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生き抜く強さ

福島太郎さんの、黒田製作所物語。
私の大好きなお話です。

今回創作大賞に応募されるとの事で、当初よりさらにボリュームアップして、記事にしてくださいました。

今回もまた、読み出したら止まらずに、一気に読みました。

読む前は、下町ロケットや、空飛ぶタイヤみたいな感じなのかな?と思っていました。
その二作品は、結構好きでしたので、楽しみでした。

読んでみると、やはり中小企業の仕事にかける情熱や、職人としての誇りが溢れる作品でしたが、戦後の焦土からの始まり。
いきなり心をグッと持っていかれました。

そして、福島さんがおっしゃっていた通り、登場人物がみんな、いい人で、真っ直ぐな心を持った魅力的な人々。
戦うのは、戦後の苦しい時代であったり、変わっていく時代であったり…

対抗する相手や、悪い人を懲らしめたり、争ったりしなくても、こんなに感動するお話を書けるなんて、福島さんすごいです!

「人生を楽しむ」ということは、困難の中でも、夢や希望を失わずに、挑戦し続けることなのかもしれません。

最初の画像に書いた、
「稼ぐ 働く 楽しむ 楽しませる
 そして生きていく」
という言葉が、とても印象的でした。
彼らは決して苦しんで、辛いと思いながら、がむしゃらに働いていたわけではないんです。
そこが、彼らの強みであり、素晴らしさだと思います。

日本の中小企業の技術力はすごいと、よく聞きます。
それは、他でもないそこで働く人々の努力と鍛錬の結果。
勤勉で、まっすぐで、仕事にかける情熱を持った日本人。
今も残るどの会社も、技術と、熱意と、人のつながりで、素晴らしい成果を残してきたのだろう。
それこそが生き抜く強さなのかもしれない。

そんな素敵な日本の姿が、ともすると失われがちに感じるこの頃。

戦後の苦しい状況の中、助け合い、励ましあい、今の日本を作ってきた方々の逞しさと、情熱と、人を大切にする心を感じました。

そしてお話は、現代にまで続きます。
新しい時代に対応していくことの大切さと、学ぶ努力を惜しんだらいけないんだな、とも思いました。

生きていくにはいろんな困難があります。
そこにはやはり人の力は大きいです。
自分の努力はもちろん、いい人に出会い、そして出会った人々を大切にする心。
それが困難に打ち勝っていく一つの方法だと思いました。

このお話は、フィクションとのことですが、モデルとなった会社があるそうです。また、この本を読んだ後に、外伝を読むと、おおーー!
と叫びたくなる気持ちでした。
(表現力がなくてすみません)

最近ちょっと熱い自分を失いつつあるな、と感じる方がいたら、ぜひ読んでみていただきたいと思いました。

そして、たくさんのノーターの方々の後書きも又よかったです。
後書きにあった、「日本一綺麗 ステンレス」 で検索して、なんか嬉しいような、しみじみした気持ちになりました。

私には生き抜く強さがあるだろうか…
人並以上の技術はなく、
熱意も、度々失って、
でも、私の周りには、温かい人々が沢山いる。

このnoteの世界にも、私に楽しみや癒しや喜び、
意欲や勇気を与えてくれる人々が沢山います。

私は私なりの生き抜く強さを持って、この困難な時代を生きていきたいと思いました。

福島さん、ありがとうございました。


と、ここまでは、初めて読んだ時の感想です。
今回は、以前のお話に、東日本大震災震災の時の様子や、その後に発表された外伝なども盛り込んで、さらにスケールアップしていました。

黒田製作所の流れの中に、寄り添うように登場する、銀行員の田中さん、
女子高生の冨塚さん、
この2人の共通点は、やはり一途で真っ直ぐな心。情熱。
その心は虎一さんから受け継がれた思いと重なり、さらにこのお話を魅力的にしていきます。

また、会社に、東北に、大きな困難をもたらした、東日本大震災。

壊れた工場設備や、途絶えた依頼。
物理的な痛手と、風評被害による精神的な痛手がWで黒田製作所を襲う。
もうダメか、という中から立ち上がっていく姿にも勇気をもらえますし、決断し、それに向かって工場のみんなが一丸となって、進んでいく姿も、すごいと思いました。

これも戦後の大変な時代に生き抜いた虎一さんの心を受け継いだ家族や従業員があってこそだと思いました。

以前読んでいたにも関わらず、改めて又感動してしまいました。

仕事ができる事を喜べること、
人のためになることを喜べること、
お金や名声よりも大切なものこそが、より大きな喜びになるのだと思います。

時代は変わり、がむしゃらに働くとか、仕事が人生、というのがいいわけではない、と私も思う。

でも、ただ稼ぐために働くとか、諦めて働く中に、発展も進歩も楽しみもない。

人の上に立つ人間が、子供を育てる大人が、社会を担う人々が、自分が得するため、儲かるため、楽するためではなく、お客さんや従業員、地域のために、みんなのためと考える会社や社会であれば、続く人々も自然とそうなっていくことでしょう。

そして、熱い思いを持った、まっすぐな目をした人間が増えることが、この国の発展になるのではないかと思います。

黒田製作所のような素敵な会社は、きっと日本のあちこちにあると思います。
そういう素敵な会社が、大きな力に負けて欲しくない。
美しい日本の未来のために、黒田製作所のような、人の温かみがある会社がいつまでも続いて欲しいと願います。

このお話を、多くの人が読んでくれますように‼️

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