中日・鵜飼航丞、9打席連続三振(セ・リーグ新記録)

中日ドラゴンズのドラフト2位ルーキー、鵜飼航丞(23歳)がプロの洗礼を受けた。

鵜飼は6月8日の対千葉ロッテマリーンズ戦で「8番・ライト」で先発出場すると、第4打席に三振を喫し、翌6月9日のロッテ戦でも「9番・ライト」で先発出場したが、3打席連続三振。
6月10日の対北海道日本ハムファイターズ戦でも「9番・ライト」で先発、しかし、またも3打席連続三振。4打席目は代打を送られた。
さらに6月11日の日本ハム戦でも「8番・ライト」で先発、日本ハムの先発・杉浦稔大と対戦し、2回の第1打席で空振り三振に倒れ、ついに8打席連続三振となった。

NPBの野手で8打席連続三振を喫したのは、鵜飼が9人目で、新人でもタイ、セ・リーグでも、1975年のデービー・ジョンソン(読売ジャイアンツ)に並びタイ記録となった。

鵜飼は5回に第2打席が廻り、再び、杉浦と対戦。0ボール・2ストライクからの3球目、杉浦のフォークボールにまたもバットが空を切り、空振り三振。
ついにセ・リーグ新記録となる9打席連続三振に倒れた。
しかも、かつて中日も在籍したことがある鉄平(土屋鉄平)が楽天で2006年に記録したNPBタイ記録に並んだ。

鵜飼は8回に廻った第3打席、日本ハム3番手・福田俊と対戦。
記録更新も懸念されたが、鵜飼は福田の初球を捉えて痛烈なピッチャーライナー。
打球は福田のグラブに当たったが、ショートゴロに倒れた。


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2020年、オリックスのドラフト5位新人・勝俣翔貴が「プロ初打席から8打席連続三振」に倒れ、そのままシーズンを終えた。
翌年2021年、シーズン終盤に一軍昇格を果たし、9月20日の埼玉西武ライオンズ戦に代打でシーズン初出場し、高橋光成と対戦すると、セカンドゴロに倒れたが、連続打席三振の更新はまぬかれた。
しかし、シーズン終了後、そのまま戦力外となった。
その後、読売ジャイアンツと育成契約を結び、支配下登録復帰を目指している。

鵜飼は中京大中京で甲子園に出場、高校通算46本塁打を放ったスラッガーで、駒澤大学に進み、東都大学野球リーグでは4番を打ち、最後のリーグ戦ではリーグタイ記録となる4試合連続本塁打を放った。
昨年2021年オフ、中日からドラフト2位で指名を受け入団、今季のオープン戦は15試合に出場し、打率.205、1本塁打、2打点。
終盤に失速したものの、3月3日のソフトバンク戦ではホームランを放っていたことが評価され、開幕一軍入りした。
今季開幕戦となった3月25日の読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)では代打でプロ初出場を果たした。
翌3月26日、巨人戦で「6番・レフト」で起用され、巨人先発の山崎伊織から第1打席にプロ初安打(三塁内野安打)をマーク。
翌3月27日には「3番・レフト」で先発、巨人・高梨雄平からプロ入り初の長打かつタイムリーとなる二塁打を放った。
3月30日のDeNA戦(バンテリンドーム)では「3番・レフト」でDeNA先発の石田健大と対戦、第2打席目(プロ11打席目)でレフトスタンドに叩き込み、待望のプロ初本塁打となる2ランホームランを放った(しかも、ナゴヤドームから数えてバンテリンドーム通算2000号本塁打)。
5月上旬から新型コロナウイルス陽性判定の影響で2週間ほど離脱したが、5月24日の対西武ライオンズ戦(バンテリンドーム)で「2番・レフト」で先発に復帰、いきなり今季4号ソロホームランを放つなど、5月26日の西武戦まで4試合連続打点をマークした。

鵜飼はルーキーイヤーの今季、6月12日終了時点までセ・リーグ新人トップ44試合に出場、打率.216ながら、これまたリーグ新人トップとなる4本塁打を放っているが、153打席(139打数)で49三振を喫しており、打数に占める三振率は実に36%に達している。
(なお、昨季2021年の新人・佐藤輝明(阪神)がシーズン455打席・425打数で173三振を喫しており、三振率は40.7%)

鵜飼は三振を恐れないスイングで新人王のみならず、次の主砲候補に名乗りを上げたい。



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