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'The Last Children of Tokyo' Yoko Tawada

邦題「献灯使」多和田葉子著

気軽に読み始めてしまったが、ディストピア小説だった。

日本は(他の国に迷惑をかけないため?)鎖国状態、インターネットもなくなっている。外国語の使用禁止だったり、常識が大きく変わっている世界。めちゃくちゃな気象に土壌・大気・海洋汚染。東京都心部はもはや人の住むところではなく、かろうじて西側に移り住んでいる。安心して口にできるものは限られていて、沖縄や四国、北海道など自然豊かな地域が幅を利かせている。老人は100歳過ぎても堅牢で(70代はもはや老人ではない)、子供たちはみな虚弱。主人公は着替えや歩くこともままならず、固形物を食べることもできない。その世話をしているのは曽祖父。

何が起こってこうなったかは直接的には書いてなかったような気がするが、大きな地震が起こったことや、大陸から距離が離れたことの記述がある。


さすがに極端な世界だが、今の延長戦上にあるように思えてしまう。
これまでそんなことを意識したことがなかったが、今の日本はこの小説とは違った側面で既にディストピア感があると思う。


図書館の洋書コーナーで返却期限内に読み切れそうな薄い本を探していて、英訳本のコーナーで出会った1冊。
日本語版は未読なので、内容には誤認があるかもしれません。


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