![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69226289/rectangle_large_type_2_84c374ccf9e043575befa6cd12048c57.jpg?width=1200)
「前橋レポートはワクチンが効かない証拠にならない」の嘘
【ワクチンが効かないことは前橋レポートで証明されている?】
[答え:されていません]
ワクチンの効果を否定する、そしてワクチンを打たないように誘い込む反ワクチン派と呼ばれる一団がいます。反ワクチン派には複数の流派が存在しており、彼らの最終目的は様々ですが、この反ワクチン派がワクチンの有効性を否定する際、金科玉条のように持ち出すのが「前橋レポート」です。
以前は、学校でインフルエンザワクチンの集団接種がおこなわれていました。その中でワクチンの効果への疑問と副反応問題が持ち上がり、1979年から5年間にわたって群馬県でおこなわれた調査をまとめたものが「前橋レポート」です。このレポートがきっかけとなり、インフルエンザワクチンの学校における集団接種が廃止になったと考えられています。
この前橋レポートは“インフルエンザ予防接種は効果がない”と結論づけているため、反ワクチン方面の方々が医学的なデータとして喜び勇んで提示しています。
しかし、このレポートは欠陥だらけであり、現在では逆にインフルエンザ予防接種の有効性を示すことになっている、ということに知識がブラッシュアップされていない反ワクチン派の方々は気がついていないようです。(中略)
たとえばワクチン接種をおこなった人が多い高崎市の場合、1984年の非接種群は1887人中1017人が感染しているのに対し、2回接種した人たちは1万8941人中7254人が感染しています。これを割合にすると、ワクチンを接種していない人のインフルエンザ罹患率は1017÷1887=0.538(53.8%)、接種した人の場合は7254÷18941=0.382(38.2%)となり、ワクチン接種をしたほうが感染しない結果になっています。1985年ではワクチンを接種していない群は30.9%、ワクチンを接種している群は18.6%となりますので、誰がどう見てもワクチン接種をおこなったほうが感染者は少なくなることがわかりますよね。(中略)
ワクチンの効果を疑う記事および発言をする人たちが前橋レポートを持ち出した時点で、その方々の知識はまったくブラッシュアップされていないか、あるいは前橋レポートを実は読んだことがないと認定しても間違いはないでしょう。(桑満おさむ) ASIOS〈新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本〉より
✔️【真相〈インフルエンザワクチンを接種するとインフルエンザ感染率が高まる〉】
なかなかおもしろい指摘だと思います。
が、私にはそんな子供だましは通用しません(相手が悪かったですね)。
桑満おさむさんという方をいじめるわけではないのですが、インフルエンザワクチンを接種することで、逆にインフルエンザの感染率が高まるというデータが世界各地にあるんです。
まずカナダで、前年度の季節性インフルエンザワクチン接種によって、2009年のH1N1インフルエンザの感染率が高まったことがあるんです(PLoS Med.2010)。
また、2015~2016年のアメリカで、経鼻のインフルエンザワクチン接種によって、子供のH1N1インフルエンザの感染率が高まりました(NEJM.2017)。
また、2016~2017年のイギリスで、65歳以上のインフルエンザワクチン接種によって、H3N2インフルエンザの感染率が高まりました(BMJ.2017)。
また、2016~2017年のオーストラリアで、65歳以上のインフルエンザワクチン接種によって、同じくH3N2インフルエンザの感染率が高まりました(NEJM.2018)。
こうしたデータから導き出される結論は、「インフルエンザワクチンを接種したらインフルエンザに感染しやすくなる」以外になく、桑満おさむの計算によって出たデータは、たまたまかなにかの間違いだと思われます。
【インフルエンザワクチンを接種することで超過死亡率が上がる】
これも桑満おさむをいじめるわけではないのですが、実はインフルエンザワクチンの接種率が上がることで、超過死亡率が上がるというデータが存在するんです(Arch Intern Med.2015)。
百歩譲ってインフルエンザワクチンを接種することでインフルエンザの感染率が下がったとしても、その代わりに死亡率が上がってしまっては本末転倒です。
インフルエンザワクチンとは、「死んでもかまわないから、とにかくインフルエンザにだけはかかりたくない!」という変わり者以外は接種しないほうがいいでしょう。
【「感染」と「発症」は違う】
最後に、医学に詳しくない人たちのために書いておかないといけないことがあります。
「感染」と「発症」はまったく違います。
たとえ感染症に感染したからといって、必ずしも発症するとは限りません。
「感染」という言葉にだまされないでください。
【まとめ】
●前橋レポートの権威性は薄れるかもしれないが、それでもインフルエンザワクチンは接種しないほうがいい。
この記事が少しでも役に立ったと感じていただけたら応援クリックお願いします🙏
無数の日本人が服用している降圧剤。しかし、血圧は高いほうが健康によく、薬で下げる必要はないのです。降圧剤の服用をやめることをぜひご検討ください。
目次へ
サポートしていただければ嬉しく思います。もちろん、すべて《世界の真実》を見つけるための費用にしたいと思っています。