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泳ぐのに、安全でも適切でもありません/江國香織


読了。

短編集で、その中の1つ「うんとお腹をすかせてきてね」が特にお気に入り。



これを読んだとき、わたしたちだと思った。
わたしは美代と同じように、たくさん食べる。
食はわたしの人生を豊かにするし、たくさん食べることは気持ちいい。

彼もわたしにそうさせてくれる。
いつもわたしに何か食べさせたい、と言っている。
わたしがお腹すいた、とこぼせば、あれを買ってあげる、これ食べて、とメッセージを送りつけてくるのだ。
今は離れて暮らしているが、もし一緒にいたなら、わたしはお腹すいたという言葉を一生言わなくなりそうだ。

食べて交わる。
彼のすべてがつまった小さく暗い部屋の、そこだけ日本を感じる畳のベッドの上を思い出す。
ただ欲に忠実だったあの日々を思い出して、胸が苦しい。

この話の彼らのように、何も考えず、食べて、寝て、愛したい。
どこにも行かなくていい、ただわたしのパートナーと一緒に、また欲に従いたい。


それを思い出させてくれた、たっぷりで、荒くて、美しい、なんだか切ないお話だった。


Hope you have a good day!

MMM

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