これも自分でやるんだ!!〜入社2ヶ月編〜
確か昨年末、体験談を記そうと思っていたはずなのに、あっという間に2024年も7月が終わろうとしているなんて。
構成や推敲を考えるともう手が伸びないので、あまり手もかけず、とにかくテキストにしてみます。
今回は、大手メーカーの知財部で特許技術職として10年過ごした後、ベンチャーに飛び込んで最初の2ヶ月あたり、「ほほー!なるほどこれも私がやらないと他にやってくれる人はいないわな!」と思いながら奮闘した特許業務を綴ってみようと思います。
いまだに印象に残ってるくらい、色々インパクトを受けたものです。
※どんなところからどんなところに転職したのかについては、よかったらこちら↓をお読みください。
特許事務所の選定、私次第なんだ!!
2020年に転職した当時は、ちょうど0から色々なプロダクトを作ろうとしているところだったのもあり、経営陣からは「出願の目標は80件くらいいける!?40件くらいはいけるといいかな〜」との話がありました。
ふんわりと覚えていることなので、数字はうろ覚えですし、どこまでの本気度だったか、事業計画に基づく件数だったか等は定かではないんですが、そのとき確かに「出願体制、急いで準備しないと!」と思いました。
色々なプロダクトや構想を聞いて回った後だったので、発明発掘はなんとかなるだろうと思いましたが、一ヶ月に数件も出願できる体制は十分ではありませんでした。
そこで発明発掘と並行して、出願に至るまでのフローを整備し、月数件の出願をしうる体制を急いで整える必要がありました。
そこで、まずは特許事務所の開拓をせねば!と、上司に「新たな特許事務所に出願依頼したい場合、どうしたらいいですか?一緒に面談等してもらった方がいいですか?最低限のチェック項目等はありますか?」と聞いた時のこと。
返ってきた答えは、
「知財のことは任せるから、決めていいよ。」
でした。
「そうか!!!私か!!!私次第か!!!」と思ったのを覚えています。
前職では事務所の選定は、管理職の方々がされてましたが、
この会社では特許のことをわかる人は他にいないのだから、私が明確な基準を作ってどの特許事務所に依頼するかを決めるしかないのか、というのがとても新鮮でした。
もちろん契約なので、上司への報告や反社チェックなどはしましたが、知財関係のことが私の責任で進んでいくんだ、ということを感じて、いい意味でヒリヒリしました。
特許印紙を買うのも私か!っていうか特許印紙って何!!
ある日、緊急出願をするときになったときのこと。
とても特許事務所に依頼できる期限ではなかったので、特急で内製出願をしたのですが、なんと、出願の仕方がわからない。
それもそのはず、前職の大手メーカー時代は、wordに明細書の原稿をしたためたら、後は手続きの部隊にパス。
手続きをしてくれる部隊が、wordの文章を出願できる体裁にととのえて、出願手続きをしてくれました。
自分では出願の手続きはしたことなかったのです。
調べてみると、オンライン出願はどうやらすぐには難しそうだということで、紙で出願することにしましたが、なんとびっくり、「特許印紙が必要」とのこと。
「特許印紙」なんて聞いたこともありません。
弁理士資格を取得していたら知っていたのかもしれませんが、弁理士の勉強さえしたことのない特許技術職でして、
なんなら、「収入印紙」と間違えてないよね?と思ったくらいです。w
そんなマニアックなもの、どこで・・と思って調べた、なんと郵便局で販売されていると。
ほんまかいなと思いつつ郵便局に行き、「特許印紙をください」というときはとてもドキドキしました。
いったいお金はどうすれば・・・
特許印紙を購入する際に困ったことがもう1つ。
それは、お金をだれにもらったらいいのかわからない、ということでした。
大手メーカー時代は、自分で先に建て替えるものなんて、出張時の交通費くらいしかなかったのです。
PCの購入や修理にしても、文具にしても、郵送にしても、用意してくれる方がいたので、自分でなにかを買ったことなんてなくて、さて、会社のための特許印紙や郵便のためのお金はだれに貰えばいいんだろ?と途方にくれました。
ま、当然、建て替えておいてあとで経費精算するだけなんですけど、「そうか!これも自分で出しておくのか!!!」と驚きました。
なんでも、ドラえもんがぽっと出してくれたわけじゃないんですよね。
そんな当たり前のことに、ベンチャー入って気付かされたのでした。
他にもまだいっぱいあったんですが、ぱっと思いついたことを3つ上げてみみました。
超大手からベンチャーに飛び込むと、こんなことにいちいち新鮮さを感じます。
いや大手にいてもそのくらい知ってるよってこともあると思うので、単に私が世間知らずだったとも言えるかもしれませんが。
知財担当が大手からベンチャーに行って体験したごくごく一部の驚きをご紹介しました。
当時私は、手取り足取り自動車であちこちに連れてってもらえてたような環境から、森の中を地図なしで歩いているような感じだな〜と面白がってたことを懐かしく思います。
こういう驚きを体験してみたい〜と思えたら、ベンチャーに向いているかも?しれませんね。
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