モロッコ最終日

ついに最終日になった。思い返せば一瞬だった。
明日は朝一で帰るので、自由に行動できるのは今日が最後になる。
目が覚めたのは2人ともお昼だった。最終日にして寝すぎた。
だけど今日の予定は、お土産を買ってレストランでご飯を食べるだけ。混んでそうなお昼時は避けたいので13時頃家を出て、お土産を物色する。
値段がちゃんと書いてあって、しつこい接客を一切してこない神的なお店が一件あった。そのお店で買うと昨日から決めていた。どのお店で買っても値段はたいして変わらないなら、せめていい人から買いたい。究極、何を買うかよりも誰から買うかを重視したい。
アクセサリーと鞄を買った。鞄は「本物の皮だよ!」ということを猛烈にアピールしてくれた。ライターで燃やしても、燃えない。「プラスチックじゃないぜ」と証明してくれた。手編みで作られたデザインが可愛い。いい買い物をした。
お皿屋さんでも買い物をした。皿屋でちゃんと値段表示しているお店はこの一件しかなかった。ここの店員さんも見た目はチンピラだけどいい人だった。「他のお店は高額な値段をふっかけてくるけど、オレはそんなことしない。本当の物の価値と、理性に従って商売してるんだぜ!」みたいなことを言っていた。嘘か本当かわからないけど、とても親切な接客をしてくれたので満足だ。少しまけてくれた。

最後はアイコちゃんが見つけた、口コミが良いレストランで食事をした。最終日にして初めての外食!小さいお店だけどスタッフはすごくテキパキ働いているし、清潔感もあるし、料理も美味しかった。お店が空いてきたタイミングで「もしよければ好きな席に移動しても構わないぜ!」とわざわざ声をかけてくれた。Wi-Fiも貸してくれた。若いスタッフは見た目はチンピラだけどすごくちゃんと働いていて、優しかった。英語が堪能だった。西洋とアラブが混ざったようなイケメンだった。
全員が全員、良い加減なチンピラではないということが最終日にしてわかった。
帰り道、家の前で最後のチンピラに絡まれた。また「案内するぜ!」系の誘拐詐欺男だ。アイコちゃんがフランス語で対応してくれた。断って、サヨナラと思いきや、なぜか最後に「じゃぁコーヒー代くれ」と言ってきたらしい。ムカつくを通り越して謎だ。

こういうチンピラがうじゃうじゃいる街で、楽しく1週間ちゃんと生活できたので、この2人旅は100点だと思う。

帰宅してから、最後に残ったミカンとレモンを食べきって、明日の荷造りもほぼ終わらせる。
明日は朝が早い。「起きれるのかな〜」と呑気に言うアイコちゃん。起きないと帰れないということをわかっていないようなお気楽さ。
最後の夜にフランスのSIMカードを無くしたと言い出した。呑気に言うけど大問題じゃないか?と思う。
結局ポシェットから出てきたので一安心。まだ、最後に明日の帰り道で何かが起こりそうな予感がしてきた。無事に何事もないことを願う。アイコちゃんが髪ゴムを無くして、エコバックを落としたことだけで済むといいな。
交通経路や言葉はアイコちゃん頼みで、私は特に役に立てていないので、せめてうっかりミスのハプニングが起きないように家に着くまでサポートしよう。

明日の朝モロッコを離れたら、もう生きているうちにもう一度アフリカの地を踏むことがあるのかわからない。自分の国とは比較しようもないくらいの土地で1週間も過ごした。忘れられない。楽しかった。モロッコを選んで連れて行ってくれたアイコちゃんに盛大に感謝。

#フランス生活 #フランス #モロッコ旅

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?