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サブカル大蔵経307『日本全国おとりよせ本』(京阪神エルマガジン社)

「行き帰り」や「やりとり」がないのであれば、せめて店の推すものを購入したい。堀部篤史 p.5

 本書は単なるカタログではなく、品と地域と人と推薦者が織りなす短編集の趣きでした。そこにお取り寄せというか、商いの可能性が潜んでいるように感じました。店頭よりも店主に近づける。日本のさまざまな地域が身近になる。大変な思いを分かち合う。店側も客と直接やりとりができる(お手紙同封とか)。

 類書の中で、本書はパリッコさんがおすすめしてたので購入しました。京阪神エルマガジンさんの丁寧さと安心感。



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料理家高山みなみさんのお勧めは、富良野[エゾアムプリン製造所]のプリン。p.9

これ、有難いことに、近隣の友人からおすそ分けを頂戴したことがあります。店の前を通ったこともありますが、森のそばの丘の畑の上にポツンと佇むプリン小屋です。

さらに、北海道からもう一品は、

鈴木智彦さんがお勧めする根室市[端谷菓子店]のオランダせんべい!p.19

しかも、鈴木さんは、根室の本店のを推薦しています。『サカナとヤクザ』の取材で〈どこにも似ていない〉〈日本一の金満都市〉根室に足を運ぶうちに、元ヤクザに勧められて、以来お口の友になったそうです。実はオランダせんべいは札幌でも作られていて、旭川医大のローソンでも手に入るのですが、本店のは限りなく遠い存在。辺境にこそ保存される宝の一品。

写真も、輝いています。

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パリッコさんは、石巻市[末永水産]牡蠣の潮煮。p.23

いずれ自由に旅行ができるような状況が戻ってきたら、ぜひとも石巻を訪れ、あわよくばSさんと乾杯させてもらいたい。それが、今を生きる希望のひとつになっている。

 宮城のカキ…これ、美味しそう…。

永江朗さんは福岡市福島菓子店]のカステラ。福岡のカステラ…。意外でした^_^

あとは、菓子研究家の福田里香さんがおすすめする弘前[大阪屋]の「竹流し」もたまらないお姿。

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京阪神エルマガの本は写真がいつも素敵だと思います。店と店の人と読者をつなぐ写真が多い気がします。


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