シェアリングサービス市場の成長とユーザー実態【シェアリングサービス ユーザー大解剖!~利用者・提供者 双方から学ぶ実態やニーズ~ Vol.1】
今回は、2024年5月22日(水)に開催した株式会社TRUSTDOCKとの共催オンラインセミナー「シェアリングサービス ユーザー大解剖!~利用者・提供者 双方から学ぶ実態やニーズ~」でご紹介したデータをもとに、近年さまざまな場所で提供され、市場自体も大きく成長を続けているシェアリングサービスのユーザーについてお話しします。
調査結果をMMD研究所にて公開しておりますので、あわせてこちらもご覧ください。
▼連載コラム(公開しましたらリンクをつけます)
Vol.1 シェアリングサービス市場の成長とユーザー実態
Vol.2 増加するトラブルと本人確認の重要性
シェアリングサービス市場の成長予測
シェアリングサービス市場は拡大しており、2022年度には市場規模が2兆6,158億円に達しました。政府の支援と消費者の価値観の変化により、2032年には市場規模が15兆円に達すると予測されています。この成長に伴い、シェアリングサービスに対する政府の動きもますます活発になっています。
若者に広がるシェアリングサービス
今回の調査では、シェアリングサービスの利用状況を聞いています。特に、フリマ・ネットオークションの利用が多く、34.4%となりました。さらに、利用経験はないが「今後利用してみたい」と考えている人は7.3%で、合計すると約4割の人がサービスに対して何らかの関心を持っていることが分かります。
それ以外のシェアリングサービスについては、まだ成長途上であるものの、若者を中心に確実に利用が増加している状況です。今後、法整備やサービスの改善が進むことで、一気に利用が拡大すると期待されています。特に、カーシェアリングや育児代行、家事代行サービスについては、利用者が個人のプライベート空間に関わるため慎重になる傾向があります。この分野では、事業者間での信頼性の向上や安全性の確保が求められています。
コスト削減のニーズに応えるシェアリングサービスの魅力
次に、利用者の意見を詳しく見てみましょう。シェアリングサービスが選ばれる大きな理由の1つは安価に利用できるという点です。物を所有せずに必要な時だけ利用することで、コストを抑えたいというニーズが強く反映されています。
さらに、時間や空間を効率的に利用したいという理由も挙げられます。シェアリングサービスは、必要なときに必要な場所で利用できる柔軟性が大きな魅力です。特に、目的地に応じて利用することで、時間や場所を気にせずにサービスを利用できるという利便性が支持されています。
また、シェアリングサービスの利用においては、利便性が非常に重視されています。手軽さや簡便さがユーザーにとって重要であり、ちょっとした空き時間を有効に活用できることが評価されています。
労働力不足を補う新たな働き方
2024年4月にはライドシェア解禁後にドライバーの求人検索が増加、また「スキマバイト」が拡大するなど、人口減少で労働力が不足している中、短時間で働ける人の需要が高まっています。
さらに、メルカリなどの企業がこの市場に参入し、スポットワークの市場は急速に拡大、労働力不足の解消に向けた取り組みが進んでいます。
シェアリングサービスで副業を行う理由としては、「自分の持っているモノを有効活用できること」「場所や時間に縛られずに利用できること」が挙げられました。気軽に始めることができ、今のライフスタイルへの影響を少なくした形で副業を行いたいというニーズをとらえていることがわかります。
セミナーダイジェスト
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