サブカル大蔵経708「芸術新潮」2019年7月号(新潮社)
約2年前に発行された「芸術新潮」2019年7月号〈画業50周年記念 大特集 萩尾望都〉です。
過去の回想だけでなく、萩尾望都の現役の活動に焦点をあてて編集された印象です。
表紙のコピーは、「少女マンガの神が語る、作画のひみつ」。
9年前の2010年発行の河出の文藝別冊の表紙では「少女マンガ界の偉大なる母」でしたので、萩尾望都は〈母〉から〈神〉へ。
2019年は大英博物館の「Manga マンガ」展に出品。2016年に再開した『ポーの一族』の原画展が松屋銀座と阪急うめだにて開催されていました。
ロンドンでのイベントで「作品全体の大きなテーマは?」と英国人女性に問われて、
「あるとすれば、喪失感をどう埋めるかです」(p.99)と答えています。
『一度きりの大泉の話』の表紙になった「週刊少女コミックス」1976年4・5合併号(小学館)の「'76星うらない付き少コミ名作ポスター」も掲載されていました。この特集ページの構成・文は、『大泉』で〈協力〉として名を連ねていた「図書の家」さんです。
オスカーが〈人気ナンバーワン・キャラクター〉ときちんと評価されていて嬉しかった(選・文 永井祐子氏)です。元旦に放映された「100分de名著」では誰もオスカーのことに触れなかったのが残念だったので。
本書冒頭のインタビュー記事では、山本順也さんのことが回想されていたのも貴重でした。よく読むと、〈京都精華大学〉や〈絶対その人を離してはいけません〉という言葉の選択に、ギリギリなものを勝手に感じました。
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