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バイデン政権で加速する? SDGsの“あの”分野

(※本記事は11月10日配信のメールマガジンより抜粋しています。メールマガジンへの登録はこちらの右カラム最下部から)

世界中が注目したアメリカ大統領選挙。投票日から5日後の11月8日、ジョー・バイデン氏の勝利が確実となり、ようやく決着を見せました。

それに伴い、バイデン氏が公約で言及した分野に注目が集まります。その1つがクリーンエネルギー

トランプ前大統領は2019年11月、気候変動に関する国際ルール「パリ協定」からの離脱を通告。バイデン氏はこれを横暴とし、パリ協定への参加を掲げていました。

アメリカの動きも相まって、今後、世界的に加速していくと考えられるクリーンエネルギーの推進。日本でも、脱炭素社会への動きが強まっています。

本記事では、国内での動き、生産性やデジタル技術との関係性、民間企業が取り組むべき理由などをまとめてお届けします。

2050年までに「実質ゼロ」目標

そもそもクリーンエネルギーとは何なのでしょうか。

これは大気汚染物質が発生しない自然エネルギーのことで、太陽光、風力、水力、地熱などから発電したものを指します。そのうち、エネルギー源として永続的に再利用できるものを再生可能エネルギーと呼び、環境保護やエネルギー自給率向上の観点で重視されています。

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©️ makieni on AC

クリーンエネルギーへの関心が世界的に高まったのは、2015年採択の「持続可能な開発目標(SDGs)」がきっかけといえるでしょう。目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、

・2030年までに、エネルギーをつくる方法のうち、再生可能エネルギーを使う方法の割合を大きく増やす。
・2030年までに、今までの倍の速さで、エネルギー効率をよくしていく。

などが掲げられています。

そして、同年には「パリ協定」も採択されました。これは、1997年の「京都議定書」を前身とする、2020年以降の地球温暖化対策にむけた国際的な枠組み。現在、約180ヵ国が批准してます。

国内では菅首相が10月26日、所信表明演説にて「温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする」と断言。また、2002年6月制定のエネルギー政策基本法に基づく「エネルギー基本計画」の見直しに向けた動きも始まりました。

このように、石炭火力などを可能な限り縮小し、再生可能エネルギーの主力電源化を目指す動きは、国内外で活発化しています。

環境にいい=生産性が高い?

クリーンエネルギー推進などの脱炭素化の動きは、デジタル化の進行状況との関連性が指摘されています。

環境省は2014年、日本の炭素生産性の低迷要因についてのレポートを作成。炭素生産性とは、GDPを炭素投入量(温室効果ガス排出量)で割ったもの。炭素生産性が高いということは、少ない炭素量で多くの価値を生み出していることを指します。

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© 2020 Monstar Lab

同レポートは「炭素生産性が高い国は、労働生産性が高い現象がある」と指摘。そのような国では、炭素投入量が少ない無形資産のシェアが多い、すなわちデジタル化が進んでおり、それによって業務効率化やイノベーションが進んでいるため、労働生産性が高いのではと考察されています。

実際、労働生産性・炭素生産性ともに高いスウェーデン、スイス、ノルウェーなどの国々は、世界デジタル競争力ランキングの上位国です。

【生産性と炭素生産性の関係(2014年)】※為替ベース

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環境省「炭素生産性の低迷の要因②」を参考に作成
()は2019年世界デジタル競争力ランキングの順位

これは国だけでなく、企業にも通じるものがあるでしょう。例えば、エネルギーを効率的に使うにはAIやIoTなどのデジタル技術が欠かせません。

そのような取り組みに前向きな企業は、そうでない企業よりもデジタル化が進み、業務効率化・付加価値化が図られ、イノベーションも起きやすい──すなわち、DX推進の土台ができていることが予想されます。

企業のクリーンエネルギーへの取り組みは、社会的責任の観点はもちろんのこと、実質的にデジタル化が進んでいるかどうかという面でも、投資家などから大きな判断軸として見られるでしょう。

そのほか、今後は日本でもカーボンプライシング(二酸化炭素に値段をつけ、排出量に応じて企業・家庭がコストを負担する制度)の導入も考えられます。

そのような状況から、京都大学大学院 経済学研究科教授の諸富 徹氏は「今、環境対策を先送りにしてしまうと、炭素規制が厳しくなったときに、経営に致命的な打撃を与えることになる」と話しています。

コロナ禍の2020年上半期、世界の二酸化炭素(CO2)排出量は前年同期比で8.8%(15億5100万トン)減少したとの研究結果が。これはロックダウンなどの行動制限が大きな要因ですが、デジタル化によるサービスの“非物質化”は、環境対策のほか多様な面において、重要なポイントとなりそうです。


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