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サブカル大蔵経723一楽真『阿弥陀経入門』(東本願寺出版部)

地元旭川で年に一度三日間開催されるお東さんの特別な研修会に数年前から混ぜてもらって参加しています。その研修の講師が一楽真先生です。原典にたずねることの大切さ、聖典を読むことの厳しさ、先生の姿勢の巨きさに、毎回感銘を受けています。

本書の文章も、気を衒わず、安易に他と比較せず、真摯で落ち着いた解説で、授業が甦るようです。すごい先生は、穏やかに、大事なことを、ズバリと言う。

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舎利弗であれば、何を語っても間違いなく届いていくという信頼がまずあります。p.16

 釈尊ひとりではない。聞き手への信頼。

釈尊は掃除をしてほしかったのではありません。周利槃陀伽の心が塵や垢にまみれていることに気づいてほしかったのです。p.28

 待機説法の代表例。シュウリハンダカは私のことだ。

無量寿とは、とっても長い寿命という意味ではありません。長さでは決して量ることのできないいのちを意味します。p.34

 数値の物差しでは測れない命。

鳥の声が仏のはたらきを知らせてくるのが、阿弥陀仏の世界なのです。p.52

 たしか、荒俣宏は『世界大博物事典』で、鳥類を、神の声の代弁者と紹介していました。

過去の人も、現在の人も、未来の人も、すべての人が視野に入っています。p.99

 已発願、今発願、当発願。

自分たちで五濁悪世を作りながら、その自覚もないからこそ、釈尊は教え導かねばならなかったのです。p.128

 自覚がない人のために。

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