エンジニアの方達に(ちょっと)知っておいてほしいデザイナーのキモチ

デザインエンジニアという言葉が流行って、デザイナーとエンジニアの垣根はどんどん低くなって境界は溶けていると思っていましたが、ものづくり前線で働く身としてまだまだ溝は深いなと感じた体験がありましたので、一デザイナーとしての気持ちをここに書きなぐっておこうと思います。
イラっとしても殴らないでくださいごめんなさい。
※一プロダクトデザイナーとしての私個人の意見です。

【エンジニアとは】
プロダクトデザイナーと切っても切れない関係にあるのがエンジニア(工場の設計の方)です。webなどのデザイナーで言うところのプログラマーでしょうか。(エンジニアとも言いますかね)
デザイナーが描いたデザインを実現してくれる人達ですね。ありがたやー

【デザインのメリットとは】
今日エンジニアの方に「この形状にしたメリットは何ですか?」的なことを聞かれました。
「え、メリット…?だってこれがかっこいいと思ったんだもん!」
と言うのは半分冗談ですが、ここが一つ考え方の相違だと思いました。かっこいい形、綺麗な形というのは、それだけでその製品にとってはメリットだと思うんですよね。どうせ買うならかっこいいものの方がいいじゃないですか。
使いやすいとか安いとかと同じ次元にかっこいいとか可愛いとか綺麗とかっていうのもあるんじゃなかろうかと。

【デザインとコスト】
そのエンジニアの方によると私がデザインした形を実現しようとするとコストが上がってしまうらしいんですね。
実際ものづくりをしていてここが一番もどかしいところで、自分の思い描いた形を実現できないのはコストによるところがほとんどです。(次に強度、構造など)
デザインとはこれほどまでにお金のことを気にかけなければならないのかとインハウスデザイナーになって愕然としました。コストとのせめぎ合いといっても過言ではない…
一応ざっくりとここはコスト上がるだろうなーというのはある程度予想して提案しています。高いからやらない!ではなく、こういうやり方ならもう少し安くできるよっていうコストとデザインの妥協点を探っていきたいですね。
お金をかけてでも実現する価値があると思ってもらえるデザインができなかった私の未熟さもありますが…

【なんとなくで形は作れない】
デザイナーが作り出す形には必ず意味があると私は考えています。うまく説明できなくても、言葉にならなくても、いろいろなことを考えて考えて考えた末に一本の線を引いています。何となくサラサラっと描いているように見えるかもしれませんが、どんなに細かい小さい部分でもその形を選んだデザイナーの考えというのはあります。そのもの全体のバランス、ユーザーの使いやすさ、作りやすさ、美しさ、コスト、そのものが使われる(置かれる)シーンなどなどなど。
最終的には感覚の世界になりますが、それでもその形にした何らかの意味があります。形に意味を持たせるのもデザイナーの仕事の一つだと考えています。

【仲良くしてください】
デザイナーはあなた方の敵ではありません!(実際にエンジニアの方に「敵だと思ってた」と言われたことがあります涙)
ノンデザイナーの方から見るとデザイナーの考えていることは非合理的で非生産的に見えるところもあるかもしれませんが、デザイナーはデザイナーでいろいろな事を考えてデザインしています。
そういう考え方もあるかもな、と少しで良いので歩み寄っていただけると嬉しいです。もちろんデザイナーの方も、設計者の視点で作り方、コストなどについての知識をつけて、実現可能な魅力的なデザインをする必要があります。
『いいものをつくりたい』という志は一緒だと思います。共にリスペクトし合い、良いものづくりをしていけたらいいですね。

といったところで今回はこの辺でノシ

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