薬の富山300年の歴史を体感 金岡邸ミニツアー①
富山といえば「くすりの富山」、そうイメージされる方も多いのではないでしょうか。江戸時代から続く配置薬(置き薬)の伝統は、全国トップクラスを誇る、現在の富山県の医薬品製造業の発展につながっています。
そんな薬都とやまの歴史を体感できる、国登録有形文化財「金岡邸(かなおかてい)」へ行ってきました。
明治初期の薬種商店舗部分が全てなのかと思いきや、奥には迎賓の場として建てられた豪壮な新屋や美しい日本庭園もあり。
間口に比べて奥が深い、まさに薬の富山の歴史そのもののような金岡邸をリポートします。
歴史ある薬種商の館 金岡邸
薬種商の館 金岡邸は、富山市新庄町にある国登録有形文化財で、風格のある伝統的な佇まいをしています。
金岡邸のみどころ
金岡邸は、明治初期に建てられた母屋と、大正時代に建てられた新屋、明治天皇が御休憩された庭園からなっています。
金岡邸のみどころは
・売薬の歴史的な資料などが展示されている、全国でも珍しい薬業資料館であること
・伝統的な木造建築や庭園の美しさを楽しめる点
です。
いざ、300年の歴史を感じるプチツアーに参りましょう。
◾️往時の雰囲気を味わえる母屋
一歩足を踏み入れると、そこはもう明治!
ちょっとしたタイムスリップ感があります。
来館者をお出迎えしてくれるのは、法被姿の番頭さんと丁稚さん……を模したマネキンです。ちょっとびっくりするじゃないですか……!
こちらの法被は無料で貸し出してもらえるそうです。ぜひ揉み手で記念写真なんか撮ってみてほしい。きっと映えます。
入場券を購入すると手渡されるのが、パンフレットとこちらの紙風船。
売薬さんは、その昔お得意先を訪ねる際に、お土産として紙風船や版画を渡していたのだそう。当時の子どもたちには嬉しいお土産だったでしょうね。
そして目に飛び込んでくるのは、壁一面の百味箪笥。
ここに様々な種類の生薬が分類され、保存されていました。
この百味箪笥は、万延元年(1860年)、第14代将軍徳川家茂の時代のものなんだそうです。この薬種商の象徴的な存在といえますね。
◾️こんなものも原料に? 生薬展示
奥に進むと、薬の原料がずらりと並んだ棚がありました。ここに展示されているのはおよそ180種。
杏仁(キョウニン)や桔梗(キキョウ)など、見慣れた植物の名前もあれば……
石……?石も薬になるんですか?(困惑)
鉱物も原料のひとつでした。
原料の大部分は、中国などの最高級の生薬で、富山の薬種商は、こういった原料を仕入れて売薬さんに販売していたのだそうです。
◾️薬を作る道具や機械
薬を粉末にするための薬研(やげん)など、製薬の道具も並んでいます。
体験料金200円で、薬研体験もできますよ。
薬研を使って4種類の生薬を砕き、薬紙に包んで香り袋を作ることができるんです。
以前、娘が体験したのですが、どこかほっとする生薬の香りはかなり長く楽しめました。ちょっとした思い出作りにおすすめです。
金岡邸ミニツアー、まだまだ先があります。
その②では、ある「歴史的事件」のコーナーなどをご紹介します。
Info
富山県民会館分館 薬種商の館金岡邸
住所:富山県富山市新庄町1丁目5番24号
見学料:200円
電話:076-433-1684
開館時間:9:30〜17:00
休館時間:毎週火曜日及び年末年始 12/29〜1/3
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