見出し画像

うんちは怖くない。

先に断っておくが、今回のテキストノートでは多分、数えるのが面倒臭くなる程

「うんち」

を連呼すると思うので、食事中の方や、これからカレーを食べる方は食べ終わってから読むことをオススメする。


以前会った幼い男の子に、トイレに1人で行けない子がいた。

(トイレに1人で行くのが怖いのかな?ウンウン。分かるよ。オバチャンも昔は『トイレの花子さん』が怖くってねー。トイレ行きたくなかったもんねー。)

なんて思っていたらそうではなかった。

その子のお母さんが言うには、

以前、うんちをしたときにお尻を拭いたら誤って手についてしまい、そのことがショックすぎてトラウマになり、家以外でトイレに行けず、外出先ではトイレを我慢してしまうようになった。

とのことだ。

私はそれを聞いて、
「なんてかわいそうなんだ!」
と思った。
うんちは誰でもするものだし、元々みんなお腹のなかに入れているものだから汚くないのに!
(いや、体外に出た時点で汚いか。)

唐突だが、私は世間一般で言う「便秘」というものになったことがなく、朝2回、夜2回くらいお通じがあるのがスタンダードなので、1日に1回だと、自分の中では「便秘」という感覚だ。

ある日、
「1週間ご無沙汰です。」
という友人に
「私、今日はまだ1回だけだからさ、便秘なんだよね。」
と話したところ、
しめやかに

「コロス・・・・」

と言われたことがある。

その友人からしたら「便意」は干ばつ中の「恵みの雨」、いや、むしろ「神の声」のようにありがたいものに違いない。

1日4回の私ですらありがたく思う。

それをこの子は我慢してしまうなんて・・・
「神の声」を無視してしまうなんて・・・

「なんてかわいそうなんだ!」と思ったと同時に「なんとかトラウマを取っ払ってあげたい。」と差し出がましくも思った。

私はこの男の子の目を見て言った。

「大丈夫!うんちが手についたら洗えばいいから!石鹸で洗えば汚くないから!!!大丈夫だからね!うんちは怖くないよ!うんち、怖くないからね!!!」

もはや

「うんちは友だち」

と言い出すんじゃないかってくらいの私の必死な説得に、彼は内心ちょっと引いたかも知れないが返事をする代わりに「ニカッ」と笑ってくれた。

それから数日後のことである。

彼のお母さんにたまたま会った。
その時、

「実はあの日から1人でトイレに行けるようになりました!」

と、うれしい報告を受けた。

良かった。

本当に良かった。

「うんちは怖くない」
ということが彼に伝わったこと、

彼が「神の声」を無視しなくても良くなったこと、

そして何より彼がトラウマに立ち向かう勇気を出せたことが嬉しかった。


私は絵に描いたようなダメ人間なので、人に助けられてばっかりだ。

そんな私が今回、人の背中を押せる側になれたことが嬉しかった。

困っている時に人に助けられると本当にありがたいと思うけど、助けることも結構気持ちいいと思った。


今回はちょっと、いや、かなりゲスなノート、略して「ゲスノート」を書いてしまったので、明日は美しい文章をかけたらいいな、と思う。

(『ゲスノート』って言ってみたかっただけ。)




・・・書けるのかな?

#エッセイ #うんち #ゲスノート