『他者と働く』を読んで自分にとっての会社の意味がアップデートされた話

こんにちは、かなりのお久しぶりです。

さて、今回は社会人1年生が『他者と働く ー「わかりあえなさ」から始める組織論』を読んで、いろいろと思い巡らしたことを書いていきます。

まず、本の内容の前に、私のエピソードから入りたいと思います。

私は今春から企業に勤める身です。
しかし、大学入学当初、そして在学中も「なにか自分でビジネスとかしたいな~」と声高に言っていました。

ただ、何で、どうやって起業をしたい、ということも漠然としていて、ひとまず就職、という形になりました。
そんな折、「どうして起業しなかったの?」と聞かれた際
「一回は企業に勤めてからでも遅くない、という周囲のアドバイスがあったから」
と答えていました。

しかし、ふと気づきました。
「あれ、主語が『私』じゃなくて、『周りの人』になってない?」

『私』が就職を選択したのではなく、流されて就職したようになっている自分に気がつきました。

では、自分が就職した理由は何だろう?
そう考えたとき、でてきたのは、
・既存企業で働く経験
・実際のビジネスマナーを知ることができる
・技術(IT)を学べる
……などなど。
ということでした。

そして、なんとなく目をやった、掲題の『他者と働く』の表紙を見て気がついたのが、
就職することで、会社という形の定まった組織で他の人と働く経験ができる、ということでした。

多分、いきなり一人で起業をしていたら得られない経験ではないでしょうか。
上下関係や利害関係といったしがらみがある中で、他者と関係を築くのは難しくも、貴重な経験になる気がします。

そんなことに気づいたところで、本を開きました。

まず、冒頭でハッとさせられたのは、「組織=関係性」ということです。
なんとなく、会社というものは規則や雇用制度によってつくられた物質的なイメージを知らず知らずのうちに抱いていました.
しかし、会社も組織、個人の集合体ということを前提として認識しました。

『他者と働く』には、対話することで、組織の課題の解決を目指す方法が書かれています。
ここでの対話とは、「新しい関係を構築すること」です。

顧客と企業、上司と部下など人と人との関係性が、
「私とそれ」ではなく「私とあなた」であることが対話型の問題解決アプローチです。

「私とそれ」というのは、
こちら側(私)の立場からしか相手のことを見ていない状況です。

「私とあなた」では、
私の立場だけでなく、相手の目線に立つこと。そして、相手から見た「私」を受け入れることが必要です。
これには、こちら側(私)の解釈の仕組み(ナラティヴ、物語)を変えることが必要です。
解釈の仕組みとは、その人の環境における一般常識のことです。

ここまで読んで私は、
私と会社の関係性、「私とそれ」になってるかも
と思いました。
会社=とりあえず働く場所、働いたらお金をくれる場所、働く経験ができる場所、などなど。

この状態だと、なにか職場で不満が生まれたときも、
「会社が悪い」「上司が悪い」と一方的にきめつける人間になってしまう気がしました。

最後の方に書かれていたのが、
下の立場の人にはいくらでも上司を悪者にして、自分を正当化する逃げ道がある
という言葉です。
もちろん、何かしら明らかに理不尽な場合は、受け止め方を変える必要があるかもしれませんが、それでもこちらが不満を抱く行動を上司がとるのにも何か理由があるということでしょう。
その理由を観察によって知ることで、状況を変えるアクションを起こせるかもしれません。

自分を正当化してしまうと、自分以外の人の考え方、置かれている状況が見えなくなってしまう恐ろしさがあると思いました。


最後に、対話による組織の問題解決方法についてです。

問題解決方法をざっくりと書くと、

自分の状況認識・解釈の仕組みを疑い、相手との差異に気づく

相手を観察する

相手の状況認識・解釈の仕組みを自分なりに理解しようとする。解釈する。

解釈をもとに行動

という感じでしょうか。
詳細は是非本を購入して読んでいただきたいです。

この方法のいいところは、組織内において権力がなくても実行しやすいこと、と述べられていました。
新入社員でも心がけることができそうだと思いました。

ここまで書いてきて、改めて思ったのは会社に入る、就職するということを自分の成長の糧にするには、生半可な気持ちでいてはいけないということです。
いずれ自分で起業、独立するにしても組織内での問題解決は避けて通れないでしょう。その時のためにも、問題解決能力を身に着けておきたいです。
せっかく会社という組織に入ったからには、組織の一員として組織内の問題解決について考え、行動することが結果的に自分を成長させることができるのではと思っています。

私の「会社」への認識が「会社=知識・経験を得る場」という乗客意識から「会社=組織・自分も関わって作るもの」という運転手意識にアップデートされました。


以上、社会人1年生による雑文でした。




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