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4回目の退職にあたり

月末に、現職を退職するにあたり、今日は事務所で最後の手続きを行なってきた。

書類上の身分はともあれ、実質的には、これでこの職場とのご縁も一区切り。学生時代を終えてからこれまでで、4つ目の職場での生活に別れを告げた。

この4つ目の職場について振り返り、悪戦苦闘した自分への労いと、多少なり振り回してしまった、私に関わった皆様への謝意とお詫びを込めたい。

己を知ることができたのが収穫

短く終わってしまった、今回の職場での経験。得たものの一番大きかったのは、私が己を知ることができた点だと思っている。

今回の職場に入る前は、それまでの20数年の社会人経験をもとに、かなり自分を買い被っていた。環境や他者のサポートが得られなくても、場合によってはアゲインストであっても、その苦境を打ち破って爆走する力があると自認していた。

今回の職場での経験で、それはかなり過大評価だったことを知った。それは裏腹に、過去の職場において、自分で気づいてなかった色々な方のサポートや容認の支えがあったを気付くことでもあった。

また、環境要因も無視できないとわかった。いくら己を鼓舞して強い気持ちで居ようと心掛けても、環境要因の大きな力がアゲインストであった場合には、打ち破れないこともあるんだ、と分かった。言い換えると、向き不向きもあって、不向きなところで遮二無二やっても自分を追い込んで成果は出ない、という状況もあることを学んだ。

厳しい表現をすれば、「オレは調子に乗って自分を過大評価していた」と知った。自分自身の向き不向きや力量の限界を弁えて、自分が潰れず力を出せる状況を整え確保することも不可欠と知った。これが収穫。

本当に大切な人の存在への気づき

1つ目の収穫と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に大きかった収穫。それは、自信を喪失して絶望しかかったシオシオに弱った私を、ケアしてサポートしてくれる本当に大切な人の存在を深く感じたこと。

それら大切な人に対して、元気な時の私は、ぞんざいに扱っていたところもあった。にも関わらず、すっかり無力感に心を占有されて折れかかった私に、温かさを与えて支えてくれた。

1つ目の収穫では、私が今まで、いかに周囲の方のサポートやケアを軽視していたかを思い知ったのだが、この2つ目の収穫でも、そのことを一層感じた。私は今後、自分が自力だけで立てているわけじゃない、という点にきちんと意識を向けて、支えてくれている人たちに感謝と恩返しをしていきたいものだ。

人は「理動」でなく「感動」で動く

1点目の収穫の派生になるが、人は、理屈で動くのではなく、感情で動くのだということを強く再認識した。

嫌いな奴の正論は、誰も聞かない。むしろ、理屈に合わない逆のことをやったりもする。一方で、好きな人の言葉や思いは、理屈に合うか合わないかを時には無視して、信じて動く。

すなわち、理屈を詰めて正論を構築すること以上に、いかに協力関係を結ぶべき人たちと、信頼関係を構築するかが先決ということだ。これは、信頼関係より正論を好んで取り組もうとしがちな私には、今後よくよく認識しておくべき道理だと思っている。

拾ってくれた恩義に応え、自分に与えられるものを与え尽くせ

次の職場には、自分を拾ってくれた恩義に応えるべく、私の経験・能力でできる奉仕を、やり尽くそう。そう思う。

もちろん、職場は全霊でコミットする場であるという一面もある一方で、「自分の持ち物ではない」という一面もある。

私の良いところは、その場その場で高いコミットメントを発揮するところだと自負はするが、上記の二面を弁えずに突っ込んでいって、ハレーションを起こすきらいもあるように思う。

自分のものであって、自分のものではない。自分のものではないが、自分のものでもある。そのバランスを大切にし、悩んだら「理屈より感情」を思い返してバランスをうまく取っていきたい。

「思いの外、弱き自分」をケアしよう

「オレはヤワじゃない、お気遣い無用」と強気で逆境にも突っ込んでいく傾向が強かったが、今回、自分は十分にヤワな面があると思い知った。

お気遣い無用、どころか、お気遣いしてバランス壊れないようケアせねば。そう思っている。

私は、自分自身の状況や声に、もっと注意を向けよう。「まだ余裕」「結構しんどい」「実は絶望しかけている」といった、自分自身にすら隠そうとしがちな本音をきちんと捉えて、他者の力を頼るというソリューションも念頭にして、心折れず元気に立っていられるようにケアしよう。

顕在意識の向け方、言葉の使い方、態度や動作の行い方を注意深く前向きに整えつつ、潜在意識がどんな状態にあるかしっかりケアしていこう。そして、顕在意識のあり方に操作を頼りがちなのを改めて、身体・言語の使い方と自律神経の仕向け方をしっかり重用しよう。

そうやっていけば、完璧には遠くとも、きっと少なからずお役に立ち、自分も甲斐を感じる時が過ごせるだろう。と、信じて、意気揚々に新年を迎えたいと思う。


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