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伊豆下田から  佐藤潤レポート

町の商店街の空き家をアクティブなコミュニティスペース&宿泊施設「羽衣」として生まれ変わらせた、佐藤潤さんのレポートです。松本は彼女の案内で改装中の建物を見学し、現在までの過程を興味深く追っていたので、ぜひその試みについて書いてほしいとお願いしました。なかなか旅に出るのが難しい状況ですが、その分さまざまに思いを馳せて、訪れる日までの楽しみといたしましょう。

写真&文 佐藤潤

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「どの地方都市も同じかもしれませんが、伊豆下田でも、人が減り、空き家が増え、町は目に見えて衰退の一路を辿っていました。

それでも故郷が好きで、デザイナー兼カメラマンとして生計を立てながら下田で暮らす日々の中、ふと一軒の空き家が目に付きました。そこは古い町のど真ん中。ここが蘇れば、町にも良い影響があるのではないか。そう思いました。

それから数年後、色々な出会いやご縁が重なり、集まってくれた仲間と一緒にクラウドファンディングから始め、自他あわせた資金を元に、この空き家を改修し、通りに伝わる神様の名前から、コミュニティスペース羽衣(はごろも)と名を付けました。

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現在羽衣は、素泊まりの宿泊をベースに、着物の着付け体験やマッサージ、月に数回はカウンセリングも予約でき、WiFiを使ったリモートワークやシェアスペースとしても使える、小さい建物ながら下田を楽しむコンテンツが盛り沢山の空間となりました。

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リノベーション開始からオープンして現在に至るまで、羽衣は本当に多くの方々に有形無形のご支援を頂き、コロナ禍にも負けることなく、日々様々な出会いを生み出し続けています。サブスクリプション会員様も地道に増え、2回目の夏を迎えてやっと、脈動を感じられる場になったように思います。

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住まいや町、場や建物に、身体がすっと馴染む瞬間があります。その慣れは、愛着を生み、愛着は、そこに足を運ぶ理由になります。今、地方が求むべきはその感覚であり、すっと馴染む場所にするには、誰かが、何かが、その場への媒介になってあげるのが一番早いと思っています。

羽衣が、下田にすっと馴染む、きっかけの場になれば。そう思いながら手探りで、日々の運営に携わっています。訪れる人々や起こる出来事により変化し続けていく、羽衣とその周辺の様子を見守り続けたい。そう願っています。」

コミュニティスペース羽衣

https://www.shimoda-hagoromo.com/

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ニキ・ド・サンファルの映画は「ニキの映画を創る会」メンバーで製作しています。編集作業、完成に向けて、サポートしていただけたら嬉しいです。