【現役引退】「投手・和田毅」の軌跡を振り返る(2)対戦チーム別と球場別の投手成績
福岡ソフトバンクホークスの左腕、和田毅(43歳)が現役引退を発表した。
「投手・和田毅」の足跡を振り返ってみよう。
和田毅の年度別投手成績
NPBでの対戦チーム別投手成績
和田毅が現役時代、対戦チーム別でもっとも登板したのは、対オリックス・バファローズ戦で66試合。もっとも勝利数を挙げているのもオリックスで32勝12敗、貯金20と無類の強さを発揮している。
次いで、北海道日本ハムファイターズから31勝、千葉ロッテマリーンズから26勝、東北楽天イーグルスから23勝を挙げているが、パ・リーグの対戦チームで唯一、負け越しているのが埼玉西武ライオンズで、53試合に登板し、19勝20敗となっている。
対戦チーム別の防御率でみると、もっとも優れていたのが、やはり対オリックス戦で、防御率2.48、一方、もっとも悪かったのは対西武戦で防御率4.32。
2005年から始まったセ・リーグとの交流戦の成績を見ると、52試合の登板で、27勝15敗、防御率2.92。
交流戦での通算27勝は、石川雅規(東京ヤクルトスワローズ)の通算28勝に次いで、歴代2位となっている。
交流戦で対戦チーム別でもっとも多く登板したのが対読売ジャイアンツ戦で13試合、7勝4敗、防御率3.08。
特に地元・みずほPayPayドームでは6試合に登板して、4勝1敗、防御率2.25、36イニングを投げて、被本塁打はわずか2本、40奪三振とエースの貫禄を見せつけた。
セ・リーグのチームとの対戦で唯一、負け越したのが対阪神タイガース戦で6試合に登板して、2勝4敗、防御率3.62。
球場別の投手成績
もちろん、もっとも多い登板数、勝利数は、地元・福岡の「みずほPayPayドーム」で、181試合に登板、90勝42敗、防御率3.07。
ビジターで最多登板は、オリックス・バファローズの本拠地である「京セラドーム大阪」の25試合、12勝6敗、防御率1.75。
(ただし、近鉄バファローズの本拠地での試合が3試合、含まれている)
なお、和田毅のプロ初登板は2003年4月1日、大阪ドームでの対西武戦で、6回2/3を投げて5失点(自責点1)で敗戦投手となっている。
また、和田にとって現役最後の勝利となった2024年5月22日、対楽天戦での登板も、京セラドーム大阪で、この時は7回を投げて、被安打3、無四球、無失点の好投で、シーズン2勝目、通算160勝目を挙げている。
逆にオリックスの準本拠地である「ほっともっとフィールド神戸」では9試合に登板して4勝2敗だが、防御率5.01と悪かった。
和田の出身である早稲田大学が在籍する東京六大学野球リーグの本拠地である「神宮球場」では3戦3勝、防御率1.29と、プロ入り後も無類の強さであった。
地方球場での投手成績
なお、和田毅は現役時代、一軍で登板した334試合のうち、地方球場でも6試合に登板しているが、防御率4.93と分が悪いにもかかわらず、4勝1敗と勝ち越している。
和田のプロ初勝利は、デビュー2戦目、2003年4月9日、北九州市民球場での対西武戦で、プロ初先発の西武のルーキー・長田秀一郎との投げ合いとなり、6回を投げて無失点に抑えて、勝利を掴んでいる。
長田は和田と同学年の「松坂世代」でかつ、慶応義塾大学野球部出身であり、2002年のドラフトでは自由獲得枠で西武に入団したが、和田と共に東京六大学野球リーグでしのぎを削った間柄である。
長田の東京六大学野球リーグの投手成績は通算61試合に登板、12勝16敗、防御率2.23、290奪三振、ベストナイン1回。
3年時には、東大戦でリーグ史上最多タイとなる9者連続奪三振を含む、1試合21奪三振のリーグ記録を樹立している。
また、プロ2年目の2004年6月5日、長野オリンピックスタジアムで行われた対西武ライオンズ戦では3回途中、8失点KOで降板したが、味方が追いついたため、勝ち負けはついていない。
なお、その年、オールスターゲームのファン投票では、投手部門で1位の岩隈久志に次いで2位の得票を集め、監督推薦で2年連続選出されると、7月11日、長野オリンピックスタジアムでの第2戦ではオール・パシフィックの先発投手としてマウンドに上がり、オール・セントラルを相手に2回を無失点、1番・今岡誠(阪神)、4番・小久保(巨人)、6番・アリアス(阪神)から3つの三振を奪い勝敗は付かなかったものの、優秀選手に選ばれた。
2010年8月4日、旭川スタルヒン球場での対北海道日本ハムファイタイーズ戦では6回を投げて、自己ワーストとなる4本のホームランを浴びるなど6失点で敗戦投手になっている。
それ以外の登板では、プロ初勝利を収めた北九州市民球場、福島県営あづま球場、ひなたサンマリンスタジアム宮崎、山形市・きらやかスタジアムで勝利投手になっている。
特に2023年5月17日、山形市・きらやかスタジアムでの対楽天イーグルス戦では、和田自身、2010年の旭川球場以来、13年ぶりとなる地方球場での登板となったが、6回を投げて被安打3、4奪三振、1失点の好投で、シーズン3勝目をマークした。
きらやかスタジアムは山形市総合スポーツセンター野球場として2017年9月に開場し、NPBの公式戦は3試合目であった。
山形県は、和田の母・照子さんの故郷である鶴岡市があり、山形市と鶴岡市はかなり離れているが、和田も子供の頃、母と共に鶴岡市に帰省したことがあったという。
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