自己紹介③〜うつ病からは逃げられない〜

ご拝読いただきありがとうございます。
前回の自己紹介からの続きとなります。

その電話をかけた直後、そのままスマホで、メンタルクリニックを検索しまくりました。

メンタルクリニックは予約制のところが多いので、何件か電話して、
「今すぐ来てください」
と言ってくれたクリニックへ行きました。

先生に話を聞いてもらい、
「抑うつ状態です。しばらく会社を休みましょう。」
と言われました。

その時の私の気持ちは

「あぁ、会社に行かなくていいんだ。」

でした。
その時の状況は、担当していた開発は激務で、納期もギリギリでした。
納期までに開発が進まなければ、数億円の受注が取れないという大きなプロジェクトでした。
にも関わらず、ホッとしました。

激務だったせいで、有給や代休がたくさん溜まっていたので、とりあえずそれを消化して、休むことになりました。

消化が終えても、傷病手当というものがあり、給料の6割はもらえるとのことなので、休み続けました。

その休んでる期間、唯一、その事を相談している女性がいたんですが、その女性からは、


「30歳にもなって、今まで結婚話が無い男の方が、よっぽど魅力が無いよ。
あなたには、それがあっただけマシだよ。魅力があるということ!」

って言われてなんだか、救われました。

次第にその女性に惹かれるようになりました。

そして、何ヶ月も経ち、仕事にも復帰出来るようになりました。
正直、復帰する最初の日は辛かったです。

会社の人、誰にも言わず
突然、ある日の午後に会社に出社しました。

みんなびっくりしていました。

事務所には、知らないメンバーも何人かいました。
私が休んでる間に、派遣社員2人と移動で1人の方が加わっていたようです。

上司からは、「しばらく何もしなくていい。
まずは、会社に来ることに慣れたらいい。」と言われたので、
私は、それからずっと何もせず、出勤だけをして、しんどい時は休むという日を続けました。

幸いにも、私は色んな部署に仲の良い人がいたので、違う部屋へ出向いては、自分の部署とは違う部屋で毎日を過ごしました。

そして、1ヶ月ほど経ったころ
相談をしていた女性から、
付き合わないかと言われました。
私は30歳になっていたので、
付き合うなら、結婚を前提でないと付き合えないと伝えました。
彼女の家は、会社を経営しており、
彼女は、「私は跡を継ぎたいと思っているから、結婚するなら、一緒に働かないか」
と言われました。

私は、今の会社に未練もなかったし、

いや、

むしろ、辞めたかったので、渡りに船のような気持ちでした。

そして、しばらくしてから、上司に、結婚をすることになり、彼女の家の仕事を手伝うから、退職したいと伝えました。

婚約破棄から、2年が経っていました。

ほとんど仕事はしてなかった状態でしたが、それでも私しか知らない業務もたくさんあったので、引き継ぎをし、退職しました。

そして、彼女のお父さんの会社へ転職しました。

もちろん、その時には、正式なプロポーズも、
お互いの両親への承諾も済んでいました。
その際も色々ありましたが、その事は、またの機会に、、、。

お父さんの会社は従業員15名程度の町工場でした。

私は1000名以上の企業に勤めていましたし、設計開発でモノづくりのノウハウもありましたので、違う業種でしたが、3ヶ月もすれば、全ての業務をこなせるようになっていました。

正直に言うと、めちゃくちゃレベルの低い会社だと思いました。


技術的ではなく、従業員の考え方、品質管理、衛生・環境管理。
こんなやり方で、よくやっていけるなと感じました。

5ヶ月後には工場長になりました。
もちろん、娘の婿になるという立場だからというのもありますが、それを抜きにしても、自分以外の人で、その能力がある人はいませんでした。

私はやり方をどんどん変えていきました。
業績もどんどん上がりました。

3年経つころには、1つしかなかった工場も、第三工場まで増えました。

そして、その頃です。

ある日の晩、嫁の母親から電話がかかって来ました。

嫁は、別の部屋へ行き、何やら深刻な話をしていました。

30分ほどして、戻ってきました。

ただならぬ空気だったので、
何の話だったかと聞きました。

「お母さんからだったんだけど、
お父さんが泣いてるんだって。
『とんでもない奴に娘を嫁に出してしまった』って。」

つづく

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