京都府八幡市の財政について調べてみた件 ~高コスト構造をどうするべきか~

こんにちは、海原雄山です。

今回は、11月12日の市長選に維新公認候補が立候補する京都府八幡市(やわたし)の財政について調べてみました。

京都府で悲願の公認首長誕生が期待され、また、来年の京都市長選の試金石とも言えますので、注目度はかなり高いです。

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八幡市ってどんなところ?

まず、そもそもで八幡市がどんなところかについて簡単にご説明させていただきます。

人口約7万人(令和4年1月1日現在、住民基本台帳ベース)の人口を擁す一般市で、古くは皇室や武家から庶民まで幅広い信仰を集めていた石清水八幡宮の鳥居前町として発達していましたが、近年は京都市、城陽市、京田辺市、そして大阪府枚方市や同三島郡島本町に隣接していおり、京都市や大阪市のベッドタウンとして発展しました。

1970年代以降周辺自治体での開発が進んだことにより、急激な人口増加で1977年に市制に移行しましたが、1990年代をピークに人口が減少傾向にあります。

八幡市の財政について

では、本題に入りましょう。

今回は、2021年度までの直近5年間の決算カード等をもとに分析していきますので、特に断りが無ければ、2021年度の数字であると捉えてください。

また、類似団体とは、各市町村等を人口および産業構造等により全国の市町村を35のグループに分類したもので、橿原市は「Ⅱー3」という類型に属しています。(2021年度から類似団体のグループが変わったとのこと)

類似団体として挙げられる自治体は以下のとおりです。(一部)

室蘭市、石狩市、牛久市、国立市、北名古屋市、長久手市、舞鶴市、
長岡京市、京田辺市、木津川市、泉大津市、貝塚市、柏原市、摂津市
高石市、藤井寺市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市
芦屋市、大和高田市、大和郡山市

各種指標の状況

①財政力指数


財政力指数は「0.70」で、類似団体の平均「0.72」を少々下回っています。

財政力指数とは、地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額を基準財政需要額で割り算して得た数値の過去3年間の平均値ですが、ここで基準財政収入額(同需要額)は、だいたいどれくらい自治体運営にあたって財源を確保できそうか(どれくらいかかりそうか)を示す指標だととらえてください。

その数値が高いほど収入にゆとりがあり、1を下回っていれば、地方交付税交付金がその分支給されると大まかに捉えてください。

八幡市は、他の類似団体に比べても、歳出の割に税収が少しだけ貧弱といえます。

②経常収支比率


単位:%


経常収支比率は「91.5%」で、類似団体の平均「88.5%」と類似団体平均よりやや高い水準と考えられます。

経常収支比率とは、経常的な経費に経常的な収入がどの程度充当されているかを見るものです。比率が高いほど自由な施策が打てなくなり財政構造の硬直化が進んでいることを表すものです。

直近で経常収支比率が低下していますが、八幡市は、「令和3年度は前年度のたばこ税の減少の影響や、基準財政収入額の減少、臨時財政対策債償還のための追加交付等で地方交付税の増額があったため、経常収支比率は前年度対比で7.5ポイントの改善となった。しかし、これらの要因はあくまで一時的なものであり、今後の歳出については義務的経費である人件費が会計年度任用職員制度等により増加傾向であり、委託料などの物件費や社会保障経費についても増加し続けていくことが見込まれているため、継続した歳出改善や、税源涵養策の展開や税外収入確保等の歳入増加策を図っていく必要がある。」と総括しており、あくまで一過性の改善であるとのことです。

また、類似団体の分類が変わる前でも、経常収支比率が類似団体平均と比較して悪い年度が多く、慢性的な高コスト体質である可能性があります。


③将来負担比率


単位:%

将来負担比率は「0%」で、類似団体の平均「11.2%」より数字としては良いです。

将来負担比率とは、地方公共団体の一般会計等の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高を指標化し、将来財政を圧迫する可能性の度合いを示す指標で、標準財政規模(地方公共団体の標準的な状態での通常の収入と捉えてください)に対する「特別会計、第三セクターまで含めた地方公共団体の負債総額から積立金などを差し引いたもの」の割合を示したものです。

つまり、借金から貯金を引いたものが収入に対してどれくらいの割合かを示したものと捉えてください。(早期健全化基準:市町村では 350%)

将来負担0なのは良いことですが、2020年度に一度悪化している点が気になります。もしかしたら、将来への備えが安定していない可能性があります。

④公債費負担比率


単位:%

公債費比率は「14.5%」で、類似団体平均の「11.8%」よりやや悪い水準です。

公債費負担比率は、一般財源に占める公債費(地方債の元利償還等に要する経費)の比率で、この数字が高ければ財政構造の硬直化が進んでいることを表します。


⑤実質収支比率

単位:%

実質収支比率は、「5.2%」で、類似団体平均の「8.5%」を下回っています。

実質収支の標準財政規模に対する割合。簡単に言うと、収入に対して当年度の収入と支出との実質的な差額が、どれくらいの割合かを示すものです。

ですが、この数値は0を下回った時、つまり実質収支が赤字になった時に意味のある数字なので、良くも悪くもあまり気にしなくても良いでしょう。

歳入の状況

では、歳入の状況を見てみましょう。

2020年度以降は、コロナ対策の国庫支出金を多く受け取ったため、大幅に増えていますが、そういう一時的な要因を除くために、経常一般財源等で見ていくと下記のとおりです。

経常一般財源等は、歳入のうち毎年度経常的に歳入されるもののことです。

単位:千円

こう見ると、右肩上がりですが、2018年度にを境に減収傾向でしたが、2021年度に大きく増収となっています。

この伸びの要因を探るべく、もう少し詳しく歳入をみていきましょう。

市町村の歳入の多くは、地方税です。


単位:千円

2018年度をピークに、コロナ渦で一気に減収となっています。

歳入全体としては2021年度に大きく伸びましたから、歳入の伸びは地方税とは別の要因のようです。


単位:千円

地方消費税交付金は基本的に右肩上がり基調です。


単位:千円

地方交付税は、2021年度に前年度比約14憶増と大きく伸びています。

恐らく地方交付税の伸びが全体の歳入を大きく押し上げていたと考えられます。

これは、八幡市に限らず近年の全国的なトレンドのようです。

①市町村民税

ここから地方税を細かく見ていきますが、「臨時」に付与されたり「特定」の目的にも使う財源等も含むことをご了承ください。(それでも傾向は掴めるかと思います。)

地方税の多くは市町村民税と固定資産税で、だいたいの市町村において、これら2つで地方税収の約80%以上を占めています。

単位:千円(決算額ベース)

市町村民税は、2019年度をピークに減収となりました。

市町村民税を個人分と法人分で分けてみてみましょう。

まず、個人分です。

個人均等割り(所得に関係なく一定額を徴収) (単位:千円 決算額ベース)


所得割(所得に応じて徴収) (単位:千円 決算額ベース)


個人均等割は一貫して右肩上がりですが、所得割が2021年度に前年度比2億円減となっています。


一方、法人分についてですが、

法人均等割(資本金・従業員数などに応じて徴税) (単位:千円 決算額ベース)
法人税割(国に支払う法人税額を基礎として徴税) (単位:千円 決算額ベース)

法人均等割は約2.2億円で上下動する一方、法人税割は2020年度大きく下げに転じ、2021年度にやや持ち直していますが、まだコロナ渦前の水準にまでは回復できていない現状があります。

だいたいの市町村では、個人に課す市町村民税に対して法人分の金額が小さいですが、八幡市も同様です。(地方税全体に対する割合は、個人:約37.2%に対し、法人:約6.6%)

今回、2019年度から2021年にかけて市町村民税が減小傾向なのは、所得税割と法人税割が各々減少していることが要因となっているように見えますが、2021年度については所得割の減少が大きく響いているように見えます。

②固定資産税

地方税のもう一つ大きな柱は、固定資産税になります。


単位:千円(決算額ベース)

固定資産税収は、2020年度に大きく伸びたようです。

固定資産税は、土地・家屋等に対して課税され、ざっくり言うとその評価額を基準として税額が決まるので、近年の金融緩和による土地等の資産価格の上昇が、固定資産税収に追い風となった自治体もあるようです。

歳出の状況

ここからは歳出の状況です。性質別で見ていきます。

一時的な要因を除くべく、経常的な費用に充当される一般財源の金額を示す「経常経費充当一般財源等」の金額で確認していきましょう。

まず、義務的経費です。



これは、人件費、扶助費 (生活保護費、児童福祉費老人福祉費など) 、公債費など、その支出が法律上義務づけられたものや国の指示によって事実上強制されるもので、任意に節減できない極めて硬直性の強い経費とされています。

経常収支比率で見ると類似団体平均が49.3%ですから、60.5%の八幡市はかなり高い水準と言えるでしょう。

なお、直近で経常収支比率が改善しているように見えますが、恐らく地方交付税の伸びにより分母となる経常一般財源が増えたことによるものと考えられます。

では、義務的経費の経常収支比率が少し高い原因は、人件費、扶助費、公債費のうち何なのか、みていきましょう。

①扶助費

扶助費は以下のとおりです。


単位:千円
単位:%

扶助費の経常収支比率(扶助費が経常的な収入に対しどれくらいを占めるか)は類似団体平均より高い水準で(八幡市:14.2 %、類似団体平均:11.9%)、人口一人当たりの金額も2割近く高い水準です(八幡市:34,278 円、類似団体平均: 29,017円)。

八幡市は、扶助費の経常収支比率について、「扶助費の割合は高い傾向であるが、新型コロナウイルス感染症の影響による医療控え等の影響で令和2年度から割合が低下している。令和3年度は地方交付税増により経常収支比率が7.5ポイント改善した関係で、関連する指標が総じて改善傾向だが、これは一時的なものであるため今後は再び数値の悪化が見込まれる。令和3年度の生活保護率は21.48%で前年度(21.87‰)より改善しているが、類似団体よりは依然高い状況である。」と分析しており、結構な割合で生活保護世帯がいることが、扶助費の重しになっているようです。(全国での被保護実人員は、全人口の1.63%(2021年度末))

②公債費

公債費は、右肩上がり傾向にあります。

単位:千円


単位:%

公債費の経常収支比率は類似団体平均より少し高い水準で(八幡市:14.9 %、類似団体平均:13.9%)、人口一人当たりの金額も1割近く高い水準です(八幡市:36,164 円、類似団体平均:33,983円)。

過去には経常収支比率が類似団体平均よりかなり高い状況でしたが、類似団体分類替えで、平均との差は縮小しました。

八幡市は、「令和3年度は地方交付税の増加により数値は改善しているが、臨時財政対策債等の元金償還据え置き期間の終了等で、公債費が増加傾向にある事や、今後庁舎整備事業などの大型事業に伴う借入が見込まれていることから、退職手当債の繰上償還や、地方交付税措置のある地方債の活用により、残高の抑制及び利息負担の軽減を図る必要がある。」としており、今後の公債費抑制にも気を遣っている様子が伺えます。

③人件費

人件費は上下動を繰り返しながらも、長期で見て上昇傾向です。


単位:千円


単位:%

八幡市は、類似団体に比べて人件費の経常収支比率がかなり高いものとなっています。(八幡市:31.4 %、類似団体平均:23.5%)

また、人口一人当たりの金額も類似団体平均より2万円近く高いです。(八幡市:76,065 円、類似団体平均:57,408 円)

八幡市は、「経常収支比率に占める人件費割合は高い状況である。これは、類似団体と比較して職員数が多いこと等が要因と考えられる。一方で、委託料等の物件費については比較的抑制されている状況であるが、今後の市民サービス需要や物件費等との総額とバランスを考慮した体制構築を推進していく必要がある。」と総括しております。

実は給与水準にしても、ラスパイレス指数100.3と、類似団体平均よりも高い水準となっています。

八幡市は、「人事院勧告による国家公務員の給与制度の見直しに準じた職員給与の改正を実施しており、近年では期末勤勉手当の引き下げを行っているが、市の人口急増期に大量採用された職員の入れ替わりの影響等により職員の平均年齢が低く、若年層の昇格時期が早い傾向があること等により近年は指数が上昇し100を超えている状況である。現在一人当たりの平均給与額については比較的低い状況にあるが、年齢層が偏在する職員の年齢上昇とともに平均給与額も引き上げられていくことが将来的に見込まれるため、今後も給与の適正化に努めていくことが求められる。」とあり、市職員の年齢構成の歪さのようなものが影響している可能性があります。

八幡市における義務的経費の高さは扶助費にしても公債費にしても人件費にしても、どの経費も類似団体平均より高い水準です。経常収支比率も高いですが、単に歳入の少なさで比率が高まっているわけではなく、人口一人あたりの金額自体も高いため、歳入を増やすと同時にコスト構造にメスを入れないと抜本的な解決は難しいのかもしれません。

しかし、義務的経費は硬直性の高い経費で、なかなか削減が難しいものです。

高コストだからといって、20%を超える割合でいる生活保護世帯への支援を打ち切るということも難しいことです。

④その他の歳出

さて、義務的経費以外のもので注目すべきは、「物件費」、「補助費等」と「繰出金」です。

物件費とは、人件費、維持補修費、扶助費、補助費等以外の地方公共団体が支出する消費的性質の経費の総称で、旅費、交際費、需用費、役務費等が含まれています。


単位:千円


単位:%

物件費については、八幡市は、類似団体に比べて物件費の経常収支比率がかなり低いものとなっています。(八幡市:10.7 %、類似団体平均:15.2%)

また、人口一人当たりの金額も類似団体平均よりかなり低い水準です。(八幡市:25,971 円、類似団体平均:37,013 円)。

八幡市は、「経常収支における人件費割合が高い反面として、委託料をはじめとした物件費の割合については比較的抑制されている。物価上昇や労務単価上昇の影響を受けやすい費用であることから、今後の社会情勢や、市民サービス需要や人件費等との総額とバランスを考慮した体制構築を推進していく必要がある。」と総括しています。

補助費等とは、各種団体に対する助成金や一部事務組合への負担金のことです。

単位:千円


単位:%

補助費等については、八幡市は、類似団体に比べて物件費の経常収支比率がかなり低いものとなっています。(八幡市:7.6 %、類似団体平均:12.1%)

また、人口一人当たりの金額も類似団体平均よりかなり低い水準です。(八幡市:18,500 円、類似団体平均:29,593 円)。

八幡市は、補助費等の経常収支比率について「下水道事業への繰出を見直したこと等により改善した数値からほぼ横ばいとなっていたが、令和3年度は分母となる地方交付税の増加により改善している。今後も、市の助成対象事業が公共性・公益性を有しているかなど、市が定めた基準に基づき、適正に執行されているか等、助成制度の見直しも含め検討を行い、改善を図る。」と総括しています。


単位:千円


単位:%

繰出金とは、会計間相互に支出される経費をいい、ここでは一般会計から介護保険事業会計や後期高齢者医療保険事業会計と言った特別会計や公営企業への言わば仕送りのことを指します。

繰出し金については、八幡市は、類似団体に比べて物件費の経常収支比率がかなりやや高いものとなっています。(八幡市:12.0 %、類似団体平均:10.6%)

また、人口一人当たりの金額も類似団体平均よりやや高い水準です。(八幡市:29,084 円、類似団体平均:25,871 円)。

繰出金を含む経費について、八幡市は、「令和3年度においては、高齢化に伴う後期高齢者医療特別会計及び介護保険特別会計への繰出金の増等があり、地方交付税の増により経常収支比率においては改善しているが、類似団体平均よりも高い水準となった。」と総括しています。

繰出金の増加については、高齢化等によりどの自治体でも共通している状況です。

収支の状況

では、収支の状況を見ていきましょう。

歳入と歳出の差額から、翌年度繰り越すべきお金を差し引いたものが実質収支です。


単位:千円

実質収支は一貫して黒字です。

実質収支には、前年度から持ち越されているものもあるため、ストック性があるため、純粋なフローを見るとなると単年度収支(=今年度と前年度の実質収支の差額)を見たほうが、より収支というイメージに近い数字を見ることができます。

単位:千円

単年度収支は、ほぼ赤字です。

単年度収支の金額は、基金への積立金や市債の繰り上げ償還等は差し引かれていますし、基金の積み立てを取り崩した金額は逆に上乗せされています。

そのため、これらを逆にすれば、さらに実態に近いフローの状況を確認できます。

積立金や繰り上げ償還等は足し上げ、基金の取り崩しは、差し引くと、実質単年度収支という数字になります。


単位:千円

毎年数十万単位で積み立てを行っており、将来に備える姿勢は見えますが、金額が小さいです。


単位:千円

繰上償還はたびたびおこなわれており、高い義務的経費を長期目線で少しでも減らしていく努力が見えます。

単位:千円

積立金の取り崩しはたびたびおこなわれております。

ここで、基金の状況を見ておきましょう。

単位:千円

貯金にあたる財政調整基金は、長期で見て増加傾向です。

単位:千円

減債基金は2021年度に大幅に積み増されています。

単位:千円

特定目的基金について、長期で増加傾向です。

来るべき将来の事業に対する資金的手当てを実施しているものと考えられます。

八幡市の特定目的基金の主なものは以下のとおりです。

・公共施設等整備基金
・職員退職手当基金
・市民協働防災対策基金
・住宅新築資金等貸付事業基金
・ふれあい基金

八幡市の特定目的基金について、今後の方針は、「令和4年度の庁舎整備事業完了時に公共施設等整備基金について約14億円の取り崩しを行う予定である。また、消防庁舎整備についても令和4年度から5年度にかけて約11億円の取り崩しを予定している。その他今後の市施設の更新についても、交付税措置のない起債借入を抑制し、利息を含む将来負担を縮減するために、基金を活用できるよう公共施設等整備基金残高を維持していく。」としております。

基金残高について、全体として人口一人当たりに直すと115,260 円と類似団体平均の104,460 円より多い水準です。

話を戻して、これらを踏まえて、実質単年度は以下のとおりになります。

単位:千円

こうしてみると一貫して黒字です。

恐らく単年度収支が赤字が多い状況と大きく異なっているのは、将来に備え積立金の積み立てや繰り上げ償還を行っていることに起因している可能性があります。


単位:千円

地方債残高ですが、260憶円台を挟んで上下動を繰り返し、決して減少傾向とは言えない状況かと考えられます。

人口一人当たりに直すと375,866 円と類似団体平均の354,346 円より多い水準であり、基金残高も多い代わりに地方債残高も多いというストックの状況かと考えられます。

まとめ

八幡市の財政をまとめると以下のとおりと考えられます。

・財政力指数は類似団体平均とやや低く、経常収支比率も平均より高い
・将来負担比率は0で類似団体平均より良いが、必ずしも安定していない
・歳入においては、地方税収は、個人分の減収により、全体としても減少
・歳出においては、義務的経費の経常収支比率は類似団体平均より高く、一方物件費や補助費等は類似団体平均より低い傾向
・20%を超える生活保護率のためか、扶助費が高い
・職員の年代構成が歪なためか人件費が高い
・単年度収支は赤字の年度が多いが、積み立てや繰り上げ償還の影響と考えられ、実質単年度収支は一貫して黒字
・類似団体平均と比較して、人口一人当たりの基金額は多いが、一方で地方債残高も多い
・地方債残高は減少傾向とは言えない

将来負担比率は0ではあるものの、硬直性の高い義務的経費の高さが目立ちます。

特に人件費と扶助費については、なかなか解決が難しい課題を抱えているように見受けられます。

人口は減少傾向のため、さらに状況は深刻な見通しとなりそうな気がします。

しかし、物件費や補助費等はかなり低いため、例えば業務のアウトソーシングや一部事務組合で周辺自治体と住民サービスで協業したりといった余地がある可能性はあります。

枚方市は維新公認市長ですから、八幡市も維新公認市長となれば、協働の可能性も探れるのではないでしょうか。

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