見出し画像

美しい花の記録(SC2020 Spring参戦記改め顛末記)その三

"《ミステリオス》や「アニミタス」を、私は「神話」と呼んでいます。何年かあとにはその大きな筒は嵐によって破壊されてしまうでしょう。私の名前も消えると思います。しかし、パタゴニアの人々が「ある男が来て、クジラと話そうとした」と語り継ぐかもしれません。そしてそれは「伝説」になるかもしれない。"
「ボルタンスキー、「アート」と「アーティスト」のあるべき姿について語る」 Christian Boltanski

サンシャインクリエイション2020 Spring
参戦記改め顛末記 その三

その一 その二 そんなこんなでしたが、

となりました。起承転結で言えば転。綺麗な流れですが、昨今の情勢を鑑みればむしろ意外性が弱いかもしれません。かくなる上は是非もなし。

中止に際してクリエイション運営からは補償が提示されました。内容は参加費の返金もしくは次回イベントへの振り替え参加。不躾ながら資金繰りにそこまで余裕があるとは考えづらく、同情したくもなりますが、一参加者としてはありがたい話です。今後の参加申請を停滞させない意図もあるのでしょう。先を見通すことが難しい前代未聞の局面ですが、みんな頑張っています。

ところで本は印刷されました。

画像1

静岡県富士市、大渕笹場

正直な気持ちとしては印刷をキャンセルしたかったところですが、何しろ中止の発表が直前だったのでやむをえません。現実問題としてキャンセルが殺到すれば今度は印刷所の首が回らなくなるわけで、中止の判断時期が遅れた(ように見える)のも、そちらを鑑みてのことかなと邪推します。別に文句は付けないので考えるくらいは許してほしい。
というか自宅配送手続き時に「その変な名義で送りつけていいの?」とまで確認してくださった印刷所るるる様、マニュアル通りの対応ではあるのでしょうが、気配りが嬉しかったです。次の機会もお願いすると思います。

それはそれとして一部も売れていない本の束を置いていても空しいだけであり、またコミックマーケット98も中止が発表されるなど次の機会を待つのも難しい状況なので、通販をやることにしました。苺を食らわば皿まで。

BOOTH通販編

BOOTHはpixivで知られるピクシブ株式会社が運営する通販サービスです。同社に対して特段の好意があるわけではなく、同種のサービスは他にも大小あるのですが、収録したSSをpixivに投稿していた縁と、比較的楽そうだったことから選択しました。この手のプラットフォームを選ぶ際には、検索の手間や送料の点から同ジャンル他作者作品との兼ね合いも重要になると思われますが、そういうことを気にする作品では……

BOOTHでの商品販売方法は大まかに二種類。受注した商品を自宅から発送する自家通販と、保管から発送まで委託する倉庫サービス。
前者は梱包等の作業を自分でやることになりますが、受取金額の割合が高く、送料にも補助があり、後者はその逆であることに加えて一定条件下(一ヶ月間の商品の販売率が20%未満)で保管料金が発生し、また送料は購入者が負担することになります。

他にも倉庫に発送してから実際に販売開始するまで、最小でも土日含まず7日のタイムラグがあることも無視できません(この記事を投稿する4/3時点で発送から土日含まず14日経過も未入荷)。特に今回のような「せっかくのイベント」というノリに大きく依存したまとめ本の場合、販売開始の遅さが購買者の減少と直結することは目に見えています。

さらに昨今の情勢から、倉庫能力に起因する販売対応の制限及び配送の遅滞予想が告知されました。ことが物流全体に及ぶ可能性も十分に考えられるため、同業他社も近い状況になるかもしれません。この点、倉庫を経由しない自家通販であればかなりスムーズに態勢が整うと考えられ、上記告知にも「自宅からの発送」を推奨する旨が記されています。

とはいえ俺は楽をしたい。あとここまで長引くとは考えていなかったため、今回は倉庫サービスを利用しました。印刷所から届いた本のうち数冊を抜き取り、必要な用紙と緩衝材を詰めてBOOTH倉庫に発送。手順は以上。

こうなりました。楽は楽。記事公開時点では未入荷。

販売価格は予定していた1000円から800円+送料に。イベント参加費の返金を見越し、予定していた採算部数ラインを変えないようにした結果です。予定価格といっても釣銭の準備めんどくせーという気持ちから設定した部分が大きいので、これは完全に趣味の問題。
BOOTHは保管料金が発生しても返送手続きが簡単ぽいので(送料は当然かかる)、今回の販売も一か月で取り下げるつもりです。そうして残部をどうしようかという段階に移行することで、実質的にイベントを消化したことになる寸法だ。

中身はちゃんと面白く、印刷もいい感じで、また二次創作としての精度もまずまず出せたと自負しています。なので遠慮なく買っていただいて良いのですが、とはいえ収録作は全て公開しています(本来は書き下ろしが一本ありましたがすでに公開済み)。読んで面白かったら買ってください。やはり縦書きの本は快適です。あと僕は二次創作から一次作品に触れていくタイプです。

次回は今度こそ販売経過を開示する予定です。あとは印刷結果の雑感など。こんなに長期間続けるつもりじゃなかったんですが……ともかく頑張っていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?