命日

命の日と書くその言葉は、誰かが亡くなった日。
『死』や『亡』という漢字を使うよりは、よっぽど良い。
直接的な表現じゃない『命日』という言葉は、少しの優しさすら感じる。

毎年、今日という日は特別だ。

会ったこともない人だけど、画面越しに何度も見たことのある人がこの世から消えてしまった日。
彼を知る人はみな、今日を噛み締めながら過ごす。

1年は365日あって、365日毎日誰かの命日だ。
その逆もしかり。
毎日が誰かの誕生日でもある。
でも自分にとっては12月30日というのは、その人がいなくなってしまった日でしかない。

1年が終わる最後の日の前日に彼は行ってしまったんだ。
大勢のファンを残して。


毎日、何かを書こうと思った。
昔から書き溜めていたキーワードがつもりに積もって、そろそろ消化したいと思った。
でも、それを消化する前に、今日という日は今日を書きたかった。
何か特別なメッセージを残したいわけでもない。

ただただ、今日はやっぱり悲しい日なんだ。
それでも今日も彼が残していった音楽を俺は聴く。

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