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「『50ミリシーベルト以下は問題ない』と何度も報道された」の真相

【米科学アカデミーの見解】

 ちょっとDNAに傷がついた程度でも、その傷が細胞分裂で増やされていくわけですから「まったく影響がない」なんてことは絶対に言えません。「人体に影響のない程度の被爆」などというのは完全なウソで、どんなにわずかな被爆でも、放射線がDNAを含めた分子結合を切断・破壊するという現象は起こるのです。

 学問上、これは当然のことなんです。これまで放射線の影響を調べてきた国際的な研究グループは、みんなこの事実を認めています。米国科学アカデミーの中に放射線の影響を検討する委員会(BEIR:電離放射線の生物学的影響に関する委員会)があって、それが2005年に7番目の報告を出しました。その結論部分にはこう書いてあります。

 ※     ※     ※

 利用できる生物学的、生物理学的なデータを総合的に検討した結果、委員会は以下の結論に達した。

 被爆のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、閾値はない。最小限の被爆であっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある。こうした仮定は「直線、閾値なしモデル」と呼ばれる。(中略)

 ところが、原子力を推進する立場の人たちはこれらのモデルを絶対に認めようとはせず、「50ミリシーベルト以下の被爆はなんの問題もない」と主張してきました。みなさんも報道で何度も聞かされてきたと思います。 小出裕章〈原発のウソ〉より

✔️【真相〈閾値は存在する〉】

 まず、米科学アカデミーの見解は明らかに間違いです。

 詳細はこちらの記事で確認してください。

【TBSのNキャスの記憶】

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 ところで最後の「みなさんも報道で何度も聞かされてきたと思います」という文には疑問符がつきます。

 私は毎週欠かさず見るテレビ番組は2つか3つあるくらいで、テレビを主な情報源にしているような人を比較対象としたら、テレビをほとんど見ない人間と言っていいでしょう。

 そんな私が3.11当時強烈な印象を受けたのが、たまたま見たTBSのNキャスでした。

 その中で福島第一原発事故の恐ろしさや作業員たちの苦闘などがおどろおどろしいBGMとともに流れ、それを見た私は「よくわからないけど、放射能って怖いものなんだなぁ……」というイメージを植え付けられました。

【原発と放射能を調べて初めて知った事実】

 それからしばらくたって原発や放射能のことを調べるようになったのですが、「50ミリシーベルト以下なら問題ない」という報道がテレビで何度もされていたなどとはまったく知りませんでした。

 また、小林よしのりは〈脱原発論〉の中で櫻井よしこ、中川恵一、山下俊一などなどなど、放射能コワクナイ派の知識人をたくさん紹介していますが、そうした人たちの存在も〈脱原発論〉を読むまでまったく知りませんでした。

 私のような人間は、けっこう多くいるのではないでしょうか?

 こう考えると小出裕章の「みなさんも報道で何度も聞かされてきたと思います」という文は、「嘘」のような気がしてくるのですが……。

【ロシアのメディアも放射能の恐怖を煽っている】

 最後に。

 副島隆彦はロシア科学アカデミー原子力エネルギー安全発展問題研究所副所長のラファエリ・アルチュニアンと対談したことがあり、その中で「放射能はコワイコワイという言葉はロシアにもあるんですか?」と質問しました。

 それに対してアルチュニアンはこう答えました。

 「あります。放射能は怖いものだというような考え方はロシアにもあり、それが何十年も続いています。メディアは、それを煽るようなことをしています」

【まとめ】

 ●「50ミリシーベルト以下の被爆なら問題ない」という報道をメディアが何度もしたという小出裕章の主張は怪しい。

 ●ロシアのメディアは何十年も「放射能は怖いのだ!」という煽り報道をしている。


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