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'How Starbucks Saved My Life: A Son of Privilege Learns to Live Like Everyone Else' Michael Gates Gill

ノンフィクションにしては、いろいろあり過ぎる。

イエール大卒で大きな広告代理店のエグゼクティブになったけど、突然クビになって、不倫して子供ができて、離婚して、脳腫瘍まで見つかって、いよいよ路頭に迷いそうなときに偶然スタバの店長に拾われて・・・
それに加えて、ちょくちょく入る回想シーンでの子供時代のエピソードもなかなかで、父親を介して会った有名人にはビッグネームが登場したりする。タイトルにもあるが、ある側面ではかなり恵まれた人生を送っている人。

これだけネタがあって、代理店出身なら、本の一つも書きたくなるだろう。

この物語がハッピーエンド(終わってはないけれど)になったのは、なんといっても、スタバの上司・同僚と子供たちに恵まれたことによると思う。

仕事って、何をするかはもちろん大切だけど、誰とするのかも同じくらい大切だとつくづく思う。仕事である限り、お金をいただく限りは、単独では完結しない(少なくともお客様はいる)。なので、仕事の充実度の一端は、どういう人と出会えるかにかかっている。そんなガチャの勝率を上げるには、環境が大切で、日本の場合、学歴や家系とリンクするところも大いにある。少なくとも自分に能力・実力さえあれば、どうにかなるので、何にせよ勉強は大切だという結論になる。

いろいろ誇張しすぎなのでは?スタバを褒めすぎ?そもそもこのバックグラウンドでこの年齢の人がそんなに変われるの?と穿った読み方もできるが、物語として読めばとくに気にならない。そもそもが文化も社会も保険制度も何もかも違う異国の話、しかも15年以上前の話だ。


ちなみに、子供っぽくない内容でそれほど英語力を必要としない、でヒットした中の1冊なので、普段あまり洋書を読まない人でも読みやすいはず。


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