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桜回線 2

どこに行っても 
何を見ても
何を食べても 
あいつに話したくなるんだ。

なんであんなこと言っちゃったんだろう…

潤平は、項垂れた。
まあ飲めよ、仁志は潤平のグラスにビールを注いだ。

卒業式の時、あいつに告白されたんだ。
だけど、
幼稚園からずーっと一緒にいるのに、今更お前を女としてなんて見れねえよ
って、いつもの軽いノリで言っちゃったんだ。

そしたら泣き出しちゃって、それっきり気まずいまま東京に来てしまったんだ。

でも、会えなくなって初めて自分の気持ちがわかったんだ。
もう遅いよな…


桜回線ってホントにあるんだぜ
仁志が言った。

桜回線のおかげで、オレは上野公園で美幸と会えたんだ。
お前も言葉送ってみろよ

でももう桜終わりかけだよな

まだ咲いてる桜もあるぞ、
ほら、あそこの神社の…

翌日潤平が、神社の桜の木の下に立つと

潤平、元気にしてるかな

という声が聞こえた。
これが桜回線?

潤平は、桜の花びらに祈るようにつぶやいた。

ゴールデンウィークに会いに行くから


ここまで  410文字

これは、前回のお話の続編的なお話です。
前回のお話はこちら

そして、前回と同じく、たらはかにさんの
毎週ショートショートnoteへの参加です。

需要はないだろうと思いつつ、頭の中で生まれた潤平を、そのまま消し去りたくなかったので、えいやっ!と出してしまいました。

この桜回線。
実は他にも、
母から娘編とかも考えたりしましたが、
需要もないのにしつこいだろっ
と思ってやめました😅

直接言う勇気がなかったり、言う方法が見つけられない場合、桜回線はとっていい手段です。
でも多分、お互いに相手のことを思った時に繋がるような気がします。

桜回線で魅力的な言葉を伝えるお話
考えたら色々できそうな気がします。
もし、素敵なストーリーがあったら、(浮かんだら)ぜひ教えてくださいませ。


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