初めての海外旅行でデモ活動真っ最中だった香港に一人で行ってきた話
少しセンシティブなタイトルですが海外旅行記です。
先日の退職エントリと関連しますが、2019年9月の有休消化中に海外旅行へ行ってきました。今回はその時のお話になります。
なぜ香港に行こうと思ったのか
有休消化中に海外に行こうと思ったのは、福岡で度々飲みに誘って頂いていた方からの一言がきっかけでした。
「人生に何回あるかわからない有休消化だし、せっかくだから海外にでも行ってみたら?」
元々海外に興味があったのもあり、日本での仕事生活に心底嫌気が差していたことが決定打となって、「そうだ!あのプロジェクトから脱出したら日本を脱出して海外に行こう!」となどと思い始めたのでした。
肝心の香港に行こうと思った理由ですが、前述の海外へ行こうと思った理由に加えて、頻発するデモ活動によってたまたま香港に意識が向いたこと、また、まだ一国二制度が存続している間に一度行っておきたいなと思ったことです。意識の高いような低いようなわかりにくい理由ですが、「とにかく有休消化中にしかできないことをやってやろうぜ!」と変なテンションになっていました。
また、香港の情勢はニュースでの報道や周庭(アグネス・チョウ)さんらがツイートされているように、大規模なデモ活動が頻発している状況でした。ただ、2019年8月下旬頃のデモ活動は休日がメインであり、滞在を平日限定にしたうえで深夜の外出や集会に近づくことを避ければなんとかなるのでは?という目算がありました。
加えて、外務省のHPで香港の危険レベルが1(2019年8月時点)であることや、再び香港国際空港のロビーで座り込み活動が実施されて飛行機のダイヤに影響を与えるリスクが低いことを考慮し、9月初旬に香港へ行こうと決めました。
予約編
ツアーではなくExpediaから予約しました。航空券とホテルを一緒に予約し、3泊4日で4万円(4つ星クラスのホテル)くらいだったかと思います。ご家族が香港出身の方いわく「破格の値段」らしいです。
実はExpediaでの予約で全て完了というわけではなく、予約と同時に香港エクスプレスのサイトから受託手荷物の予約を行う必要がありました。
当日に空港で予約すると割高になってしまうため、とりあえず行きの分だけは受託手荷物の予約を行いました。(これが後でトラブルの種になるとは知らず…)
あと、持っていたスーツケースが古くなっていて海外に持っていくにはかなり不安だったので、アールワイレンタルでスーツケースを予約し、レンタルしました。なお、香港から帰国後にバリへ行く予定だっため、70Lのスーツケースをレンタルしましたが、もう一回り小さいサイズでもよかったかなと思います。
準備編
準備したものは主に以下になります。お盆明けぐらいからバタバタしながら準備しました。有休フル消化をキメておいて正解でした。
・パスポート(10年)
・スマホ
・財布
・現地のコンセント形状に対応した充電器
・ノートPC、タブレット(PCはいらなかったかも)
・着替え、メガネ
・コンタクト液
・香水
・暇つぶし用のラノベ
・現地通貨(3万円分)
・現地のSIMカード(行きの機内で購入)
また、前述の海外に詳しい方からのアドバイスを元に香港で利用する現地で使うアプリもいくつか入れました。
出発〜入国編(FUK→HKG)
お昼のフライトでしたが、初の国際線搭乗だったため、かなり余裕をもって空港に向かいました。チェックインのカウンターに向かいましたが、香港に向かう日本人は私以外にはいませんでした。
顔認証ゲート(便利!)による出国手続き完了後、こいつで香港に連れて行かれるんだな…などと考えながら飛行機を眺めていました。思ったより小さい。
搭乗案内がスタートし、機内へ。機内は当然のことながら日本語のアナウンスはありません。とうとう日本語が通じない場所に来てしまいした。普段なら聞き流してしまう英語のアナウンスに耳を傾けていました。
ほぼ定刻通りに離陸。そしてシートベルト点灯サイン消灯。出入国カードが配られましたが、筆記具を持ってきてなかったため記入できず…
あまりにも暇過ぎるので、愛機Kindle Fire HD8を取り出し、Prime VideoでローカルにDLしておいた「ダンベル何キロ持てる?」を観ることにしました。隣の香港人の女の子二人組がこっちを見ながらやたらクスクス笑ってた気がしましたが。笑うんじゃねぇよ。
機内ではアニメを観たり、ラノベを読んだりして過ごしていた感じです。前述した女の子二人組がセブンで買ったおにぎりを上手に開封できなかったので手伝ったりもしていました。
また、香港で使うSIMカードも機内で購入しました。今回の旅行で知ったのですが、世の中にはレンタルWi-Fiというものがあり、大抵の人は海外旅行の際にレンタルWi-Fiを借りるみたいです。私はSIMフリーの端末を持ってますし、ルーターを持ち歩くのが面倒なので海外SIMを挿して使うことにしました。
約4時間くらいのフライトでしたが、あっという間に着陸の時間が迫っていました。
飛行機から見た香港。
飛行機を降り、いざ入国審査へ。ついに外国にやって来たんだなとここにきてようやく実感し始めました。
シャトルトレインのホームに現地の人気作品?のイラストがデカデカと描かれてました。なんか少年誌っぽい。
入国審査も人が少なかったのでスムーズに通過し、デモ隊が8月に抗議活動を行った到着ロビーに足を踏み入れました。
また、オクトパスカード(日本で言うところのSuica)をロビーの自販機で購入しました。クレカから購入できます。
滞在編(初日)
空港→ホテル(九龍地区)までの移動はバスを利用しました。前述したオクトパスが利用できるので、いちいち現金で支払う必要がなく便利です。また、バス内ではWi-Fiが使えました。
バスからの風景。
チェックインを済ませホテルの部屋へ。一人には広すぎる。
さて、晩ごはんを求め街に繰り出したわけですが、ですが…
看板や店外に置いてあるメニューを見てもどんな食べ物が出てくるのか全く想像できない…
英語メニューが置いてある店を探し回った結果、麺類メインの店に入ることにしました。ローカル感が溢れる店内。そして私以外の外国人がいない。
動揺しても仕方ないので、注文するために店員を呼びます。
"Hi, Can I order?"(クソ発音)
ひとまず通じたようです。気の強そうなおばちゃんがすぐにやってきました。なんか怖い。おすすめらしいメニューとホットジンジャーを注文しました。
見た目は微妙でしたがぺろり完食できました。牧瀬紅莉栖ばりに"Thanks."と告げたら、怖いおばちゃんが微笑んでくれました。
現金で支払いを済ませ、脱出。
ホテルへ戻る途中、小規模な集会に遭遇しましたが、付近に香港警察と思しき人物の姿はなく、危険な雰囲気も特にありませんでした。
滞在編(二日目)
事前にアキバのような電気街が香港にもあるという情報を入手していたので、まずはMTR(地下鉄)で深水埗(シャムスイポー)へ向かった後に南へ下り、散歩しながらお土産を買うことにしました。
デモの報道で話題になったMTRの駅構内です。報道が全部ウソだったのではないかと思えるぐらい平穏そのものでした。前述のオクトパスカードが使えるため、乗り方も日本と変わりませんでした。
MTRの車内です。椅子は金属なので冷たいです。
いい加減お腹が空いたので、朝昼兼用の蒸しご飯を食べました。美味い美味い。
食事を済ませ、付近を散歩しました。建物内はSteins;Gateの一場面を彷彿とさせるような雰囲気でした。
ひと通り散策した後はMTRで南へ。アングラなショップと怪しい店員が巣食う「重慶大厦(チョンキンマンション)」にも行きました。
お土産を探しに海沿いのショピングモールに向かう道中、レノンウォールに遭遇。
香港の若者達の想いが書かれたコメントが壁にびっしりと貼られていました。中には日本人と思しきコメントもありました。
少し歩き疲れたのでスタバで休憩。香港のコーヒーは日本のそれと微妙に風味が違いました。
晩御飯は巨大ハンバーガーでした。よさげな店がなくて彷徨っていたところ、香港に詳しい人から教えてもらいました。横の缶ジュースは350mlのSpriteです。あまりにも量が多すぎて完食できず無念…
お土産を抱えて夜の繁華街をうろつきたくはなかったので、食後はタクシーでとっととホテルに戻りました。
滞在編(三日目)
あっという間に三日目を迎え、帰国が迫っているので香港エクスプレスのサイトから帰りの受託手荷物を予約し、クレカで支払いを試みたところ、トラブル発生。
3Dセキュアの壁に阻まれ決済が通らない…
限度額には全く達してないし、口座にお金がないわけでもないのに、そんなバカなことがあるものかと思いながら、他のカードで試しまくるも全滅。テンパりながらメインカードである三井住友VISAのデスクに国際電話(高い)し、3Dセキュア認証を一時的に解除してもらいました。
が、依然として決済は通らず。ホテルで「オイィィィィィィィ!!」と銀魂のような叫びをあげていました。
香港エクスプレスの日本語対応サポートにも電話しましたが、日本語でのコミュニケーションが成立せず成果なし。あげくの果てには対応ブラウザが云々などと頓珍漢なことを抜かす始末。クライアント側のエラーじゃないと思うんだが…
怒りに満ち溢れながら電話を切り、最後の勇気を振り絞ってAmazonカード(Master)で試してみたところ、無事に決済できました。悪戦苦闘した時間を返せよ…
気分を切り替えて朝昼ご飯へ。香港に詳しい人から佐敦(ジョーダン)付近お粥が美味しいお店があると情報を頂いたので、行ってみました。
肉団子入りお粥が出てきました。見た目も味付けもシンプルです。
お粥は風邪の時ぐらいしか食べないので、あまりいいイメージがなかったのですが、香港で食べたお粥はお粥に対してのイメージを破壊した美味しさでした。また、無料でもらえる揚げパンをお粥につけて一緒に食べるととても幸せになれます。(2020/1/7訂正:揚げパンは有料とのご指摘を頂きました。レシート見てませんでした。。)
また、旺角(モンコック)にも電気街があるとのことなので、食後に散歩してみることにしました。
スマホショップがひしめく「先達廣場(シンタットプラザ)」に行ってきました。ガジェットは買いませんでしたが、大量のガジェットを見てるだけで幸せな気分に浸れました。
道中で、私が勝手に「知的飲料」と呼ぶエナジードリンク「Monster Energy」の香港版を飲みました。画像の「魔爪」、カッコ良くないですか?
代表的オタクショップであるアニメイトの香港店。店舗面積も小さく、旬が過ぎ去っているのかSteins;Gate関連のグッズはなし。残念。
せっかくなので、海を渡って中環(セントラル)にも行ってみることにしました。
中環(セントラル)駅付近の街並みです。これまでの場所と違い、都会的な雰囲気を強く感じます。
おそらく上級国民向けであると思いますが、とてもお洒落なデパートです。眼下で上級国民と思しき方々がお高そうな食事をされていました。
晩ごはんの時間が近づくにつれて、お腹が空いたので早めの晩ごはんを食べ行くことにしました。
トラム(路面電車)に乗って移動。長崎の路面電車よりもこっちの方が好きかな。
お目当ての牛肉麺です。スープが絶品でした。
ボリュームが足りなかったので、またも香港に詳しい人から教えてもらった情報を元に、炒飯を食べに行きました。
運ばれてきた炒飯&エビワンタン麺。これも美味い。
「コイツ食いすぎじゃね?」的なオーラを店員からひしひし感じながら、炒飯と麺を無事に完食し、お店を後にしました。
ホテル帰還前に夜景を撮影。次回は山の上から撮りたいです。
ホテルへ戻った後は、最後の夜なのでホテルのプールバーへビールを飲みに行きました。(ビールはサービスでした)
帰国編(HKG→FUK)
最終日は早めにチェックアウトして空港へ向かいました。また、デモの影響だと思いますが、空港の入口ではパスポートを職員に提示する必要がありました。
諸手続きを終えて香港での最後の食事。カップヌードルの方がマシなレベルで後悔。
いつかまた来ようと思いながら香港を出発します。再見!
滞在中での小さなハプニングはありましたが、特にデモの影響を受けることなく、無事に帰国できたのでした。
なぜ香港デモの影響を受けずに済んだか
結論から言うと「たまたま」だと思います。
影響を受けずに済んだ原因をあえて言うなら、滞在中にデモの原因の一つである逃亡犯条例改正案の正式撤回が発表されたことや週末を避けたこと、そして夜遅い時間帯の行動を避けたことぐらいかなと思います。
現地でのコミュニケーションについて
話せるにこしたことはないですが、英語が全く話せなくてもなんとかなると思います。ネットが繋がる環境ならスマホの翻訳アプリも使えますし。
現地での買い物について
買い物はクレカとオクトパスカードがあれば大抵なんとかなります。ローカルな飲食店はキャッシュレス決済に対応していない場合があるため、現金も少しは持っておくとよいです。2〜3泊程度なら2万円くらいで事足りるのではと思います。
おわりに
帰国後も相変わらず香港での抗議活動が継続しているため、政治的な話も少し書こうかと悩みましたが、今回は旅行記なので書かないことにしました。また、香港から帰国してすぐにバリへ10日間程行ってきたのですが、こちらの話は書くかどうかわかりません。
最後に、今回の旅行にあたって手助けして下さった方々や現地の情報をまとめて下さった方々へ、この場を借りて一言言わせてください。本当にありがとうございました。