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隔週警察官

ある街のとある交差点に、隔週の土曜日いつも警察官が立っている。

彼は思っていた。
私がここに、ただ立っているだけで、人も車も信号無視をしないし、車はスピードを落とす。
歩行者もちゃんと横断歩道を渡る。
本当は常にそうして欲しいんだけどなあ。

しかし彼は、実は警察官ではなかった。
警察官の格好をしているだけだったのだ。

本物の警察が来ると、姿をくらましてしまうのだが、警察では、彼が悪いことをしているわけではなく、むしろありがたいと思い、構わないことにした。

ところがある日、そこを通り掛かった1人の年老いた女性が、彼を見て、はっとした顔をした。

ひろし、ひろしじゃないか。
あんた成仏しないでこんなところにいたんか!

実は彼は、以前この交差点で暴走自動車にはねられて死亡した男性だった。
悲劇を繰り返さないために、ここに立っているのだろうか?

当時彼は隔週土曜休みで、事故に遭ったのはその土曜日だった。
今も、仕事が休みの日に立っているのだろう。


ここまで 本文410文字

これは、たらはかにさんの
#毎週ショートショートnote
の企画に参加したものです。

今回は、裏お題の【隔週警察】でした。
410文字に抑えるのに苦労し、ちょっとわかりにくくなってしまったような気もします。

先日も痛ましい事故の話を聞きました。
(知り合いではないのですが)

交通事故は、事故に遭っても、起こしても、本当に辛いものです。
道路は、決して安全なところではないし、自分が優先の場所ではありません。
ゆとりを持って、周りをよく見て、運転したり歩いたりしなければいけないと思います。

皆さんも、くれぐれもお気をつけください。

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