伊藤大海(日本ハム)、デビュー戦初回から23イニング連続奪三振!


北海道日本ハムファイターズの2020年ドラフト1位指名、伊藤大海(苫小牧駒澤大学)が、開幕1か月足らずで、早くも大記録を打ち立てた。

伊藤はプロ初登板・初先発となった3月31日、西武戦の1回、プロで初めて対戦した先頭の1番・金子侑司から見逃し三振を奪って以降、毎イニング、奪三振を記録し、プロ4試合目の登板となった4月21日のロッテ戦の4回に先頭打者のレオネス・マーティンから三振を奪い、ついに23イニング連続奪三振をマークした。

これは、NPBの新人ではタイ記録、しかも、初登板のデビュー戦からの達成も史上最長、さらに、初登板した初回からの達成も史上最長となった。
全体で見ても、NPB史上5位タイの記録である。

それでは、NPBにおける「連続イニング奪三振」の歴代の記録保持者を振り返ってみよう。

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5位には今回の伊藤を含め4人が並ぶ。江夏豊は阪神在籍時の1968年に23イニング連続奪三振を記録し、当時のNPB記録となった。その後、1980年に日本ハムの前年ドラフト1位の新人、木田勇が江夏のNPB記録に並んだ。2019年に、ロッテの新人、種市篤暉が6試合(うち先発5試合、救援1試合)にまたがり、木田が持つNPB新人記録と並んだ。

そして4位は、昨年2020年、オリックスの山本由伸が達成した25イニング連続奪三振で、これは日本人最長である。尚、本人の談話によると、毎回奪三振が続いていた間には記録に気づかず、途切れた後に知らされたとのこと。

3位は中日のクローザー、ライデル・マルティネスで、2020年7月8日の巨人戦(ナゴヤドーム)に救援登板して三振を奪ってから、10月17日の広島戦(マツダスタジアム)で24試合・24イニング連続で奪三振をマークして、江夏の持つセ・リーグ記録を抜き、そのままシーズンを終えた。
マルティネスは2021年シーズンが始まってからこれまで3試合に登板したが、いずれのイニングでも三振を奪い、現在も記録は継続中である。

続いて、2位は西武に在籍した張誌家(ジャン・ズージャ)が2002年に記録した28イニング連続。いずれも先発した4試合にまたがって達成した。当時、江夏と木田のNPB記録を抜いてトップに立った。

そしてトップは、ソフトバンクのクローザーとして君臨したデニス・サファテが2015年に達成した43イニング連続で、群を抜いている。

2015年、サファテはソフトバンクに移籍して2年目で、この年、65試合すべて救援で登板し、41セーブを挙げて、NPB在籍5年目にして自身初の最優秀救援投手のタイトルを手にした。

伊藤大海は、新人ながら開幕ローテーション入りし、ここまで4試合に先発して、いずれも100球以上、6回以上を投げ、3失点以下に抑えており、デビューから4試合連続でクオリティスタートをマーク、しかも8奪三振以上を挙げている。だが、打線の援護に恵まれなかったり、後続のリリーフが追い付かれたり、勝ち越されたりして、伊藤はまだプロ初勝利を手にできずにいる。

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この日も、伊藤は6回まで無失点、攻撃陣も6回までに5得点を挙げて、伊藤のプロ初勝利はほぼ確実かと思われたが、5-0のリードで迎えた7回、伊藤はロッテ打線に捕まり3失点でマウンドを降り、その後、クローザーの杉浦稔大が1点リードの最終回、岡大海にサヨナラ2ランホームランを浴び、伊藤が手中に収めかけていたプロ初めての勝ち星が消えてしまった。

だが、伊藤が新人ながらこれだけ内容のある投球をしていれば、プロ初勝利も時間の問題。チームは5勝13敗3分けで最下位に低迷しているが、伊藤の力投がチーム、そして自らに勝ちをもたらす日も近いだろう。

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