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「がん放置vsがん手術のRCTは倫理的に不可能」の嘘

✳️【手術のエビデンス】

 近藤誠氏の多くの著作の中でも触れられている以下の「質問」を、氏は対談の場で投げかけてきました。「早期胃がんの患者さんに、手術をしたほうが寿命が延びることを示したエビデンスはありますか?」と。それに対して私は「エビデンスはない」旨を述べると、彼は「それでは手術をすべぎではない」と力を込めるのです。

 「手術をするほうが利益があるという証拠が存在しないのであれば、近藤氏の言う通りではないか」と思われる読者もいることでしょう。しかし、ここに近藤氏のトリックがあります。信頼レベルの高いエビデンスとは、ランダム化比較試験(第Ⅲ相試験)で検証された臨床データのことを指します。

 これまでに「放置vs手術」を比較した臨床試験は確かに存在していません。というのも、それは「倫理的に不可能」だからと彼に説明しました。なぜならば、患者さんの立場で考えられた比較ではないからです。医師の興味のみで「放置か手術どちらに当てられるかわからない」という研究を患者さんに強いることができるでしょうか。手術はがんを治すための手段です。治す力などない放置と手術の両者どちらも、患者さんにとって等しい価値で受け入れられる選択肢でないと比較は成り立ちません。そのような倫理が過去においても働いていたからこそ「放置vs手術」はありえないのです。 大場大〈東大病院を辞めたから言える「がん」の話〉より

✔️【反論〈意味がわからない〉】

 「手術はがんを治すための手段です」って、「その証拠を見せろ」と近藤誠は言っているのですが……?

【放置vs手術のランダム化比較試験は可能である】

 次に「がん放置とがん手術のランダム化比較試験は倫理的に不可能だ」という反論なのですが、これは明らかな嘘です。

 たとえば18世紀、イギリス海軍が壊血病に苦しめられていたとき、医師のジェームズ・リンドは瀉血をやらせない&ビタミンCをとらせる群と、ビタミンCをとらせずに従来の食事をとらせる群に分けてランダム化比較試験をおこなったことがあります。

 結果、壊血病はビタミンCで治ることが明らかになったのですが、このときリンドは当時「やるのが絶対」とされていた瀉血治療をやりませんでした。

 それによって壊血病に苦しむ人がいなくなったのであり、医療の進歩のためにはこうした「革命的な挑戦」なのです。

 がん3大標準治療推奨派も「やるのが絶対」とされている手術を「やらない」という選択肢を試してみるべきであり、リンドの例もあり、倫理的にも不可能なはずはありません。


【まとめ】

 ●大場大の反論は意味不明。

 ●放置vs手術のランダム化比較試験は可能である。


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 日本人の3人に1人がかかると言われる国民病のがん。しかし、手術、抗がん剤、放射線の標準治療は大変危険なものなのです。がん食事療法をぜひご検討ください。

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