているのだ、という気持ちの言葉だそうです。確かにその通りで、自分に知らないことはない、と思っている人ほど何も知らない、ということは頻繁にありますよね。

どうしてこの言葉はこんなにも有名なのでしょう。それは、この言葉が意味するところに納得させられる人が多いから、という考えもできますが、やはり一番の理由は「格好良いから」でしょう。格好良いと思いませんか、「無知の知」って。

言葉というものは、その言葉を発した本人の意図まで含めて広まるものではありません。キャッチーであったり、格好良かったりする言葉が、人々の解釈を様々に拾いながら広まっていくのです。「人間は考える葦である」とか、「天才は1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」とか、世に残る名言はすべて「恰好良い」から残っているのだと思います。

「無知の知」だって、ソクラテスの意図は今知られているようなものではないかもしれません。「無知の知」ではなく「むちむち」といったのを、周りの人が聞き間違えた可能性だって捨てきれないでしょう。(これが言いたかっただけ)

人から伝えられる情報は、必ずその人の解釈を少なからず含んでいる。このことを頭の片隅に置いておくだけでも、情報社会を生き抜く助けになると信じています。

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