見出し画像

ある目玉のゲーム【毎週ショートショートnote】

空の遥か高いところで、大きな目玉がギョロリとのぞいている。

そろそろ飽きてきたから、これはやめようかな?
カシャっと、カセットを取り出して、別のものに交換した。
天下統一ゲームにしよう♪

その大きな目玉の主はそう言って、スタートボタンを押した。

地上では、にわかに不穏な空気が広がった。
どうやら戦国時代の自動操縦カセットを入れたようだった。

そのカセットを入れると、地上の人間たちは勝手に天下統一ゲームのコマとなって戦い始めた。

目玉は、天下統一がなされそうになると、ダイヤルを少し戻してまた戦国時代に戻し、面白そうに地上を眺めた。

ところが、地上のあちこちで、皆が手を合わせ、そろそろ戦いを終わらせてほしいと言い出した。
仕方ないなあ…

目玉の主自身も、そろそろ飽きてなんだか眠くなってきた。

目玉の主は、ダイヤルを徳川家康に合わせた。
そして、ゲームが終わると200年ほど寝てしまった。

枕元に置かれたカセットには、文明開花と書かれていた。



本文ここまで 409文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

お題は、「戦国時代の自動操縦」でした。

この世界は、小さな微生物を顕微鏡で見ている私たちのように、大きな存在が自分たちを顕微鏡で見ているのではないか?
なんて思う時が時々あります。

銀河一個捕まえた!
あら、大きな銀河ね。
大切に育てるのよ。
なんて、お母さんが言っているかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?