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サブカル大蔵経756中澤伸弘『やさしく読む国学』(戎光祥出版)

敗戦後、戦争の原因とされた国学研究はタブーになってしまいました。

その結果いまだに〈水戸学〉も〈国体〉も〈天皇崇拝〉も解らないことだらけです。

国学とはなんだったのか。

本書はバランスに配慮しながら、見開き2頁形式で国学に寄り添っていきます。

文献学がいつ右翼、ヘイトに形を変えた?

明治維新直後、平田派・本居派らを相手に島地黙雷は戦ったのか。

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わが国の古典によって、仏教・儒教が伝来する以前のわが国民の国民性や文化を見出した学問といえます。p.12

 儒仏以前の日本を探る

室生寺の裏山の岩に頭をぶつけて死のうとした契沖。p.26

 国学四大人最初の人の謎。

宣長が儒教を嫌ったのは人間の本心を飾っている虚飾と考えたからです。親を思ってやつれる孝行は親不孝。強い男でさえも泣く。是ぞ人の真心にはありける。p.88

 押し付けを嫌う。化粧を嫌うような?〈仮〉〈偽〉と〈真〉の対立でいいのか?

日本には道徳の道はなく、ものに行く道しかない。p.118

 宣長と〈もの〉。もののあはれ。もの思いにふける。〈もの〉と日本。〈もの〉とは何か。

篤胤はサンスクリットの勉強もしました。1840年天保11年、インド大蔵経の研究、『印度蔵志』p.128

 日本を知る為のサンスクリット。江戸の怪人たちのスケール。

篤胤は幽冥界はこの我々の生活している地上の世界にあるのだが、目には見えないと説明しています。p.148

 幻視か、文献か。この独創が日本を動かしたのでしょうか。

国学を風刺した式亭三馬は風呂屋に、鳧子けりこ、鴨子かもこ、という雅そうな二人の婦人を登場させます。p.169

 戯作者たちの使命。今の日本だとデーブスペクターくらいでしょうか?

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