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みらいへのヒント(記事「アートとビジネスの心地よい関係」より)

最近拝読した記事で、ハッとする表現が無数に散りばめられている文章を発見したので、記憶に残しながら、noteにメモ。記事は前後編構成。要素は日本のあり方、地域の価値観、アートでどう稼げるか、次の時代にどんなことが必要か、なのですが、次の時代の示唆が多方面に渡って記載してあるので、ぜひ次の時代を考えるのであればぜひざざっとすべて読んでいただきたい記事。

そのなかでいくつか気になった要素について、私見をプラス。今、私たちが置かれている環境、そして「どう生きるか」のヒントになりそうな要素を選びました。

一言でいうと、GoogleとFacebookからどうやって逃れるかっていうことだと・・。コンピュータが予測してこない世界に出るためには、どうするかっていうと、旅に出るしかないんですよ。(中略)つまりその、何ていうんですか、コンピュータから逃げるためには、自分の好奇心にもとづいて旅をしなければならない。(記事本文から引用)

AIや予測がどんどん進んでいて、それは通販でのリコメンド機能も、amazon primeのおすすめ映画も、sportifyの「このアーティストを好きな人が好きな別のアーティスト」の提案は、どんどん精度が増している。その選びやすいという心地よさと同時に、web越しの世界の中で、どこか自分という人間がネットに規定されているような息苦しさと、その世界のなかの「既知世界の無限ループ」のなかで生き続けていくことへの閉塞感をたまに感じてもらう。あなたはきっと白いシャツが好き。赤よりは青い小物の方が似合うしよく選ぶ。いつだって日本のインストみたいな曲をよく聞いているね。そんな認識された当たり前に安住する日々は、きっと至極楽なのだが、やっぱりどこか退屈だ。

白いシャツが好きな人は本当に白いシャツが好きなのか。実は白いシャツのイメージの自分になるべきだと思っていたけど、ほんとうは黒いスウェットを来てルーズなボーイフレンドシルエットのデニムを履きたいんじゃないのか。ネットの見せてくれる「今日の自分が幸せになるであろう選択肢」は、「想定以上の未来を連れて来てくれる選択肢」にはなりえない。

ここで描かれていることは自分像とはまたちょっと違うものなのだけれども、それでも自分を規定のジブン枠から出してくれるのは場所を変える意味での「旅」、そして、普段の日常に出会う人たちから離れる「人の旅」なのだと思う。予測やレコメンドに出ない選択肢こそ、想定外の喜びと楽しさをもたらしてくれるはずだから。


ヨーロッパの今一番のテーマって、ものを作らないことなんです。ものを作るとすごいリサイクリングコストが掛かるから、作らないんですよ。作れば、汚染とかCO2とか問題になるじゃないですか。だから、ものを作らない、ものを消費しない。日本はまだものを作ってますけど、アジアで。でも、いかにものを作らないかっていうことを考えているんですよ。

ものを作って売るということは、一つの価値創造の手段。「作る」ことが悪だとは思わないけど、作ったからこその「使い込ませる」責任や、「ものの命を全うさせる」責任はあると思ってる。あまりにもものを買わせて、販売してはい終わり、という事業者もどうしても増えてきてしまった気がする。高値を出して買ったものが、買取として出したら価値がほぼ0円だった、その時の価値とは、何なんだろう。ラグジュアリーブランドのバッグや小物は、たとえ使い込んでも、数千円、数万円以上の値が付く。不思議と、高値を出して買ったものでも、ある程度の値段で買い取ってもらえて、それがまた次の人の手に渡って使ってもらえる安心感、罪悪感のなさというのは、高値のお金を使うということを上回る価値がある。

そして、やっぱり、そもそも必要以上のものをつくらないことは重要。つくらないでも経済活動をどう回すようにするのか、どうマネタイズするのか、どう価値を提供するのか。発想の転換を、ものづくりに傾倒していたところから、ちょっとずつずらしていきたいとも思っている。コト体験という言葉に安直に収めるのではなく、もっと違う、ひねりのきいた価値創造とは、なんだろうか。


具体的には、「アート」という言語化できない価値をアーティストがどうやって言語化(数字・お金化)するのか、つまり、アートをどうやってプロダクトに変えて、アーティストが自分たちの食いぶちを稼げるようになれるのか、そういったことの支援をしています。

この先に出てくる、劇団をどうマネタイズ化していくか、どう経済圏として成り立たせていくか、という展開は、必見です。

この原理って、ディズニーランドとか、クラブとか、エンターテイメントの界隈ではきっと「よくあること」かもしれない。そして、お客様商売をしている人なら、あれ、自分の会社でもそういう仕組みでお客様を惹きつけることってあったな、と思うかもしれない。でも、きっとそう簡単にできないのは、「とある業界の勝ちパターンを、また別の業界に持ち込んで、機能させること」のほう。そもそもそんなことを導入するきっかけがないし、それが必要だと理解してもらうのに、かなりのエネルギーと時間がかかる、と思う。

だからこそ、ここで泥臭く機能するのが、異業種や異種同士の人の交流、もっとブレークダウンすれば「ブレスト」や「飲み会」。「これがうまくいくんだよ!」「いやいやそんなわけないでしょ!だってこれまで・・」お互い半信半疑、意見をぶつけることと受け入れることをバランスよく繰り返しながら、時間と議論を経てお互いの生態を理解していく。そしていつしか「この人がここまで言うなら、できるかもしれない」という、信頼関係が関係者同士でできた時、きっと成功するんだと思う。


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それぞれつらつらと私見を書いてみた。書いてみてわかったことは、どの要素もああ、あの時こんなことあったな、と、過去経験したあらゆる実体験を思い出したこと。

ああ確かに、旅や人と出会った後でする検索は、自分にとって初ワードが多かったなあ、とか。
それでもやっぱり今置かれている状況で、ものをつくらない、なんて振り切れないよなあ、とか。
異業種間の連携が大事だよっていったって、そんなに簡単に形にならないよね、だってあのとき…とか。

体験したからこそ、見えてくる未来があると思っているのです。


最終的には、この「未来に向けての体験」をできるだけ多くの人がトライ&エラーでもいいから続けていくことが、日本全体にとってポジティブになると信じていて。

どうやってこの日本を、世界を面白くしていくか。いろんな要素にヒントを得つつ、まずは自分のできるところから。要素は広く、アクションは具体的に。そんな次の時代を描きつつ徐々に人を巻き込んでいく、そんな人になりたいです。



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