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ワクチン接種後レポート



新型コロナウイルスのワクチンを接種してきた。

「なんでお前が」と言いたくなる皆様の心中お察しするが、こんなおふざけエッセイを書いている私も普段は末端だが医療従事者として真面目に働いている。私の勤め先にも接種の案内がきたので申し込んだのだ。
1回目は5月11日に接種したが腕の痛みと倦怠感しか特筆する症状がなかった為、今回は6月1日に接種した2回目の方に焦点を当ててレポートを書いていきたいと思う。

参考になるか分からないが私のプロフィールも簡単に記しておこう。
28才、女、AB型  持病有※機能性ディスペプシア
身長159cm、体重50kg(最近1kg痩せたぜウヒョヒョ)


病院の受付で問診票を渡し、本人確認書類で身分を証明した後は接種会場に移動する。医師の問診、ワクチン注射、経過観察室への流れがベルトコンベアのように無駄がない。私が打ったのはファイザー製のものである。ワクチン接種は肩付近の筋肉注射で、私が受けてきた注射の中で1番と言っていいほど痛くなかった。いい大人だというのに注射が苦手なのでこれはラッキーである。
(アンラッキーを挙げるとするならば、ノースリーブを着てきたのに腕毛を剃り忘れた挙句トーンアップ効果のあるキラキラした日焼け止めを塗ってしまった為、私の腕毛が虹色の輝きを放っていた事だ)

後は看護師さんが見守る経過観察室で15分過ごし、異常がなければそのまま帰宅できるという流れだ。私は幸い1回目も2回目も何事もなかったので看護師さんたちにお礼を言ってその場を後にした。

今は元気がマルマルモリモリなのに「これから体調が悪くなる」とわかっている状況というのは不思議な感覚だった。だが分かっている分対策が出来るのはありがたい。ドラッグストアに立ち寄り、ポカリと非常食を買い込んで帰宅した。

これからウイルスと戦うにあたり、着るだけで強制的に元気が出る気がするという安直な理由で、今年の誕生日プレゼントにマミとミクから貰った(※『平凡な私が空前絶後の超絶怒涛のスーパー主婦になった話』参照)サンシャイン池崎のユニフォームに着替えた。
馬鹿にはプラシーボ効果が何より効く。

接種後6時間、注射した患部が熱っぽくなり腫れたような痛みが走る。触れるとそれが顕著に見られる為寝返りが打てない。体が暑すぎて、池崎すらも脱ぎたくなるがじっと耐える。

接種後10時間、猛烈な寒気に目が覚める。薄手のブランケットの上に羽毛布団を重ねて中に潜り込んだが寒気で震えが止まらない。今すぐ池崎を脱いで厚着をしなければと思ったが、体がだるすぎて立ち上がることが出来ない。どうしよう、今私の身に何かあれば池崎のまま救急搬送されてしまう。こんなふざけた格好で救急車に乗り込んだら「ワクチンの接種後なんです」という私の主張も「寝言を言うな、ホームパーティで余興でもしてたんだろ」と相手にして貰えないかもしれない。池崎を身に纏った女の発言に信憑性などないのだ。

なけなしの体力と上記の妄想で得た精神力でただひたすら耐え、気絶するように眠った。


朝になり目覚める。
接種後16時間、この時点で検温すると37.8℃だった。私は体温計の示す数字に驚いた。

何故ならこのしんどさは37.8℃のものではないからだ。

大人になった今も赤ちゃん体温の私は平熱が37℃を越える。それ故私にとっての微熱がちょうど37.8℃くらいで、本来なら「なんかだるいな」「ちょっと熱っぽいかな?」といった違和感でようやく気付くレベルなのだ。
しかし今回はそれと訳が違う。インフルエンザで39℃以上出た時と同じくらいの倦怠感、頭痛、体の痛みが襲ったのだ。体力の消耗は発熱の比ではない。

なんとか布団から這い出し池崎を脱ぎ捨て、ユニクロのステテコと薄手のパーカーに着替える。病人の装いとしてどちらが適しているかは言うまでもない。

接種後18時間、先ほどよりも身体が熱い。検温すると38.5℃。栄養補給にバナナを食べ、ポカリスエットをがぶ飲みしてから解熱剤(カロナール)を飲んで寝る。熱が高いのでデコに貼った冷えピタがすぐにホカホカになる。とにかく休む事しかできない。

接種後21時間、解熱剤が効き37.6℃まで熱がさがる。いまのうちにと昨日の晩御飯の残りのケンタッキーを温めて食べる。病人が食べるものとしてふさわしくないのは重々承知の上だが、カーネルサンダースが生み出した秘伝のスパイスが私に元気を与えてくれる気がした。ここでも馬鹿のプラシーボ効果が発揮される。

接種後24時間。解熱剤の効果が切れ、再度高熱。この時が最高で38.9℃を記録した。カーネルサンダースの笑顔が脳内で霞んでいく。熱には強い方だと自負していたが、体のしんどさは専門外だった。両手両足までじんじんと痛み、重たくだるい。気を紛らわせようとサンシャイン池崎の YouTubeを見るが頭痛がひどくなる一方だったので解熱剤を飲んで再度寝る。

接種後31時間。体温は37.8℃。朝よりはマシだが依然として体が痛い。オットが用意してくれた晩御飯を食べて寝る。

接種後40時間。朝起きると頭痛が消えていた。体温は37.2℃、限りなく平熱に近い。食欲も普段と変わらないが、解熱後なので頭は若干フワフワするし体は痛い。「仕事に来い」と言われたら行けない事もないが「好きにしろ」と言われたら喜んで休む、そんな感じのコンディションである。幸い私は接種日含めて3日間休みを貰っていたので今日までゆっくりさせてもらう。


以上が私の新型コロナウイルスのワクチン接種後の記録である。もちろん副反応には個人差があり、全ての人が私と同じような症状に苦しむわけではない。しかし厚生労働省が20000人にデータを取った所、その内20%に私と同じ症状が見られたそうだ。最悪のケースは念頭に入れておく必要があると言ってよいだろう。

この経験から皆様に御助言差し上げるとするならば

・休みは最低1日、できれば2日取ろう
(翌日の仕事は私の体調から言えば『無理』)

・接種時は肩の出しやすい服装で行こう
(腕毛が気になる人は剃っておこう)

・2日分のポカリスエットやOS-1といった経口補水液、水分、簡単に食べられる食料を準備をしておこう
(ケンタッキーを食べた奴が言うのもおかしいがバナナやゼリーがおすすめ)

・薄手の長袖、長ズボンで布団に入ろう
(熱いからといってサンシャイン池崎の格好で過ごすとその後寒気で地獄を見る)

・冷えピタはめちゃめちゃ気持ちいい
(冷えピタはめちゃめちゃ気持ちいい)


以上の5つは声を大にして言いたい。

この助言がこれから接種を受ける皆様、そしてサンシャイン池崎の役に立てば嬉しい。

いただいたお気持ちはたのしそうなことに遣わせていただきます