【緊急企画】NPBに復帰する田中将大の「天敵」は誰だ?

ニューヨーク・ヤンキースをFAになっていた田中将大が古巣の東北楽天イーグルスに復帰することが発表された。

 田中がNPBで投げていたのは、2007年から2013年までの間である。そうなると、かつて共に日本一を味わったチームメートのみならず、かつて田中と対戦したことがある現役の打者はかなり少なくなっている。田中からすると、ちょっとした「浦島太郎」状態になるかもしれない。
 かつて田中が対戦して苦手にしている打者はまだ現役を続けているだろうか?
そこで、田中将大がNPBで対戦した、のべ5324人の打者との対戦成績を調べてみた。

4881打数1182安打、打率.242。
内訳は、本塁打66、三塁打24、二塁打199。
1238三振、275四球。
被本塁打は、80人の打者に1本、与四球は19人の打者に1個のペースで、
奪三振率は、8.47である。

Q1:田中将大が最も多く対戦した打者/最も多く安打を許したのは?

A1:
NPBで田中との対戦が最も多いのは、ソフトバンクホークスに在籍した本多雄一で、107打席である。

田中との対戦は通算96打数29安打、打率.302の成績を残している。
田中から通算安打29も、歴代トップである。

本多は2006年に一軍デビューしており、田中がデビューした2007年から本多もレギュラーに定着し、1番、2番を打つことも多かったことから対戦が多くなった。ただし、2009年、本多が田中と対戦して打率.667を記録してカモにしたが、シーズン打率は.262と低迷し、逆に2011年はシーズン打率.305とキャリアハイを記録したが、田中との対戦打率が.143と、田中との相性がシーズンの成績と反比例する結果となっている。

2位が日本ハムとオリックスで活躍した小谷野栄一で、田中との通算の対戦は100打席ちょうどである。
通算打率.283、1本塁打であったが、通算26安打は歴代2位タイである。

Q2:NPB現役選手で田中将大と最も多く対戦した打者は?

A3:
ヤクルトスワローズの坂口智隆である。


ただし、すべて坂口がオリックス・バファローズに在籍時の対戦で(坂口がヤクルトに移籍したのは2016年から)、通算83打席は現役選手トップ。しかも、田中と通算30打席以上の対戦した打者の中で打率.329は現役トップ、通算26安打(79打数)も現役トップ、前述の小谷野と並んで歴代2位タイである。
すなわち、坂口は今年の交流戦で、もし田中と対戦して1本でも安打を打てば、歴代2位に浮上し、あと3安打を放てば歴代トップの本多に並ぶ。

Q3:田中将大が最も多くホームランを打たれた打者は?

A2:
西武ライオンズの中村剛也(通算424本塁打)で、6本塁打である。
田中とは2007年から2012年まで毎年、対戦しており、2007年2本、2008年1本、2009年2本、2011年1本づつ放っている。

続いて多いのは3本塁打で7人いる。
中島裕之(西武、202本塁打)、G.G.佐藤(西武、88本塁打)、稲葉篤紀(日本ハム、261本塁打)、大松尚逸(ロッテ、84本塁打)、ターメル・スレッジ(日本ハム、DeNA、96本塁打)、高橋由伸(巨人、321本塁打)、サブロー(ロッテ、127本塁打)である。(カッコ内は、田中と対戦した時の所属球団)


この中で、セ・リーグ在籍で、交流戦だけ通算3本塁打を記録しているのが高橋由伸である。しかも田中から打った3本のヒットはすべてホームランである。通算では15打席の対戦で13打数3安打、5三振、2四球、打率.231。

この中で現役は中村と中島(現・巨人)だけである。

Q3:田中将大が1試合で最も多くホームランを打たれた打者は?

A3:
田中が1試合で同じ打者に複数のホームランを打たれたのはただ一人だけおり、巨人の高橋由伸の2本である。

2007年6月26日、本拠地フルキャストスタジアムでの巨人戦、高橋は田中から3回に2ラン、7回にソロホームランを浴びせたが、試合は田中が勝ち投手になっている。

Q4:田中将大が1試合で最も多くホームランを打たれたチームは?

A4:
田中の1試合2被弾は、のべ12チームある。
そのうち、もっとも多いのがロッテマリーンズで4回(2008年、2009年、2012年、2013年)ある。

Q5:そのうち、田中から2者連続でホームランを打ったのは?

A5:
2009年8月14日、Koboスタジアムでのロッテ戦で、田中は1回にサブローと大松尚逸に連続でソロホームランを浴びた。この二人は、前年2008年にも1試合で田中からアベックホームランを記録している。

Q4:田中将大から満塁ホームランを打ったのは?

A4:
二人いる。

1人目は、2008年8月30日、Koboスタジアムで行われたロッテ戦、2点リードの6回、満塁の場面で、サブローが満塁ホームランを放った。この試合、田中に勝ち負けはつかなかった。

2人目は2010年5月9日、函館で行われた日本ハム戦、同点で迎えた7回、満塁の場面で高橋信二が左中間に放り込まんだ。0ストライク1ボールからの2球目のストレートであった。この試合、田中は敗戦投手となった。

Q5:田中将大が対戦したチームで、通算で最も被打率が高いのは?

A5:
西武ライオンズである。


通算612打数で160安打、打率.2614、15本塁打。
15本の本塁打のうち、前述の通り、中村剛也が6本、G.G.佐藤が3本を打っている。

次はオリックス・バファローズで、通算782打数204安打、打率.2609、7本塁打。
そのうち、坂口が26安打、糸井が20安打、後藤光尊が19安打、T-岡田が13安打を放っている。
田中が楽天に在籍した2007年から2013年まで、オリックスのチーム成績は、6位、2位、6位、5位、4位、6位、5位と決して強いチームではなかったが、チーム打率は比較的、高かった。

Q5:田中将大から通算で最も多くホームランを打ったチームは?

A5:
日本ハムファイターズである。


パ・リーグで田中ともっとも対戦していること(1047打席)もあるが、通算17本を放っている。
ターメル・スレッジ、稲葉篤紀、アブレイユが2本づつ、その他11人がホームランを打っている。
ただし、田中から最も多く三振を喫しているのも、日本ハムで、271個である。

Q6:田中将大が同一シーズンでもっとも苦手にした打者は?(1シーズン10打席以上の対戦)

A6:
西武ライオンズ在籍時の中島裕之である。
中島は2009年、田中と対戦して14打数10安打、打率.714、1本塁打、2三塁打と手が付けられなかった。

1シーズン20打席以上に限定すると、2008年の田中賢介(日本ハム)で、22打席で15打数10安打、打率.667。4四球、2犠打があるため、出塁率は.700であった。

Q7:田中将大が苦手とする現役の打者で打線を組むとどうなるか?

A7:
過去にNPBで田中と対戦したことがある現役選手はすでにベテランが多いが、昨年の成績と田中との相性、ポジションを考慮すると以下がベストメンバーだと考える
(実際には、田中が所属することになる楽天の野手が、田中と対戦することになるのはおかしいが、あくまで選手本位で考慮した場合)

1番 センター 坂口智隆 .329
2番 ショート 坂本勇人 .278
3番 レフト 青木宣親 .357
4番 セカンド 浅村栄斗 .435
5番 DH 中村剛也 .277
6番 ファースト 中島裕之 .365
7番 ライト 糸井嘉男 .323
8番 サード 鳥谷敬 .409
9番 キャッチャー高谷裕亮 .250

代打 
中島卓也.462、鈴木大地.313、長野久義.308、川端慎吾.364、角中.333

Q8:田中将大が苦手としたNPBのOB野手で打線を組むとどうなる?

1番 セカンド 本多雄一.302
2番 ファースト 田中賢介.368
3番 サード 小久保裕紀 .283
4番 センター タフィ・ローズ.348
5番 ライト G.G.佐藤.366
6番 レフト 大松尚逸 .370
7番 DH 北川博敏 .308
8番 キャッチャー 日高剛
9番 セカンド 片岡大治.291

控え:宮本慎也、ヘルマン、ペーニャ、小瀬浩之、畠山和洋、多村仁志 .391、早川大輔、ラロッカ、西岡剛

Q9:逆に田中将大がカモしていた打者は?(1シーズン10打席以上の対戦)

Q8:
日本ハムに在籍した大谷翔平と近藤健介である。

大谷はデビューした2013年だけ、田中と対戦し13打席で11打数無安打、6三振と散々な結果に。田中が先輩として格の違いを見せつけた。
2018年にMLBに舞台を移して再戦するが、ヤンキース田中がエンゼルス大谷を2打数無安打(1四球)に封じた。

近藤は一軍デビューの2012年と2年目の2013年の2年間に、田中と11打席、対戦して、11打数無安打、3三振だった。もっとも近藤が好打者としてブレイクするのは、田中が渡米した後の2015年からである。

当時の日本ハムの主軸である陽岱鋼も打率.121、中田翔も打率.185と抑えられており、日本ハムの野手は、田中を得意にするもの(中島、糸井)と、苦手としているもの(他に西川、杉谷など)がくっきり分かれていた。

Q10:田中はソフトバンクホークスの打者との対戦成績はどうだったのか?

A10:
田中はソフトバンクホークスを比較的、抑えていた。
963人の打者と対戦し、893打数220安打、打率.246、ホームランはわずか5本しか許していない。三振は245個も奪っている。
ソフトバンクは、2010年、2011年とチーム打率.267でリーグ優勝しているが、田中は対ソフトバンク戦では2010年に被打率.258、2011年は.186という驚異的な数字を残している。

例えば、当時ホークスの中心打者だった内川聖一との対戦は、37打数6安打、9三振、打率.162と抑え込んでいた。

田中は、柳田悠岐にも19打数5安打、7三振とホームランを1本も許していない。もっとも柳田は2011年に一軍デビューしており、田中が楽天に在籍した3年間の、柳田の通算打率は.273(178試合で通算16本塁打)で、田中がヤンキースに移籍した2014年に、柳田は144試合にフル出場、打率.317、15本塁打、翌年2015年に打率.363、34本塁打、99打点、32盗塁(トリプルスリー)と大ブレイクしており、柳田が一流打者の仲間入りしてから、初めての「ガチンコ対決」に期待が集まる。

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