習近平氏を強く批判する中共中央党校の元教授・蔡霞氏

今年の6月ごろに、中国共産党の中央党校の元教授が何かの集まりで習近平総書記のことを批判している様子が録音されたものだという、なんとなく怪しい音声がちょっと話題になりました。ほんとに中央党校の元教授の発言なのか。フェイクニュースなんじゃないだろうか。私は、興味はもったものの、正直かなり疑ってました。

ですが昨日、その元教授を党籍剥奪処分にしたという発表が正式に出されました。日本のメディアもそのことを伝えています。

習主席を批判…党幹部養成学校の元教授の党籍はく奪
テレビ朝日 [2020/08/18 07:53]
 中国共産党の幹部を養成する中央党校は習近平国家主席を批判したとされる元教授に対して「国の名誉を傷付けた」として党籍剥奪(はくだつ)の処分を発表しました。
 中央党校は元教授・蔡霞氏に対して「国の名声を損ない、党内の政治規範に対し、重大な違反を犯した」として、党籍の剥奪と退職者年金の給付停止などの処分を発表しました。蔡氏は移住先のアメリカで行ったとされる講演で、国家主席の任期の制限を撤廃した習主席を批判していました。さらに、習主席は「暴力組織のボスである」と指摘して「中国が危機的な状況から抜け出す最善の方法は指導者を変えることだ」と主張していました。

下は、中央党校のサイトでの発表です。

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で、現在アメリカにいるというこの元教授、党籍剥奪の発表があった当日にさっそくメディアの取材に答えて、またいろいろ発言してるんです。かなりすごいことも言ってます。

「党自体がもう、中国をよりよく変えていくという歴史的任務を果たせなくなっている。だから必ず消えていくことになる。私たちが転覆させるというよりは、歴史によって淘汰されるだろう」

「国内外で大きな困難に直面している中国共産党は、安定が崩れるのを恐れて、党内の反対意見を必死に抑えている」

「2019年に党がやっていたことはすべて政治面での安全を念頭においていた。政治面での安全とは、政権の安全のこと。つまりは、習氏個人の権力と地位の安全のことだ。あの人は、それが危ういと誰よりも強く感じている。だから、あらゆる手を使って必死に反対意見を封じている」

「習氏は、自分とそのグループの利益を守るためなら、原則やルールなどおかまいなしだ」

「ですが私はひとりではない。党内には私と同じ考えの人がたくさんいる。私のように口に出して言っていないだけだ」

などなど。批判はまだまだ続きます。


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