藤浪晋太郎、NPB通算1000奪三振


阪神タイガースの藤浪晋太郎が、NPB史上154人目となる通算1000奪三振に到達した。

藤浪は9月9日の対横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)に先発、3回までに4つの三振を奪い、通算1000奪三振にリーチをかけると、4回2死からDeNA4番・牧秀悟にソロホームラン一発を浴びたが、続く5番・宮崎敏郎にはカウント2-2から投じた150キロのスプリットがワンバウンドしたものの空振り三振に仕留め、大台を達成した。
しかし、藤浪は勝利投手の権利が懸かった5回、自身の暴投で同点、勝ち越し点を許すなど制球を乱し、4回1/3、被安打7、5奪三振、1四球、7失点でマウンドを降りた。
自身のマイルストーンを勝利で飾ることはできなかった。

藤浪は通算986イニングで通算1000奪三振に到達し、投球回数で見るとNPB史上8番目の速さで到達したことになる。

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NPBで最速で1000奪三振に到達した上位13人のうち、2位の千賀滉大(ソフトバンク)、5位の江夏豊(阪神)、6位の則本昂大(楽天)、7位の杉内俊哉(ソフトバンク)、そして8位の藤浪以外の8人はすべてMLBに移籍している。
また、1位の藤川球児(阪神)以外は、ほぼ先発投手として達成したものである(江夏はキャリア途中から本格的にリリーフに転向)。

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藤浪晋太郎は大阪桐蔭高校で速球派のエース右腕として3年生の春と夏に甲子園連覇を導く優勝投手となり、2012年のドラフト会議では4球団競合で1位指名を受け、抽選権を獲得した阪神に入団。
2013年のルーキーイヤーには2リーグ分立後、高卒新人としては16人目となるシーズン二桁勝利をマーク。
さらに、2015年には、自身初のタイトルとなる最多奪三振のタイトルを獲得、また松坂大輔(西武)以来、2リーグ分立後9人目となる高卒新人から3年連続シーズン二桁勝利を挙げた。
しかし、2017年以降は、課題であった制球難がさらに深刻となると、シーズンを通して先発ローテーションを守ることが難しくなり、一軍と二軍を往復、中継ぎに廻ることも多くなっていた。

藤浪は2021年に自身初の開幕投手を務め、4月9日の東京ヤクルト戦では、4年ぶりに甲子園で勝利も挙げたが、わずか3勝に終わった。
プロ10年目となる今季も2年連続で開幕投手を務めたが勝ち星に恵まれず、コロナに罹患したり、復帰しても一軍の先発投手陣の層が厚かったりと、先発登板するチャンスがなかった。
ようやく8月6日の広島戦(マツダスタジアム)で先発に復帰すると、8月20日の巨人戦(東京ドーム)で、先発登板では491日ぶりに勝利を挙げた。
8月は先発した4試合ですべてクオリティスタートを達成、2勝1敗、防御率1.85と復調の気配を見せていた。


藤浪晋太郎は大谷翔平と同じ28歳。まだまだ成長できる余地はある。
投手としてのポテンシャルが高いことは疑いのないものである。
先発ローテーションへの完全復帰を目指し、今季残り試合での登板でも、タイガースファンに希望を与える投球を期待したい。




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