赤ちゃん(きょうだい)を出産する時の、上の子の心の準備について【簡単な絵本作った】
こんにちは、小児科看護師ゆっこです🙂
今回は「私は2人目を出産する時に、上の子にこんなふうに説明しました」について書きます。
まぁ結論からいうと、言葉で説明しきれないので絵本を作ったわけですが。
絵本を作るにあたって小児看護では必須の「プレパレーション」の技術を活かしましたので、これから2人目以降のお子さんを産む人だけでなく小児の医療に関わる方にも読んでもらえたらうれしいです。
プレパレーションとは
「病気、入院、検査、処置などによる子どもの不安や恐怖を最小限にし、子どもの対処能力を引き出すために、その子どもに適した方法で心の準備やケアを行い、環境を整えること」*1)
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只今、年長男子と年少女子のきょうだいです。息子が2歳2ヶ月の時に娘を出産しました。息子には出産前から、
・赤ちゃんが生まれて家族が増えること
・出産の入院時、離れ離れになること
について伝えた方がいいと思いつつも、言葉だけでは伝わらないと感じていました。(当たり前)
子どもは大人から見ると理解できないこともたくさんありますが、大人が思っている以上にいろんなことを理解できます。その場しのぎの嘘やごまかしは、逆に子どもを傷つけることもあります。
そこで、この大きな変化を受け入れてもらうために簡単な絵本を作ることにしました。(出産日は予定帝王切開で決まっていたのに、無計画に過ごしすぎて出産直前になってから作り始めたのでかなり雑な絵です😂)
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私たち家族の状況
・息子は2歳2ヶ月
・私実家への里帰り出産で出産3ヶ月前から実家に住んでいた
・私の母Aとともに妹Mも泊まり込みで子育てを手伝ってくれた
・そのため息子は私の母、妹、夫にとても懐いていた
・予定帝王切開での出産で日にちも1ヶ月くらい前?に決まった
・入院は帝王切開の前日
・夫は仕事の都合で私の入院後、子どもが寝た後の時間に実家に到着するため、今回の滞在で息子と会うのは手術当日の朝が初めて
・かーちゃん=私、とーちゃん=夫と呼んでいた
・出産当日のみ、赤ちゃんと息子の直接の面会がokなので息子と赤ちゃんを会わせて抱っこさせる予定
・他の日はかーちゃんと息子の面会(ガラス越しに赤ちゃんを見ることはできる)
ここまでが前提です。
「かーちゃん入院するね」の絵本の内容
息子はまだ字は読めませんでしたが、一応ひらがなで書きました。
大人が読んで聞かせる説明方法です。絵も雑ながら入れました。(絵大切!)
かーちゃん入院するね(表紙)
1.こんど、またびょういんにいきます。あそんだらかーちゃんとバイバイします。(※病院にはキッズスペースがあって気に入ってて、いつも妊婦検診の時はそこで遊んでいた)
2.よるになったら、AちゃんとMちゃんとねんねします。かーちゃんはびょういんにおとまりです
3.あさおきたら、とーちゃんがいます
うれしいね!
4.みんなでびょういんにいきます
5.びょういんであそんで、ごはんをたべたら、かーちゃんとあかちゃんにあえます(※手術が午後からだった)
(息子くん)はあかちゃんをだっこするよ
いいこいいこしてあげてね
6.かーちゃんとバイバイしておうちにかえります
7.よるはとーちゃんとMちゃんとAちゃんとねんねします
(※絵本を読む大人向けに「もし泣いたら『寂しいね』と言ってあげてください。泣き止ませるような励ましや言葉は意味ない」とコメントをつけました)
8.あさとおひるのごはんをたべたら、かーちゃんのびょういんにいって、かーちゃんにあえます
9.かーちゃんとバイバイして、おうちにかえります
10.たいいんのひ💮
あさごはんをたべたら、かーちゃんのびょういんにいきます
そしてかーちゃんとあかちゃんもいっしょにおうちにかえります
むすこくん、えらかったね
がんばったね
いっぱいむすこくんをいいこいいこ(なでなで)するね
本編の内容はこんな感じでした。
絵が色々酷すぎますが、そこは目を瞑ってほしい。申し訳ない。
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退院の日を知らせる別紙
退院日を子どもに知らせる方法です。まだカレンダーや日にちの概念がわからないようだったので、ゴール(花マル)を設定して視覚的にわかるようにこんな紙を用意しました。
毎朝起きたら、今日はこの日だよ、と何か絵を描いて埋めてもらうように依頼していました。
そして入院の日と出産の日の下に絵本の中で使った絵と同じ絵を下に描くことで、今日はどんなことが起こる日なのか絵本の中のシーンを思い出してもらうようにしました。
夫には「退院の日が決定したらその日の枠内に💮(花丸)を書いてね」と依頼し書いてもらいました。(事前に書いていたら、もし何らかの理由で退院が延期になった時、子どもががっかりしたり混乱したりするのを防ぐため)
夫や妹がこんな感じに描いてくれました。感謝感謝です。(正直「絵」と言っても◯とか♡を描いて中を塗る程度のイメージだったので、こんなに色々描いてくれてありがたい限りでした)
絵本を作る際に気をつけたこと
絵本の一番の目的は、子どもがこれから起こることについて心の準備ができるようにすること。そのため、子どもが経験するであろうことを絵本を読むことで擬似的に経験できるようにすることを意識しながら
子どもの目線で
・「どうなったらどうなる」を子どもがわかるキーワードを使って描いた。(例→朝ごはんをたべたら病院にいく、など)
・「どういうときにどうしてほしいか」ということを盛り込んだ。(例→赤ちゃんを抱っこしたら、いいこいいこしてあげてね)
・日にちの概念がまだ未熟な息子に「いつになったらおわるか(かーちゃんが帰ってくるか)」を視覚的にわかるようにした。(退院の日を知らせる別紙)
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また、この本編とは別にエピローグも用意しました。
赤ちゃんがきたら
1.あかちゃんがきたら、かーちゃんはあかちゃんのおせわもします
おっぱいをあげたり、だっこしたりします
ちょっとさびしいけど…
3.かーちゃんもとーちゃんもMちゃんもAちゃんも
みーーんな
(息子くん)のことがだいすきだよ♡
どうしても赤ちゃんのお世話にかかりきりになったり、周りが赤ちゃんに夢中になりがちなので子どもが寂しい思いをしないようにと色々気を配るつもりでしたが、それでもやっぱり今までとは違う寂しい思いは多かれ少なかれすると思ったので、「あなたのことはみんなが大好きだよ」と伝えておくことにしました。まぁそれでも寂しかったとは思うんですけどね😅
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今回は「私は2人目を出産する時に、上の子にこんなふうに説明しました」について書きました🙂別にこんなふうにできなかったからダメだというわけではありません。これから出産される方の何か役に立てばいいなと思って書かせてもらいました。
次回は、この絵本を読んでみて息子がどんな反応だったか、そして実際に入院しての反応について書きます。また、出産後の初めての面会の時の息子への配慮なども一緒に書こうと思います。
実は、この絵本を作った時から「いつか必ずどこかでこのことを発信しよう」と思っていました。そのため、この一連のことの息子の反応は、夫や妹の協力もあり細かく記録を残していました。(この記録に目を通す前にどうだったか思い出してみたのですが、記憶と記録はやはりちょっとズレがありました)
また今回の記事を通して、医療者の方へは絵本を作ることだけがプレパレーションではないです、ツールがなくてもできます、ということもお伝えしておきたいと思います。(これについてもまた後日書きたいと思います。…後日書くと言ったものいっぱいある…😅)
それでは、また次回!😁ノ
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