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ブラッド・メルドー in Japan 2023

去年の夏に予約してキャンセルになったので、払い戻し後諦めていたのですが、2日前にチケットぴあの案内があり、ついポチっとしたコンサートでした。

あまりジャスに対して知識がないながらも、いろいろ聴いてみたくてフラッと寄った渋谷のタワーレコードで、ライナーノーツと視聴した音に惹かれて買ったのがBrad Mehldau Trioの『Day is Done』。以来、きちんと説明はできないながら、彼のピアノの音をスピーカー越しに聞くたびに、ソワソワとした胸のざわめきで始まって、曲が終わる頃にはセロトニンが出ているだろうと思うくらいに頭と目の奥に、暖かさと共に恍惚感を覚える曲を提供してくれる、それが私にとってのブラッド・メルドー (Brad Mehldau)です。

今回も一度は諦めたコンサートのリスケで、偶々当日空いていそうだというだけで取った2月3日のチケット、まさかソロ・コンサートだとは思ってもいませんでした。

だって、東京オペラシティのコンサートホールだったので。

ちょっと前置きが長かったですが、当日のコンサートはアンコールも入れて2時間弱。休憩なし、数度のインターバルを置くだけで、自作に限らず様々なジャンルの曲のアレンジがどんどん進んでいきました。即興なので、冒頭の数フレーズ以外は自分がCDやオンラインで聴いた彼の曲とは同じメロディーではないけれど、経験的には確かにメルドーの音だとわかるピアノ。

その雰囲気がどういうものか理解できていないので、必死にググったんですけど、左右別のメロディーを弾くって…、だからソロの演奏でも重奏的に聞こえるんですね。

しかもホールの反響は家のスピーカーとは大違いで、スペース全体に響いた後、体全体に入ってきます。

facebookに掲載された演目リストを見ると、これから出るアルバムに載せたビートルズのナンバーが多かったようですが、どれもどこかで聞いたようなメロディーながらも全部メルドーの曲になっていました。

どれも本当に素敵だったんですけど、個人的に思い入れがある『Life on Mars』のインプロビゼーションが一番印象的でした。今回コンサートでピアノを聞いたら「このメロディー、こんなに深くて綺麗だったんだ」って気づいたので。

セウ・ジョルジ (Seu Jorge)のカバーでも感動したくらいなので、元々良い曲なんでしょうね。デヴィッド・ボウイのオリジナルは(好きなのだけれど、渋くなってからの彼の楽曲がリアルタイムな自分としては)毎日聴き続けるのものなぁ、という感じなんですけど、昨日のピアノの音は、聴いている間ずっと現実逃避して、地球の外のことを思い続けることも可能じゃないかと思わされました。

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