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大己貴命(大国主命)の命を甦らせた二柱の貝の女神様のおられる岐佐神社は女性性にあふれ優しさに包まれています。そして色は白


舞阪にある岐佐神社に行ってきました。

旧東海道沿いにある(少しだけ奥に入ったところ)岐佐神社は前回ご紹介した小國神社の御祭神、大己貴命(おおなむちのみこと:大国主命)に縁のある女神様が御祭神です。しかも二柱の神様が祀られています。

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大己貴命の命を甦らせた女神様

岐佐神社の御祭神は大己貴命を甦らせた蚶貝比売命(きさがいひめのみこと)と蛤貝比売命(うむがいひめのみこと)です。蚶貝比売命は赤貝の神様です。蛤貝比売命は蛤(はまぐり)の神様です。

大己貴命が八十神たちの策略で命を落とされました。それは八十神たちの恨みを買ってしまったからです。

美しい女神様の八上比売(やかみひめ)に求婚するために八十神たちは大己貴命を荷物持ちとして同行させ、因幡の国に向かいました。

その旅の途中、皮を剥がされて苦しんでいる兎を騙し、傷が悪化してしまったその兎を助けたのが大己貴命でした(因幡の白兎)

助けてもらった兎は「八十神たちは誰も選ばれない。八上比売が選ぶのはあなた様です」と大己貴命に言いました。

兎の言うとおり、八上比売が選んだ相手は大己貴命でした。


八十神の恨み

「まさかよりによって大己貴命を選ぶなんて!あんな若僧のどこがいいんだ!」八十神たちは腹の虫がおさまりません。八十神たちは大己貴命を殺してしまおうと策略をめぐらせます。その策略とは?

巨大な岩を真っ赤に焼き、それを「赤い猪」と偽り、大己貴命に退治するように命じます。その命令に従った大己貴命は山の上から転がり落ちてくる真っ赤に焼かれた巨大な岩を受けとめました。しかし受けとめたせいで大己貴命の体は焼けてしまい、巨大な岩に押しつぶされて命を落としてしまったのです。

何回書いても、ひでー話しだ!

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岐佐神社の境内には赤猪石(あかいし)として神話の石が祀られています。



悲しみに暮れる大己貴命の母神

大己貴命を失った母神、刺国若姫命(さしくにわかひめのみこと)は悲しみに暮れました。なんとか助けたい一心で天つ神の神産巣日之命(かみむすびのみこと)に大己貴命を生き返らせて欲しいとすがります。

母神の深い愛情に心を動かされた神産巣日之命は、大己貴命を生き返らせるために二柱の女神様を遣わせます。そして大己貴命は命を吹き返します。

この二柱の女神様が蚶貝比売命と蛤貝比売命なのです。


健康・長寿の神・怪我・病気平癒の神様

蚶貝比売命は赤貝を削って粉を集め、蛤貝比売命は蛤の出す汁でその粉を溶き、その薬を大己貴命の体に塗り治療を施します。すると大己貴命は見事に生き返ったのです。

このことから蚶貝比売命と蛤貝比売命を健康・長寿の神・怪我・病気平癒の神様と崇められるようになりました。

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なぜ岐佐神社に蚶貝比売命と蛤貝比売命が祀られているのか

浜松市にある舞阪町は遠州灘と浜名湖に面している漁師町です。夜明けと共に汽笛を鳴らしながら出航する場面には力強さを感じます。

この地域では古くからキサガイがよく採れたことで知られています。また江戸時代の舞阪宿では、はまぐりが名物でした。

御祭神が貝の神様であることから水産、漁業の守り神として蚶貝比売命と蛤貝比売命が祀られています。漁師町の氏神様として信仰を集めてきました。

今から520年ほど前に起きた明応地震(南海トラフ大地震)でこの辺りは海に流されてしまいました。荒れた堆砂(土砂が溜まった)の丘の上に古木があり、そこに小さな神祠が流れ着いていました。そこには「敷智郡岐佐神社」と書かれていたそうです。その場所が今岐佐神社が鎮座されている場所になるそうです。

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今回宮司さんとお話しすることができず(お参りした時に不在だった)、岐佐神社のホームページを参考にさせていただきました。



岐佐神社から感じた色は白

神社にお参りに行った際にはいつもその神社の色を意識して感じてみようとしています。

結論から言うと、岐佐神社に白を感じました。

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神社は神々しい場所として白が最もふさわしい色です。しかし神社によっては青を感じることもあります(浜松市舘山寺近くにある曽許乃御立神社からは青を感じました)

白は神様のお召しになる装身具の色でもありますし、そもそも穢れのない色です。今回の岐佐神社は祀られている神様が医療に精通している神様であることからも(大己貴命を生き返らせましたし、医療の象徴は白衣にもあるように白ですから)白を強く感じました。

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しかしこれは、そこに祀られている御祭神によって違う色を感じるものだと私は思います。伊勢神宮では黄色~金色を感じます。天照大御神は太陽を象徴する神様です。いつもお参りする時間帯が鳥居にかかる日の出を見てからお参りするので、内宮に行くたびに境内はいつも朝日に照らされています。頭のてっぺんにある太陽ではなく、東から昇る太陽の光を内宮の木々の合間から見ると金色に輝いて見えるのです。

朝靄がかかっていたりすると金色は四方に広がり、実に幻想的な場面に遭遇することができます。

御祭神のことを知って神社に出掛けると、いつもとは違う風景の神社を見ることができます。そんな工夫も神社巡りのひとつの楽しみ方かもしれませんね。

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どなたもおられなかったので御朱印はいただけませんでした。
また近いうちに行こうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

冒頭の動画もぜひ見てください。


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