会員制の粉雪

ここは会員制の施設「粉雪」
この施設は、一年中温暖で雪が降らない地域にあったが、その場所は少数の会員しか知らなかった。

美穂子は、恋人の東堂に誘われて、その施設にやってきた。
扉を開くと、更にその先に厚い扉が見える。

そこには黒服の男がいて
いらっしゃいませ 東堂様
今コートをお持ちいたします。
お連れ様分も、ご用意いたしております。
と言った。

男は、暖かそうなコートとゴーグルを渡し、
2人がそれを着ると、二つ目の扉を開けた。

そこは一面銀世界。
粉雪が静かに降ってた。

美穂子は歓声を上げた。

行ってらっしゃいませ。
黒服の男がそう言って扉を閉めた。

ピリリと刺すような冷たさが、頬を刺激した。

雪だるまを作りたいわ
美穂子は、近くの雪をかき集め始めた。
いつのまにか近くにスコップとバケツがある。

美穂子が、よく見ようとゴーグルを外そうとすると
だめだ!
東堂が叫んだ。

しかし、手遅れだった。

美穂子がいたのは、床も壁も天井も真っ白な、何もないホールだった。


本文ここまで 411文字

これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

お題は、「会員制の粉雪」

なーんだ
と思うか
こんな体験してみたい
と思うか

私が美穂子なら、わあーすごーい!
と、ゴーグルをつけたり外したりして、楽しみます 笑笑


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